ナンヤラカンヤラ
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タマキのナンヤラカンヤラ バックナンバー 2021年05月
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Blu-ray
マイアベーア:オペラ『ユグノー教徒』
マイアベーア:オペラ『ユグノー教徒』
プールサイドで水着姿の合唱団が出てきて驚いたのも今は昔。今ではオペラに全裸も珍しくないですからね

5月1日(土)
May Day。誰も騒がなくなったですね。労働組合自体の存在価値が消えたのかな?コロナ対策や五輪など十分に争点になると思えるんですけどね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。第二次大戦が終わってから「戦争に負けるとわかっていたけど止められる雰囲気ではなかった」と発言した日本人は多かったですね。今五輪は中止しなければ…と言える雰囲気ではないのかな?都議会でも開催反対は共産党だけらしい。開催推進派の意見は「今まで投じた莫大なカネが無駄になる」いや。そんなことはないでしょう。スポーツ基本法もスポーツ庁も多くのハコモノもできた。あとはそれを生かすも殺すも政府のスポーツ政策とスポーツ団体の活動次第。日本国民東京都民の生命と健康を危険にさらして無観客で巨額の赤字を積み上げてIOCに巨額の放送権料をプレゼントするだけの大会はもはや開催する意義も価値を消え失せているはず。ワン。終日デスクワーク。スポーツジャーナリズムの新刊への準備。昨日書き忘れたけどNHK-BS『いけずな京都旅』は面白いですね。久し振りに豆餅と鯖寿司が食べたくなった。かと思うと昨日は神奈川テレビでKBS京都の番組をやっていてタイトルは忘れたけど小生の檀家寺の六道珍皇寺が紹介されていて馴染みの和尚(おっさん)が出演して小野篁の冥界移動の井戸などを紹介されていた。一日に2回も見慣れた風景がテレビに出現するのは珍しい。田畑智子さんの京都弁の案内で…あ。これはNHKのほうか。そー言えば長い間京都へ帰ってないですねえ。晩飯オペラ劇場はロッシーニ『アルジェのイタリア人』のボローニャ歌劇場の現代演出。アニメも多用されてのメッチャ面白い舞台。衣裳や舞台装置も素晴らしい。主役のイタリア女を演じるアンナ・ゴラチョーヴァはビキニ姿でアリアを歌います。瞬間全裸になったオペラ歌手は『サロメ』を歌って踊ったマルフィターノがいたけどビキニでアリアはゴラチョーヴァしか知りませんなぁ。ワンピースの水着姿のオペラ歌手はモーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』やマイヤベーアの『ユグノー教徒』で見た記憶がありますがビキニは珍しい。風呂のあとベッドで『日本プロ野球犯罪事典』で「黒い霧事件」を読み進む。このときも球団野球界の責任をとるべき人々の対応が遅いですねえ。日本人は決断が遅いのかな?これが「日本人のへこたれない精神」か?バッハ会長はどう思います?

BOOK
『別冊太陽245歌麿決定版』平凡社
『別冊太陽245歌麿決定版』平凡社
歌麿の凄さに気付くのは大人になってからかな。放哉は青春、広重は朱夏。春信が白秋で歌麿は玄冬?

5月2日(日)
「日本プロ野球犯罪史』の「黒い霧事件」を読み進んでわかることは昭和40年代にはプロ野球というスポーツがそもそも文化としても産業としても認知されていなかったという事実ですね。親会社企業の単なる税金対策として利用していただけで選手は「社会人」とも思われていなかったわけですね。かつて長嶋茂雄さんにインタヴューしたとき自分がプロ野球界に入った頃は「プロ野球はロウワーlowerな存在でしたから」とおっしゃってましたからね。プロ野球だけでなくスポーツは小生がスポーツライターを名乗った頃(1970年代)でも「下」に見られてましたね。結構売れた自著『プロ野球大事典』と『不思議の国の野球』の出版パーティを開いてもらったときも挨拶に立った人(編集者や先輩の作家の皆さん)のほとんど全てが「次は野球以外のものを」「次はスポーツ以外のものを…」とか「スポーツ馬鹿にならないように…」などと話されましたから小生は苦笑いの連続でしたね。今東京オリンピックを無理にでも開催している人たちは本当にスポーツの価値を認めているのかな?ナンノコッチャ?と思った方は蔵出しコラムスポーツ編を読んで下さい。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。風が強い日は『くまのプーさん』の物語を思い出しますね。ナンノコッチャ?と思った方は『くまのプーさん』を読んで下さい。ディズニーのアニメでも強い風に飛ばされるプーさんが出てきます。ワン。終日スポーツ・ジャーナリズムの勉強。日本のメディアにスポーツ・ジャーナリズムが存在しないことを一冊の本で著すときの構成がかなりできあがりました。そろそろ書き始めますか?その前に晩飯&ビール&酒。『ダーウィンが来た』のチーターを見ながら。ナルホド。チーターが時速100キロで走るときは頭が上下にも左右にも全然揺れないのですね。凄い!『日曜美術館』で喜多川歌麿の素晴らしい「美人大首絵」を堪能したあと風呂。寝る前にコロナ関連のワイドショウを見たけど信じられるお医者さんは岩田健太郎さんだけかな。『オプエド』にも出てもらった彼は『週刊プレイボーイ』ではっきりと東京五輪は中止すべきと語られてます。どうして他のお医者さんたちはソレをはっきりとは言わないのかな?メディアも…スポーツジャーナリストを名乗る人たちも…。忖度?寝よ。

Blu-ray
『映像の世紀第6集 独立の旗の下に祖国統一に向けてアジアは苦難の道を歩んだ』
『映像の世紀第6集 独立の旗の下に祖国統一に向けてアジアは苦難の道を歩んだ』
このシリーズは本当に文句なしに素晴らしい。加古隆の音楽もイイですねぇ。

5月3日(月)
憲法記念日。現行憲法を「みっともない憲法」と吐き捨てた前首相が最近表舞台に復活してきましたね。恐ろしいことです。確かに現行憲法には修正すべき条文がいくつかありますが私は現在の自民党には手を付けさせたくないですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとモーニングショーを見ていたらコロナで毎日のようにTV出演されてる北村医師がスポーツドクターの資格を持つので東京五輪組織委から協力要請のメールが届いたとか。募集人員は200人。ボランティアで無給。交通費のみ支給。それはともかく選手村や試合会場への経路をどうするのか…毎日のPCR検査はどうするのか…毎日はしないのか…等の説明はナシでタダ募集の通知のみだという。看護師500人募集と同じですね。選手1万人関係者5万人に医療関係者等の全てをバブルで囲えるの?アメリカ大統領が来日すれば随行員が800人とヒゲの隊長の参院議員氏がTVで言ってましたね。本当に東京五輪は開催できるの?開催すると言ってる人(首相やIOC会長)は本気で開催できると思ってるの?その根拠は?どの省庁とは言いませんが霞が関の官僚からは開催不可能と囁く声が漏れ聞こえています。現時点では誰がどう考えても開催は不可能。ならば誰がいつ中止を宣言するのか?そして中止した場合の様々な事後処理をどうするのか?既にそれを考えねばならない時期になったと小生は思いますが…。今日は祝日で『オプエド』はおやすみ。ビール呑みながら「映像の世紀第6集独立の旗の下に 祖国統一に向けてアジアは苦難の道を歩んだ」を見る。孫文・蒋介石・毛沢東・ガンジー・ネール・ホーチミン…実感として知っているアジアの現代史の映像を見ると勝てない戦争(第二次大戦)に走ってしまった日本の選ぶべき道が他にもいくつかあったことが見えてくる。東京五輪に突入するにも中止するにもいろんな選択肢が存在しているはずだが…。しかしガンジーという人物は凄い人だったと改めて思いますね。しかし歴史はガンジーの望むようには進まずインドはヒンズーとイスラム(パキスタン)に分裂。リチャード・アッテンボロー監督の映画『ガンジー』を見直そうかな。

BOOK
カミュ『ペスト』
カミュ『ペスト』
コロナ禍のもとで読むとペストが何かの暗喩でなくリアリズムとして迫ってくると斎藤美奈子さんも書いてます
DVD
モーツァルト:オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』
モーツァルト:オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』
ザルツブルク音楽祭での現代演出。美男美女がワンピースやジーンズや背広姿で登場。しかし歌のレベルは高いです

5月4日(火)
朝ベッドのなかでの勉強は『メディアと権力』の再読に戻る。明治の文部大臣で全国の小中学校に運動会を奨励した森有礼は伊勢神宮での不敬行為を理由に右翼から暗殺されますがキリスト教徒で欧化主義者の彼は夫婦別姓の契約結婚だったのですね。それをメディアに報じられて暗殺につながった?その他「相馬事件」とか「白虹事件」とかメディア(新聞)に関する興味深い事件の記述の連続。付録に付いていたノンフィクション作家の関川夏央氏と著者の佐々木隆氏の対談「政客と番記者の差」も面白い。《日本の新聞人は日露戦争や白虹事件までは政客的な新聞人が政治家に意見を述べつつ情報をもらってきた。それが番記者になると情報を得るために実質的には無償の秘書を務めたり伝書便(クーリエ)の働きをするようになった》ナルホド。《特ダネと言われてるものも政治家が絶対に漏らしたくない情報を取ってきたのではなくいずれ公表する予定の情報を少し早く出した例がほとんど》最近は「バンキシャ」と堂々と名乗ってるTV番組までありますね。日本の政府が《最終的に取ることのできる選択肢は善し悪しや好き嫌いは別にしてあまり選ぶ余地ががないことは薄々わかってる》なのにメディアは《もっとオプションがあるように書く(発表する)それが不偏不党というわけ/実質的な可能性のない選択肢を提示してるだけなのに》…なるほど。東京五輪の「開催」や「再延期」というのもその類いなんでしょうね。《新聞は意見を発表しちゃいけないんじゃないですか(笑)》と関川さんも言っておられるけど今もメディアは東京五輪の医療従事者とワクチン接種の医療従事者を並行して動員できると本気で思ってるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。『スポーツ・ジャーナリズム』の目次作り。ほぼできあがる。さてオリンピックをどこにどう嵌め込むか…ですね。晩飯映画劇場は『日本沈没』を見ながら。原作者の小松左京さんにインタヴューさせてもらったことがあるけど日本列島が沈んでなくなって日本人がユダヤ人のように流浪の民になったらそこにどんな「日本」が表れるかを書きたい…というようなことをおっしゃっていた。だからこの作品は未完なんですね。どうなるんだろう?という問題提起だけで…。しかし3・11のあとに改めてコノ映画を見るとリアリズムで迫ってきますね。コロナ禍でカミュの『ペスト』を読むとペストが何かのシンボル(象徴や比喩)ではなくリアルな病気の起こりうる事件として読めるというようなことを斎藤美奈子さんがどこかに書いてたけどソレと同じかな。

5月5日(水)
『メディアと権力』は少々専門的すぎて(新聞に関わっている人の名前が多くて煩雑で)読み辛い点もあるけど丹念に読み込むと面白い。明治時代の多くの新聞は政府の補助金をもらっていた(大阪朝日新聞も明治27年までもらっていた)わけで政治家はメディアを広報(スポークスマン)に利用しようとして…要するに今も昔も変わらぬ光景というわけですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。端午の節句。鯉幟をベランダに飾ってる家が2軒。昔はもう少し多かったかな。我が家も昔はやりましたね。この近辺は子供は多いはずなのに。ワン。終日デスクワーク。スポーツ・ジャーナリズムの社会的位置づけを整理。スポーツ団体やスポーツ・イベントを所有している日本のメディアのあり方はスポーツに対する「無理解」だけでは語れず日本の明治以来の政府との癒着という背景もありそうか…だから今でもメディアが何の疑問も抱かず東京五輪のオフィシャル・パートナーになったり…コロナ感染下で世論の7割前後が「五輪中止・再延期」を唱えてもはっきりとは自らの意見を述べられず《冷静な目で現実と向き合う時だ》(朝日社説4/30「五輪とコロナ」)なんて書き方しかできないのでしょうね。その新聞とテレビがクロス・オーナーシップ(相互所有)で結びついてることも問題ですね。多くの国では言論の一元化を避ける(多様化を推進する)ためにクロス・オーナーシップ(相互所有)は禁止されているというのに…我が国でそれを認めている(推進している?)のは明治時代以来の政府とメディアの癒着構造の伝統?札幌でのコロナ禍での東京五輪マラソン試走大会は沿道で反対している人たちはテレビでは報じられなかったのかな?ネットには出ていましたね。この程度のハーフマラソンで五輪のテストができたと言えるのかな?それを取材して本番の五輪での成否を分析して報じるのがジャーナリズム。テスト大会が「無事」行われたと「報じる」のがスポークスマンですね。イヤ最近はスポークスマンとは言わないのですね。スポークスパースンですね。

5月6日(木)
『メディアと権力』は大正時代に突入して俄然面白くなる。とはいえ全ては政治(時の政権との関係)の話。いろんなメディア(新聞)が政党や政治家と結びついて丁々発止。それがやがて大本営発表に統合されるわけですから日本にジャーナリズムはそもそも存在しなかった…というかジャーナリズムの重要性に対する認識が欠けていたと言えますね。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。東京オリパラの開催中止を早く決定しろ!という話をする。もうタイムリミットを過ぎて感染対策も不十分でワクチンもないのですからね。こんな当然の決定をまだ先延ばしにしようとする東京都もIOCも日本政府も明らかに判断を間違えてますよね。おまけに《国民の生命健康よりも五輪が優先という発想で動いてる》と書きながら五輪中止を訴えるのではなく《冷静な目で現実に向き合う時だ》としか書けない日本の新聞の社説(4/30朝日)を批判。地方のラジオ局は自由に喋らせてくれてイイですね。ワン。黒兵衛と散歩の前にフトTVをつけると作家の古市憲寿氏が田崎史郎さんに向かって政府のコロナ対策について「官邸のスポークスマンの田崎さんでも官邸を守り切れてない」と喋っていたので思わず失笑。それに対して司会者が「田崎さんはジャーナリスト」と擁護(?)し田崎さんは「ぼくは事実を伝えるのが仕事」と弁明(?)。それってスポークスマンの仕事ですね。ジャーナリストなら(事実の)報道に加えて批評・批判・評価・評論が加わりますよね。黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事。某雑誌記者からワシントンポストがIOCやバッハ会長のことを「ぼったくり男爵」と非難し「地方行脚で小麦を食べ尽くす王族のように開催国を食い物にする」「パンデミックのなかでオリンピックを開催するのは非合理的」「中止は痛みを伴うが浄化される」と発言したことへの意見を求められたので「その通り。でも何故日本のメディアはワシントンポストのように意見を言わないのでしょうねえ」と答える。

5月6日(木)つづき
晩飯の時に東京新聞を開くと札幌でのマラソンを視察した世界陸連セバスチャン・コー会長の東京五輪に対するコメントが載っていた。「歴史的に見てこれほど人々の理解を得るのが難しい大会はなかったのではないか。東京大会の会長ではなくてよかった」彼はロンドン大会の会長でしたけどソコまで言うのなら五輪ファミリーの一員として開催中止を唱えるべきでしょう。しかしこのコメントが朝日に出てないのは何故?他のオフィシャル・スポンサー・ペーパーには出てるのかな?晩飯後は久し振りにモーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』。まだ先だけど次のオペラ講座でロッシーニを中心に取りあげるのでその前段階の作品を勉強のし直し。2009年ザルツブルク音楽祭での現代演出ライヴ。2人の男は白のスーツ姿。恋人の2人の女性はワンピース。小間使いはタンクトップにジーンズ。いろいろ物議を醸した演出らしいけど歌手陣の歌もフィッシャー指揮ウィーン・フィルの演奏も素晴らしいですね。『メディアと権力』を持ってベッドへ。いよいよ満州事変から日中戦争。当時の日本のメディアはどんな動きをしたのかな?今日の五輪報道と似てる?似てない?えっ!?IOCが五輪参加選手全員にコロナのワクチンを接種させるの?それってスポーツマンとしてズルくない?

5月7日(金)
大正末期から昭和の政友会vs民政党の二大政党制と軍部の台頭の時代を迎えると『メディアと権力』は俄然興味深い記述の連続となる。ロンドン軍縮会議の海軍縮小に同意する海軍内部の条約派と大反対する艦隊派。艦隊派は陸軍の皇道派と結びつき統制派と対立。それぞれに「番記者」も存在して暗躍したのですね。なかには反軍(反陸軍)の姿勢を貫いたメディアもあった(東京日日&大阪朝日)。しかし転向。その理由は《軍の圧力・在郷軍人の不買運動なども挙げられるが国民の関心の集まる事変・戦争の報道戦に乗り遅れるわけにはいかず戦時報道には軍部の協力が不可欠なので反軍路線はとれないということであろう》ナルホド。この文章は《オリンピック報道には組織委・政府・IOCの協力が不可欠なので五輪中止路線はとれない》と読み替えることが可能かもしれない…がコロナ禍の現在最もマトモな五輪報道をしているのが東京新聞特報部であることを思うと何も五輪報道で「オフィシャル・パートナー」になる必要もないと思えますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩中も印象に残った文章が頭に浮かぶ。《新聞記者への接待は陸軍省機密費で賄われていた》記者は《取材対象から日常的に便宜を受けていたわけであり取材対象と間合いを取る節度を守るという感覚はなかったことになる(麻痺していたと言うより最初からその種の発想がなかったのだろう)》記者たちは軍以外の《政官界の随所に濃密な人間関係を設けて食い込》み《取材を円滑にするためだったかもしれないが実態的には情報提供者・情報幕僚として振る舞い時としては政治ブローカーのごとき役割も果たした》《その生態は今日の政治家に貼り付いている「番記者」と同じである》ワン。終日デスクワーク。いろいろ本を漁ると勉強になるけど「スポーツジャーナリズム」についての記述の仕方は悩みますね。《新聞の親軍的記事は全てが強制ないし暗黙の強制のよるものではない(略)元々親軍的な記者・軍にシンパシーを抱く記者・誘導を受け入れる素地のある記者はいくらもいたのである》それも今も同じですね。スポーツの政治利用を押し進める権力者に躙り寄る記者もいますからね。晩飯は菅総理の記者会見を見ながら。この人物は今でも安心安全な五輪開催が可能と思っているのでしょうか…とウンザリしていたら記者が質問するマイクの前にデカイ頭のおかっぱ髪の女の子が突然現れた!「NHKのチコです。5歳です。ボーッと生きてんじゃねえよ!」と彼女が叫ぶと記者会見場は煙に覆われて…なんてことを頭に浮かべてしまった。今日も「チコちゃん」は中止なんですね。五輪の中止は決まらないのに…。

5月8日(土)
『メディアと権力』にいくつか書かれているコラムもオモシロイ。電通は元々電報通信社でそれが通信事業を手放して広告事業に一本化したわけですね。ラジオが登場した当時新聞は相当に危機感を抱いてラジオによる報道を否定したのですね。それが手のひらを返して資本統一をしたのですね。テレビも巻き込みクロスオーナーシップの完成までは書かれていないけど…そういう歩みに至る課程でジャーナリズムの独立を唱えるジャーナリズム(ジャーナリスト)の存在はなかったのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。コロナと五輪でジャーナリズムは《現実を直視せよ!》と書いた。菅総理は《先頭に立ってコロナを押さえる》と言った。これほど言葉が軽く扱われるようになった(キチンとした意味を持たなくなった)時代も珍しいのでは?《勝負の3週間》はどこに消えた?《ワクチン1日100万人》って本当?ワン。終日デスクワーク。運動不足解消のため夕方も散歩。犬を連れてないで散歩をするとナルホド「犬との散歩」が「犬の(ための)散歩」であり「人間の(ための)散歩」ではないことがよくわかる。まぁ「人間の(ための)散歩」もビール購入という別の目的があることも事実ですけどね。某雑誌から電話取材。東京五輪の開催の可否を訊かれたので「どう考えても不可能」と答える。バッハIOC会長は世界で多くのスポーツ大会が開催されていると言って五輪も可能と希望的に見ているけど規模がまるで違う。五輪出場選手へのワクチンの無償援助を取り付けたと言ってもボランティアはどうなる?無観客にしても選手をドーピング検査に誘導するなど40以上の会場や選手村で選手と接触するボランティアはかなりの数が必要なはず。彼のPCR検査(抗原検査?)はどーする?そして選手の毎日の検査に従事する医療関係者は?…といった疑問に科学的に回答できるならば開催できるでしょうけど…総理が「先頭に立つ」だけでは無理でしょう。開催反対署名にかなりの数が集まったのは「政治的」でもあるけれどそもそもオリンピックは政治ですから仕方ないでしょうね。池江選手に出場辞退や五輪中止への賛同を求める声が多く届いてるらしいけどそれは筋違いですね。一人一人が自分の考えで自分の声をあげるべきで特定の他人に「声」を求める行為は政治的でもなく単なる強要ですからね。晩飯は報道特集を見ながら。赤木ファイルが海苔弁でなく白飯だけで出てくることを切望したいですね。

DVD
『マーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》』
『マーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》』
デュダメルはもう巨匠の域ですが40歳にならずにこの楽曲の指揮台に立つとは驚異です

5月9日(日)
『メディアと権力』は愈々結論へ。《近代日本の新聞は政府・権力と危うく微妙な間合いを取ってきた。独善的・専制的な政府とこれに反対して異議を申し立てる新聞の物語として綴られることの多い日本新聞史だが現実には主要な新聞で政府と"密接な関係""特別な関係"を持ったことのない新聞は皆無といってよいほどである(略)政府に反対し異議を申し立てる新聞・新聞人は確かに存在したかもしれないが(略)それは決して新聞界の全てではなく多くの場合圧倒的な多数派でもなかった。政府系の新聞・新聞人は常に相当の割合をもって存在しそれはべつだん強制・強要によってその途(みち)を選んだわけではないのである》現在も同じですなぁ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。最近ニュースでジンリュウという言葉をよく聞く。広辞苑には出ていません。一太郎でもマクロソフトでもjinryuと打っても「人流」とは変換されません。人流があれば天流も地流もなけらばオカシイけどどっちもないですね(当たり前か)。なぜ「人の流れ」と正しい日本語を使わないのかな?昔帝国陸軍が「物干場」のことを「ブッカンバ」と言っていたように「非常時」になると訓読み(Japanese Pronunciation)より音読み(Chinese Pronunciation)を使うようになるのかな?ワン?昨日の東京新聞の「本音のコラム」で師岡カリーマさんが書いていた。《海外で観光業に携わる友人に聞かれ日本の(ワクチン)摂取率は1%と答えると「え?それでもオリンピックやるの?」》もちろんやれれば凄い!このコロナの状況下で安全安心な五輪を成功させれば凄い!しかしそれは総理が「先頭に立って」出来る話ではない。科学的根拠を一切示さず「安心安全」を繰り返されても虚しい。IOCのジョン・コーツ東京大会調整委員長に問い糾したいですね。「貴国(オーストラリア)が五輪開催国だったとしても開催を主張しますか?」陸上競技のテスト大会で選手は頑張ってるが無観客でも観客が入っているように目を錯覚させる観客席の色使いが虚しいですね。途中『ダーウィンが来た!』を見たり『日曜美術館』を見たり(クールベの解説は面白かったけど「レスラー」の絵が紹介されなかったのは残念)。風呂のあと焼酎呑みながら『クラシック音楽館』。今世界のクラシック音楽界では確かに若い指揮者が続々と出てきていますね。デュダメルやネルソンスはもはや巨匠ですね。ペトレンコは凄いね。面白いね。寝よ。

Blu-ray
『映像の世紀第7集 勝者の世界分割 東西の冷戦はヤルタ会談から始まった』
『映像の世紀第7集 勝者の世界分割 東西の冷戦はヤルタ会談から始まった』
ヤルタに集まったルーズベルト&チャーチル&スターリンは全員軍隊経験で刺青があるそうです
BOOK
ハンス・レンク『スポーツと教養の臨界』不昧堂
ハンス・レンク『スポーツと教養の臨界』不昧堂
ローマ五輪ボート金メダリストのスポーツ哲学論。勉強しましょう

5月10日(月)
朝ベッドで『メディアと権力』読了。改めて勉強になりました。第二次大戦末期に小磯内閣が朝日新聞の緒方竹虎を国務大臣兼情報局総裁に起用。言論政策を一任された緒方は《東条英機以来の面従腹背的人心を改め国民の真の支持を取りつけるために「戦争の実相をできるだけ国民に知らしめ》ようとしたが政府や軍部や官僚のセクショナリズムや小磯内閣の短命により失敗。しかし《これまで情報を独占してきた権力者・為政者が情報を開示解禁して人々の支持を取りつけようとすることは如何に体制が危機に瀕し彼らが自信を失っているかを示すものにほかならない》のですね。ナルホド。《ソ連邦崩壊末期のグラスノスチ》もそうだったわけですね。ということは今も「五輪をやる」と精神論ばかりを繰り返して「ヤレル情報」も「ヤレナイ情報」も開示しない菅政権はフラフラ状態でもまだ第二次大戦末期の状況には至っていないということか。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。『ニューズ・オプエド』の資料をいろいろ準備。今日のゲストは大リーグ評論家の福島良一さんと産経論説委員の佐野慎輔さん。佐野さんは大学の授業で少々遅れると言っていたのに番組開始直後に滑り込みしてくださった。感謝。そして大谷他日本人選手の活躍を話し合ったあとパンチョ伊東さんの思い出話も楽しかった。パンチョさんはドラフト会議の司会を長く務められて人気を博したパ・リーグの名物広報担当だったけどメジャーリーグに関する知識は(セ・リーグの八木さんと共に)抜群の人物だった。しかも多趣味だったパンチョさんに野球馬鹿になっちゃいけないと言われた福島さんは一緒に宝塚歌劇を見に行ったもされたとか。佐野さんもパンチョさんには学ぶところ多かったとか。小生は同じクラシック音楽好きとして『CDジャーナル』で対談して大ヴァイオリニストのハイフェッツのコンサートに行って素晴らしさに仰天したとかヤンキースの選手の娘がメトロポリタン歌劇場のソプラノ歌手としてデビューするのをヤンキースの選手全員で助けたとか…いろいろオモシロイ話をパンチョさんから聞かせていただいた。福島さんによるとワクチン接種の進んだアメリカでは今シーズン末のメジャーリーグは満員の球場になりそうだとか…。それに較べて日本は…五輪は開催できたとしても無観客でしょうね。私はどう考えてみても開催できないと思いますから早く中止を決定すべきだと思いますが…。『オプエド』のあと晩飯食いながらNHK-BSを録画しておいた『映像の世紀第7集 勝者の世界分割 東西の冷戦はヤルタ会談から始まった』これは興味深い映像満載でした。プーチンは明らかにスターリンの後継者なんですね。

DVD
モーツァルト:オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』
モーツァルト:オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』
ドイツの女性映画監督による現代演出版。女性歌手2人が水着姿もありますがバレンボイムの指揮も見事

5月11日(火)
朝の勉強がハンス・レンク『スポーツと教養の臨界』(不昧堂出版)に移行。これも再読だが少々難解な表現(翻訳)がベッドのなかでは辛い。《高い能力を必要とする競技スポーツの選手はあたかも芸術家のように例外的な達成をしたり何らかの課題を成し遂げたり我々には達成できない目標に献身的に打ち込むことによって本質的には不必要だが象徴的には価値の高い卓越した行為をする。彼らはそういう夢にような象徴といってイイのだろうか?》冒頭次々とスポーツとスポー戦つに対する疑問が山ほど並ぶ。その一つ一つが奥深いのだが理解するのに何度も読み返さねばならないのはチョイとシンドイですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。著者のレンクはローマ五輪ボートの金メダリストで哲学者。五輪のモットーである《より速く・より高く・より強く》に《より美しく・より人間らしく》を加えることを提案した人ですね。ワン。IOCは聞く耳を持たないけど…ワンン?散歩から帰ると久し振りにTBS『ひるおび!』から電話。昨日の菅総理の理由なき五輪開催決意表明に批判のコメントを求められたので喜んで開催するなら感染者数の減少が何時何人になったら開催と具体的にいうべきと話す。その数字が示せないなら早急に中止の決定を。後者は放送されず。ま。マスメディアでは仕方ないか。話せるとこで話しましょ。午後からもハンス・レンクの勉強。引用はコンラート・ローレンツ&テオドル・アドルノ&アレン・ガットマン&ロラン・バルト&カール・マルクス&デズモンド・モリス他続々登場。知ってる人物が出てくると嬉しいけど全然知らない人物も続々。勉強せねば。途中明後日出演するBS11『インサイドOUT!』の打ち合わせ。東京五輪開催問題は日本の事情(問題)とIOCの問題(事情)に分けて考える必要がありますね。IOCは世界平和という崇高な理念を掲げてスポーツ界(各団体=IF)をプロデュースする世界的巨大イベント・プロモーターでマァ言ってみれば各タレントは各プロダクションに所属させたままイベントをプロデュースするAKBやSKEやHKTなどの元締めみたいなものですからね。あ。秋元某氏はIOCからアイデアをパクったのかな?

5月12日(水)
朝ベッドのなかで『週刊新潮』『週刊文春』の五輪関係記事を読む。新潮は五輪開催肯定派。文春は否定派ですね。春日良一氏は新潮でIOCの「ぼったくり」体質を否定。しかしその理想論は最早無理筋では?文春では沢木耕太郎氏がクリント・イーストウッド監督の映画『リチャード・ジュエル』を紹介していた。まだ見てません。アトランタ五輪の時の爆破事件で犯人に仕立てられた男の冤罪事件。五輪関連の無理筋を描いた映画は見なければ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。帰って東京新聞を開くと特報部に京都市内での聖火の話題が出ていた。コロナ感染拡大防止のため公道を走らず塀で囲まれた二条城内を無観客で走る計画変更案を組織委が否定したとか。組織委は式典会場(岡崎公園)を使うよう指示したらしい。そこは時代祭の通る公道。人が集まるから京都市も困ってるとか。しかし二条城の中も「火気厳禁」の看板が山ほどあったはず。聖火はイイの?昔親父に連れられて二条城へ電気工事の手伝いで入ったことがある。歩くと間者(忍者)避けの音がする鶯の廊下も歩かせてもらったけど近所子供たちが庭でソフトボールをしてたなぁ。今は重要文化財で世界遺産の庭で壁にボールをぶつけて…。小生も建仁寺の今では重要文化財の勅使門(平重盛の館の門を移築)を野球のバックネットにしてたなぁ。昭和30年代はそーゆーことが許されて(見逃されて?)ました。二条城の庭もGHQのテニスコートがありましたからね。火気厳禁の重要文化財の城の敷地へ聖火を入れて城の場外にスポンサーのデッカイ真っ赤なコンボイ(宣伝車の車列)を並べてディスミュージックを大音量で鳴らすなら昔も今もそれほど変わらないか。あれは東京のお祭りどっしゃろにコロナでどないしはりまんのやろなあ?と呟く祇園の女性の声が聞こえる。終日デスクワーク。晩飯オペラ劇場はモーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』。最近見たザルツブルク音楽祭とベルリン歌劇場の現代演出を較べてみる。後者はドイツの女性映画監督の演出。モーツァルトの時代には男2人がアラブ人に化けてスワッピング(恋人交換)をしたが2002年の現代演出ではヒッピーに化けた。しかしそれも古さを感じるようになったなぁ。バレンボイムの指揮とバロック・オペラの歌手陣は素晴らしいですね。モーツァルトには古さを感じませんね。しかし大谷は凄いなぁ。朝からあんなピッチングを見せられたらなかなか仕事を始められなくて困りものですね。

5月13日(木)
朝ベッドのなかで『スポーツと教養の臨界』の勉強。《自然は残り人工は滅びる》というフリードリヒ・シラーの言葉をハンス・レンクはスポーツから考え直す。《不自然で管理的な色彩を強く帯びた現代の高度な競技スポーツでは「人工が残り自然は滅びる」と逆に解されるべきなのだろうか?》スポーツはスポーツ自身の様々な人工的ルールのなかで行われているわけで《自然》は滅びないままスポーツは《別世界(人工の世界)》に逃避しているのですね…とレンクは書いてませんけどそのような結論を出すのにベッドのなかで2頁読むのに30分もかかると朝から疲れますね。ベッドを出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。昨日の本欄に書いた「聖火を二条城内部で走らそうとした計画」の話。オリンピックの聖火なら重要文化財世界遺産の「火気厳禁」の規則を破ってもイイのでしょうか?という話。京都というブランドは面白いところで金閣寺も昔はあんな金ピカじゃなかったし伏見稲荷の(千本)鳥居もあんなに多くなかったのですよね。京都というブランドは今も新たにアンダー・コンストラクション(建設中)なんですね(蔵出し原稿ノンジャンル編にそのことを書いた原稿があります)。「伝統とは起原の忘却である」(フッサール)とはよく言ったものですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事してると読売テレビの明朝の番組『す・またん』から電話。アスリートが東京五輪や様々な意見を口にし始めたことについて意見を求められる。アスリートが自分の意見をどんどん口にし始めたのは素晴らしいことで「安心安全な大会を開催する」と根拠のない同じ言葉ばかりを壊れたレコードのように(古い表現ですねえ(^^;)繰り返す菅総理よりよっぽど傾聴に値するとZOOMを通じて話す。夕方大相撲の取り組みを少し見て(若隆景は照ノ富士に通じなかったですね)迎えのクルマに乗って東京お茶の水の「日本BS放送」へ。BS11『インサイドOUT』生出演。東京五輪はどうなる?というテーマでヨーコ・ゼッターランドさんや司会の岩田公雄さんといろいろ話す。東京五輪開幕まで71日とはいえ時差ボケ解消や事前練習を考えれば最早不可能だがそれでも開催するというのであれば競技数半減。テニス・ゴルフ・サッカー・7人制ラグビー・野球等のメジャースポーツは中止。事前練習の不公平等があるため国別メダル獲得数の禁止等でそれをレガシーに残すような大会に…といったことを話す。しかし…国会で野党が「総理はオリンピック・ファーストだ」と「非難」して総理が「そんなことはない」と色めいて否定したのは何なんでしょうねえ。オリンピック・ファーストの考えで素晴らしい大会を開催するためにみんなでいついつまでに感染者をこれだけに減らします!(そしてその数まで減らなければ中止します)と言えばオリンピックのためにもコロナ対策のためにも良かったはずなのに…もはや遅いですね。今やインパール作戦ですね。

BOOK
イリーナ・メジェーエワ『ショパンの名曲 ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ2』講談社現代新書
イリーナ・メジェーエワ『ショパンの名曲 ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ2』講談社現代新書
ショパンの音楽は男っぽい。だから女性が惚れる?

5月14日(金)
ベッドのなかでのスポーツ論の勉強は少々中断。講談社か送られてきた現代新書をパラパラ。中畑正志『はじめてプラトン 批判と変革の哲学』はなかなか面白そう。《プラトニック・ラヴとはプラトン的な恋(エロイーズ)のことで実はその概念のもとになった『饗宴』での描写では「恋」は相手が男女のいずれであるかを問わずその肉体の美しさを求めるところから始まるのだが今では「精神的」「肉体関係を伴わない」といった意味で使われる。「プラトン的」なるものをこのように受けとめるのもプラトンの解釈のなかの伝統の一つである》ナルホド。『饗宴』を読んだ時の疑問の一つが12頁目で早くも氷解。詳しく読まねば。ピアニストのイリーナ・メジェーエワ『ショパンの名曲 聴きどころ弾きどころ』も面白そう。ショパンのピアノ曲は女性が好きで女性ピアニストがよく弾きますね。ということはショパンの音楽は男性的なのでしょうね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。数日前に見慣れない形をした自動車を磨いてる人がいたので「これは何と言うクルマですか?」と訊いたら「テスラです」と笑顔で答えられた。ナルホド。これがテスラかとシゲシゲと眺めさせてもらった。ワン。終日デスクワーク。『ジュニアエラ』の五輪特集記事の校正をしたり連載原稿の構成を考えたり…大相撲に観客が戻る。横綱不在でも面白いけど朝乃山&正代は伸び悩んでるのかな。今場所こそ高安に優勝してほしいけど照ノ富士は強いですね。8時から首相会見で先週につづき今週も『チコちゃん』はお休み。あ〜あ。プロンプターを読むだけで五輪は「安全安心の大会を」としかいわない首相の会見は明日の新聞を読めば十分。プラトンを読も。

BOOK
川淵三郎『夢を力に キャプテンから未来のヒーローたちへ』春陽堂書店
川淵三郎『夢を力に キャプテンから未来のヒーローたちへ』春陽堂書店
子供用の本は近所のサッカー少年たちにプレゼントしました
佐藤弘夫『日本人と神』講談社現代新書
佐藤弘夫『日本人と神』講談社現代新書
途中で止まってますが、日本人の宗教観が鮮やかにわかりますメッチャ

5月15日(土)
ベッドのなかにプラトンを持ち込んだと思ったら間違えてその横に積んであった同じ講談社現代新書の佐藤弘夫『日本人と神』を手に取ってしまった。ところがコノ本読み出したら面白くて止まらない。「神」というのは自然界から発見するものでありソコから人間が創り出すものなんですね。日本人は日本の海を見て山を見て…ユダヤ人やアラブ人は砂漠を見て…ナルホド。読むべき本は多いですね。昔某編集者に「一日一冊読め」と言われたことを思い出す。「一日一冊読んでも一年でわずか365冊。世界には素晴らしい書物が山ほどある。その多くを知らないと取材なんてできない」そう言われて本は沢山読んだなぁ。イヤ小学生の時に読んだ『ドリトル先生全集』以来本は好きだったかな。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。川淵三郎さんから送られてきた新刊『夢を力に キャプテンから未来のヒーローたちに』(春陽堂書店)を近所のサッカー少年たちにプレゼント。ザアーッと読んだら子供たちに向けて書かれた本はやはり子供たちに渡したほうがイイですからね。ワン。終日デスクワーク。昨日チョット校正した『ジュニアエラ』(子供用アエラ)の記事を読み直してチェック。京大相撲部出身で『ニューズ・オプエド』にも相撲ジャーナリストの荒井太郎さんと一緒にゲスト出演してくれた十枝慶二さんがZOOMで小生を取材して子供用に纏め直してくれた8頁の記事だけどオリンピックとパラリンピックのことを見事にキチンとまとめてくれて嬉しかった。スポーツが民主主義から生まれたことやオリンピックは世界平和を目指すイベントで単なるスポーツ大会ではないということやオリンピックにも政治的人権的商業的に問題が数多く存在しているとまで…子供用だからと手抜きせず…しかしわかりやすくまとめてくださった。こういうインタヴュー記事は嬉しいですね。発売は6月15日。大人の方々にもテレビでオリンピックのことを語っている「知識人」の方々にも読んでほしいですね。夕方大相撲を楽しんで(誰が照ノ富士を止めるねん?)晩飯食って早よ寝よ。『日本人と神』読まねば。

DVD
『マーラー:交響曲第4番・5番・6番』
『マーラー:交響曲第4番・5番・6番』
バーンスタインはその存在が音楽そのものだ−とウィーン・フィルのメンバーも言ってます

5月16日(日)
『日本人と神』面白い!人間(日本人)が外部の自然との交流のなかからどのように「カミ」を創り出すか…また自らの身体(それも自然の一部ですね)との交流のなかでどのように「ケガレ」を生み出すか…そして「穢れ」なき「清浄」な「神」が今度は人間(日本人)を支配する…というわけか。ナルホド。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあといろいろデスクワーク&スポーツ観戦。ロッテの佐々木投手はも少し身体作りをしたほうがエエかな?照ノ富士を止めるのはやっぱり高安に期待かな?日曜でも五輪情報はいろいろ飛び交いますね。一昨日だったかアメリカ陸上選手が千葉での事前合宿を取り止めたのは五輪開催中止を見越してのこと?…かどうかはわかりませんが時差ボケ調整抜きでの本番は無理でしょうねえ。霞が関カンツリー倶楽部でのTV中継体制が整ったのは五輪以外のメジャー大会開催があるから?…さあゴルフに疎い小生にはわかりません。『ダーウィンが来た』で帆立貝のオモシロイ話題を見たり『日曜美術館』で渡辺省亭の素晴らしい日本画をながら晩飯食って風呂の後『クラシック音楽館』はカラヤンのチャイコフスキー『悲愴』とバーンスタインのマーラー『5番』。ウィーン・フィルのあるメンバーが両指揮者を評してあるドキュメンタリー映像で「カラヤンは世界一音楽を作るのが上手かったけどバーンスタインは音楽そのものだった」と語っていた通りの演奏ですね。全てに迷いなく美しく手兵のベルリン・フィルから音楽を創り出すカラヤンと悩み格闘し伝統のオケと闘いマーラーの楽譜とも闘うバーンスタイン。2人がウィーンの楽友協会ホールの指揮者控え室で短時間一緒に過ごしたことが一度だけあるという話を佐渡裕さんから聞いたことがある。そのとき二人は…チョット書けない裏話。いつか…書きます。リビングの椅子でウトウトし始めたらヨメハンに起こされて午前0時から鎌倉市役所の高齢者ワクチン摂取の申し込み。パソコンに向かう前にトイレに行ってURLを2度打ち間違えてようやく申し込みサイトへ入室できて必要事項を書き入れたらワクチン接種のカレンダーが出てきたか全ての日に×印。時計を見ると午前零時15分。アホクサ。寝よ。

DVD
『映像の世紀第8集恐怖の中の平和 東西の首脳は最終兵器・核を背負って対峙した』
『映像の世紀第8集恐怖の中の平和 東西の首脳は最終兵器・核を背負って対峙した』
核の怖さと威力が改めてわかりました。全廃に向けて動かねば

5月17日(月)
ベッドで『日本人と神』読み進む。壬申の乱の勝利と白村江の戦いの敗北を経て強いリーダーシップを築く必要を感じた天武持統朝は《天皇は神の子孫として列島開闢以来の神々の系譜に位置付け》《都の周辺に点在する見栄えの良い巨大古墳を選び出しては実際の埋葬者とは無関係に歴代の天皇陵に仮託していった》のですね…ナルホド。伝統とは創作するものでフッサールの言ったようにやがて起原を忘れると伝統になるのですね。オリンピックも同じですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと『ニューズ・オプエド』の準備。今日はゲストに招いた歴史家の井沢元彦さんが「北京冬季五輪をボイコットせよ!」と呼びかけるので1936年のヒトラーによるナチ・オリンピックや2008年北京夏季五輪での人種差別問題民族弾圧問題等を調べ直しておく…その作業の最中に東京五輪に関する新たな情報。ある競技のスペイン&イタリア&フランスの3チームが五輪期間中に予約していたホテルを全て解約したとのこと。その競技の会場は選手村から遠く離れているので五輪中止決定か…とホテル関係者は色めき立った。が選手村のサテライト施設があるためホテルをキャンセルしても出場は可能とのこと。しかしその競技の超有力3か国のチームが大会期間中のホテルをキャンセルというのはアメリカの陸上競技選手団が千葉での事前合宿を取り止めたことに続く五輪中止の場合の準備と言えなくもない。どーなることやら。『週刊文春』から電話取材。政府内で3か月延期・1年延期論が出始めたとか。それはないですよね。もしもそんな声が出ているとするならよほどIOCやオリンピックの事情をわかってないとしか言えないでしょうね。

5月17日(月)つづき
夕方照ノ富士がギリギリ高安を破った一番を見たあと『ニューズ・オプエド』本番。ゲストは井沢元彦さんの他にスポーツライターの小林信也さん&産経新聞論説委員の佐野慎輔さん。エンゼルス大谷の大活躍や有森裕子さんの聖火リレー辞退&火気厳禁の京都二条城で聖火リレーを計画した愚行や前日行われたパラリンピック・トライアスロン・テスト大会に関する星野恭子さんのレポート等について話し合ったあと井沢元彦さんの「北京冬季五輪ボイコット論」を拝聴。小林氏も佐野氏も現在のIOC&オリンピックの大改革の必要性を主張。于再清副IOC会長やTOPスポンサーのアリババ&蒙牛乳業の中国企業を中心に中国がIOC内で強い力を持ち始めているとの佐野氏の指摘は貴重だった。井沢さんも世界的に北京冬季五輪ボイコットが広がるのは難しいと思うけど多くの声をあげなければ中国の人権無視のウイグル弾圧や香港政策がどんどん進んでしまい1926年ナチ五輪で世界に力をアピールしたナチスドイツのような独裁制が強まってしまうことを懸念。独裁国家を助ける五輪であってはならないですね。番組終了のあと晩飯食いながら録画しておいたNHK-BS『映像の世紀第8集 恐怖の中の平和 東西の首脳は最終兵器・核を背負って対峙した』ベルリンの壁が生まれる課程や米ソの冷戦対決…そんななかで1964年の東京五輪が開催されたのは一つの奇蹟的出来事でしたね。市川崑監督が記録映画の最後に残した文字「この創られた平和を夢で終わらせていいのだろうか?」が思い浮かんだけど…現在の中国&ロシアは五輪のどう望む?やはり五輪は大改革が必要な時期を迎えてますね。しかし『映像の世紀』は本当に素晴らしい番組ですね。

5月18日(火)
朝ベッドのなかで『日本人と神』読み進む。最澄の比叡山空海の高野山。仏教も俗界を離れてカミのパワーを求めて役行者と同様「カミ」のパワーを求めて山に登るわけですね。最近の「パワースポット」という考え方は日本人の根源的宗教観(カミ意識)の延長線上にあるのかな。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。ベッドでの勉強が宗教に走っているので仕事の合間にハンス・レンクのスポーツ論も勉強。《スポーツの競走は戦争の代替物か?》という疑問は簡単に否定できる。がスポーツ・イベント(オリンピック)を政治(類似戦争)に利用して成功する勢力の存在することは事実でIOCの「世界平和のためのオリンピック」というのも政治(反戦平和という政治)の一種と言えるはず。そのあたりの考察がレンクは甘いですねえ。昨日の『オプエド』で中国(北京)の「冬季五輪をボイコットせよ!」という課題を話し合ったとき「中国の台湾侵攻」について話し忘れたと佐野さんからメール。小生も番組進行メモにそれを書いていたのに話題が多岐にわたって盛りあがったので失念してしまった。ロシアはソチ冬季五輪後にグルジア(ジョージア)へ侵攻しているんですよね。ヒトラーのナチ・オリンピック以来「オリンピックは戦争前の見せかけの平和の演出に利用される(協力する)のか?」というのは一つのテーマになりますね。今夏の東京五輪はそれどころじゃないけど…選手&関係者&ボランティア&メディア約5万人の毎日のPCR検査は可能なのでしょうかねえ?日本社会の医療体制への悪影響はないのでしょうかねえ?組織委は可否を具体的に説明するべきでIOCはそれを受けて開催を判断すべきですよね。

BOOK
柴大介『商標制度の破壊を招く~IOCファミリーによるオリンピック商標の違法ライセンス問題を考える』イマジン出版
柴大介『商標制度の破壊を招く~IOCファミリーによるオリンピック商標の違法ライセンス問題を考える』イマジン出版
送っていただいたので勉強せねば。IOCは無茶しますからね

5月19日(水)
『日本人と神』面白い!《人間が神・仏といったカミ=超越的存在や死者と同じ空間を共有する古代的世界観は10世紀後半から次第に変容を遂げる。人間の世界(この世)からカミの世界(あの世)が分離するとともに膨張を開始する》ナルホド。あの世=天国・地獄そして浄土の誕生ですね。宗教は世に連れ世は宗教に連れ。ワン。黒兵衛と散歩のあと今日もデスクワーク。スポーツジャーナリズム執筆の仕事をしていると一冊の本が送られてきた。『商標制度の破壊を招くIOCファミリーによるオリンピック商標の違法ライセンス問題を考える』(イマジン出版)著者は弁理士の柴大介さん。IOCによる「違法ライセンス問題」(たとえば「我国の公有言語である「五輪」の商標登録など)は2年前に国会でも立憲民主党の小川敏夫参院議員が取りあげ東京新聞『こちら特報部』でも紹介された。が他のメディアには取りあげられることなく(スポンサーとの問題?)ウヤムヤに。小生がコラムで取りあげたからか著者から送本されてきた。読んで勉強しなければ。今日同じく送られてきた『週刊プレイボーイ』には「バッハ会長&IOCぼったくりの手口」と題した記事。「IOC幹部には五つ星ホテルを用意しろ!今後の立候補都市がなくなるから最初の予算は低く設定しろ!中止になったら裁判はIOCのお膝元(スイス)で!」といった記事が並んでる。さらに政治学者の中島孝志&時事芸人プチ鹿島両氏による『五輪で一番得をする政治家は誰だ!?』と題した興味深い対談も。さらにさらにモーリー・ロバートソン氏による連載『挑発的ニッポン革命計画・拡大版』の『日本もそろそろオリンピックをちゃんとディベートしてみませんか?』と題したコラムも。《IOCの行動原理はスポーツより資本主義》《なし崩し的に大会を開催した挙句頑張った選手の金メダルや「メダルを取れなくてごめんなさい」というストーリーに感動しその涙で全ての問題をチャラにしていいものでしょうか》その通りですね。全てのメディアがオリンピックを《ちゃんとディベート》しましょう!大相撲は照ノ富士の全勝優勝?

5月20日(木)
ベッドに持ち込んだ週刊文春・新潮を読む。東京五輪に関しては週刊誌もTVもネタ切れ?そんな今こそ昨日本欄に書いたようにM・ロバートソンさんが言うようにオリンピックを本気で考える企画があってもいいはずだけど…それをやるとIOC批判になるからダメなのかな?ワン。黒兵衛と散歩のあと今日も終日デスクワーク。夕方から雑誌『昭和40年生まれの男』のインタヴューを受けて1984年ロス五輪について1時間話す。税金を1セントも使わず多額の黒字を慈善団体やスポーツ団体に寄付したP・ユベロス組織委員会会長(当時43歳)の生み出した素晴らしい「五輪商法」をIOCが奪い取って「ぼったくり男爵」を生んでしまったわけですね。続けて毎日新聞の電話取材を1時間弱。東京五輪は開催の意義を見出すチャンスを失ってしまった…1年間の猶予があったのに…コロナ対策も同じか…。大相撲&風呂&酒&寝る。朝乃山は本当に馬鹿なことをしたものですけどおすもうさんですからね。ここから別人のように生まれ変われるか?

DVD
ロッシーニ:オペラ『ラ・チェネレントラ』
ロッシーニ:オペラ『ラ・チェネレントラ』
アバド指揮スカラ座の映画。演出はポネル。見事なロッシーニです

5月21日(金)
『日本人と神』はメッチャ面白い。これは日本人の宗教観(カミ意識)を軸に据えた日本史ですね。シャーマン(卑弥呼)から大王(カミの権威を得た男権の王)そして現人神(アキツミカミ=アラヒトガミ)へ。さらに現世と来世が分離して地獄に堕ちる天皇も大勢現れるようになり《天皇家から北条氏への「国王」の地位の移動=革命を明言する日蓮のような宗教者も生まれてくる》のか。ナルホド。日蓮宗と北一輝や石原莞爾の関係までは出て来ないようだけど結構ワクワクしながら読める日本史です。ワン。黒兵衛と散歩のあといろいろ準備して迎えのクルマに乗って東京汐留にある日本テレビ内の読売テレビ東京支社へ。『そこまで言って委員会』VTR取りにリモートで出演。東京五輪は開催すべきか中止すべきか…ということを政治的視点・経済的視点・選手の視点から語るという番組で大阪のスタジオには田嶋陽子・中野雅至・奥野史子・竹田恒泰の各氏が出演。リモートで小生の他小倉智昭・溝口紀子・丸田佳奈の各氏。司会はYTVの黒木千晶&野村明大の両氏。いろいろ喋ってIOCの理不尽な金権主義を批判したけど番組を盛りあげようとしているのかいつも小生に絡んでくる竹田某が小生のことを反五輪主義者で反スポーツだと無茶苦茶な非難を口にしたので反IOCだけど反五輪ではないことを示すため読売ジャイアンツは大嫌いでもプロ野球は大好きと言ったけどYTVではこれはカットでしょうね(^^;)局の用意してくれたクルマで帰宅。ウワッ。貴景勝が遠藤に土俵際で体を躱されて土。いよいよ照ノ富士が横綱?土俵入りはサポーターなしでお願いしたいですね。ロッシーニのオペラ『チェネレントラ(シンデレラ)』をリセウ歌劇場公演を楽しみなが食事。ディドナートのタイトルロールとフローレスの王子様の歌は最高ですね。鼠を使った演出も見事。衣裳も装置も斬新。ロッシーニは面白い。8時から久し振りに『チコちゃん』。にぎり寿司が10〜12個で1人前の理由が戦後の配給米から始まったというのは面白かったですね。そう言えば小生も小学生のときに米穀通帳なんてのを使って米屋に行った記憶がありますね。そんな時代に実現したオリンピックと今のオリンピックでは何もかもが変わってしまいましたね…と思っていたら共同通信から電話。東京五輪調整委員長のコーツが東京が緊急事態宣言下でも五輪を開催できると言ったとか。酷い言葉ですね。彼の母国オーストラリアで同じ状況でも五輪開催と言うのでしょうか?彼はまさかアジア蔑視の白豪主義者じゃないでしょうね。

DVD
山本敦久『ポスト・スポーツの時代』岩波書店
山本敦久『ポスト・スポーツの時代』岩波書店
これも楽しみな本です。勉強せねば!
BOOK
『コミック版 逆説の日本史 戦国三英傑編』
『コミック版 逆説の日本史 戦国三英傑編』
天才信長・人たらし秀吉・計算ずく家康。すごい日本人がいたものですね。今は人材のネタ切れ?

5月22日(土)
昨日創文企画から送られてきた『現代スポーツ評論44号特集オリンピックの価値を問う』を読み始める。友添秀則氏のオリンピック改革案(国連と同じく各国のGDPによる負担金で五輪を支え商業主義から脱皮する案)も鈴木寛氏のアーレントやバタイユも引用したスポーツと五輪の「有用性」否定論も面白かったけどアカデミズムの意見がなかなか現在の東京五輪を扱うジャーナリズムとシンクロしない点は問題ですね。昔は小生はアカデミズムのほうにの責任が大きい(現実離れが激しい)と思ってましたが最近はジャーナリズム(とりわけTV関係者)の側の責任(スポーツに対する無知)が大きいと思うようになっています。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。紫陽花が美しい花を色とりどりに咲かせ始めた。梅雨の季節の始まりかな。西洋紫陽花もダイナミックだけど日本の固有種の色はシックで奥ゆかしいですね。ワン。終日デスクワーク。合間に久し振りにamazonへ本(山本敦久『ポスト・スポーツの時代』)やイーストウッド監督のDVD(『運び屋』など)の注文をしていると井沢元彦さんから小包。本が4冊も送られてきた。『日本史神髄』(小学館文庫)『コミック版逆説の日本史』全3冊『戦国三英傑&江戸大改革&幕末維新編』。めっちゃ嬉しくなってさっそく『日本史神髄』の第1章『ケガレ忌避信仰−平清盛「武士」政権誕生と「部落差別」問題』を読ませていただく。井沢史観は日本史を流れとして理解するのに面白くてメッチャ手助けになりますね。続けて『コミック版戦国三英傑』にも手を出す。井沢さんの漫画が男前すぎるのがチョット気になった(失礼)けど面白いですねぇ。信長はホンマに素晴らしい凄い男ですねえ。あ。『逆説の日本史』の「逆説」って英語で言うとOpposite Editorialつまり『オプエド』ですね。井沢さんに拙著を御礼に送り返して大相撲は遠藤が粘りましたねえ。ちょっと照ノ富士には可哀想な判定だったけど(取り直しでもヨカッタかな?)遠藤の今場所の活躍は白眉ですね。晩飯は『はかせちゃん』を見ながら。包丁研ぎの博士ちゃんも絶滅危惧種の博士ちゃんも面白かった。早々に風呂を済ませて『コミック版逆説の日本史』を手にベッドへ。

DVD
『リチャード・ジュエル』
『リチャード・ジュエル』
アトランタ五輪爆破事件で冤罪に苦しんだ警備員と母親の苦悩をイーストウッドが優しく描きます。背景にはやはり五輪の存在が…
BOOK
『コミック版 逆説の日本史 江戸大改革編』
『コミック版 逆説の日本史 江戸大改革編』
暴れん坊将軍てホンマはイヤな奴だったみたいですね

5月23日(日)
ベッドのなかで井沢元彦・原作脚本/千葉きよかず漫画『コミック版逆説の日本史・戦国三英傑』読了。信長は大天才。秀吉は人たらし。家康は陰謀遠慮。三者三様に凄いですね。井沢氏の描く日本史はすべて「大きな流れ」のなかで捉えられているのでわかりやすく面白いのですね。関ヶ原の戦いが関ヶ原の合戦だけでは勝負がつかなかったこともよくわかりました。続けて第2弾『江戸大改革』も読み始める。保科正之から廃仏毀釈は始まったのか。暴れん坊将軍吉宗はイヤな男だったんですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。早くも夏の陽射しですね。東京五輪は開催となるとコロナと同時に熱中症対策も大変ですね。ワン。終日デスクワーク。昨日amazonに頼んだ本やDVDが到着。読む本イッパイで嬉しい悲鳴。ラグビーはパナソニックが優勝。医学生福岡選手が有終の美。しかしサンヨーからパナソニックに変わったのはまだピンと来ない。ラグビー・チームから企業名の消えるのはいつ?夕方はビール呑みながら大相撲。宇良十両優勝!照ノ富士と貴景勝の二番は面白かったですね。晩飯はニュースも『ダーウィンが来た』も『日曜美術館』も無視してクリント・イーストウッド監督『リチャード・ジュエル』。沢木耕太郎さんが週刊文春に五輪関連映画として書いていたのを読んで慌てて購入。アトランタ五輪期間中の爆破事件でFBIによって犯人に仕立てあげられた真面目な警備員の男性と母親の悲劇。イーストウッドの視点は常に弱者への優しさに充ち満ちてますね。イイ映画でした。オリンピックは弱者(少者)の悲劇など押し潰して熱狂を招くのですね。某雑誌社から電話。東京五輪コーツ調整委員長が緊急事態宣言下でも五輪開催可能と言ったとか。多くのテスト大会もコロナ感染とは無縁に成功してると言ったとか。東京で開かれた飛び込みの大会にコーツの母国オーストラリア選手団はコロナ感染を危惧して来日を取り止めたことを彼は知らないのかな?IOCバッハ会長も多くのテスト大会が開催されているうえ少々の犠牲は仕方ないと言ったとか言わないとか…。いずれにしろIOCの酷さがコロナによって露呈しましたね。彼らは世界平和のことも文化プログラムのことも全く口にしませんからね。五輪を語る前に『リチャード・ジュエル』を見ましょう。

BOOK
『コミック版 逆説の日本史 幕末維新編』
『コミック版 逆説の日本史 幕末維新編』
なるほど。ネックは朱子学なんですね
Blu-ray
『映像の世紀第9集 ベトナムの衝撃アメリカ社会が揺らぎ始めた』
『映像の世紀第9集 ベトナムの衝撃アメリカ社会が揺らぎ始めた』
このシリーズはどれも見事ですね。ディランとバエズは出て来なかったけど…

5月24日(月)
ベッドのなかで『コミック版逆説の日本史・江戸大改革編』読了。赤穂事件(忠臣蔵)の解釈には驚かなかったけど田沼意次の高評価&松平定信の低評価には単行本で知っていたとは言え改めて驚きました。ペリーの黒船来航前のビッドル事件についても忘れてましたね。井沢史観オモシロイ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。緑地帯にいろんな種類の紫陽花が開花。日本の固有種だと思われる小さなアイヒメ(藍姫)の濃い藍色が綺麗ですね。ワン。いろいろ準備の後夕方から『ニューズ・オプエド』。今日のゲストはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと相撲ジャーナリストの荒井太郎さん。サッカーは今月28日のミャンマーとのW杯アジア予選から約1か月間代表チーム&U24(五輪への練習試合)&なでしこ(同)などが次々と続くのを大住さんに解説してもらう。そして彼の指導するサッカーチームから誕生した女性審判山下良美さんの話題も。選手としても周囲がよく見える優秀なミッドフィールダーだった彼女は去年JFLで笛を吹き今年J3。評価は高く将来J1昇格も期待できるとか。日本の野球もサッカーのようにアマプロを分けない審判の評価制度や監督の評価制度を確立してほしいものですね。荒井さんとは終わったばかりの5月場所照ノ富士の活躍の話の他貴景勝・遠藤などの解説。若隆景の名前が言い難いと半分冗談で言うと地場書からは祖父の四股名若葉山を名乗るかもしれないとのこと。足取りを得意にした力士でしたね。コロナのなかのキャバクラ通い朝乃山は阿炎に対する処罰より重くなりそうでひょっとして幕下まで落ちるかも…とのこと。強くなって戻ってきてほしいですね。照ノ富士のように。7月場所は名古屋開催。国技館が五輪のボクシング会場となっているためコロナ禍での初の東京以外の開催。五輪のコロナ対策も心配だけど大相撲も心配ですね。『オプエド』の後は月曜恒例になった『映像の世紀』今日は『第9集ベトナム戦争の衝撃アメリカ社会が揺らぎはじめた』。このシリーズは時代を振り返るうえで勉強になりますね。ただ第二次大戦が終わりベトナム戦争となると時代を知っていた人間としてチョイと不満も。カウンター・カルチャーとしてPPM(ピーター・ポール&マリー)は出てきたのにディランとバエズが出なかったのはなぜ?キング&マルコムXが出てきたのは当然だけどモハメド・アリは…?次回かな…?しかしJFKの演説は今聞いても見事な内容ですね。

DVD
『運び屋』
『運び屋』
クリント・イーストウッドが90歳の麻薬の「運び屋」を好演。彼の映画はすべて優しさに溢れてますね

5月25日(火)
井沢元彦『コミック版逆説の日本史・幕末維新編』読み進む。《常識的に考えて不合理なことが正しいとされる時は宗教がらみのことが多い》ナルホド。江戸時代は《朱子学バカ》が大勢いて幕末になると《目覚めた人》との闘いが展開されたわけですね。今も《スポーツ馬鹿》と《目覚めたスポーツ人》の闘いが続いているのかな。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと『北國新聞』の連載『スポーツを考える』執筆。大成功と評価された1964年の東京五輪でも翌年の「五輪不況」のなかで戦後初の赤字国債2590億円が発行されたのですね。当時の佐藤栄作首相は「あくまでも特例としての発行」と言ったのに今では積もり積もって国の借金は1100兆円を超えるほどに。2度目の東京五輪はどんな「負のレガシー」が待ち受けているのか?何とかそれを押さえないとイケマセンねえ。今日の晩飯映画劇場はクリント・イーストウッド監督主演『運び屋』。90歳の老人がフトしたきっかけから麻薬の「運び屋」になって大金を手にする。そして周囲の人を幸せにもするが家族をずっと無視し続けてきた人生を振り返り自分の人生が間違っていたことに気付き…。凄い映画ではなかったけど凄くイイ映画でしたね。イーストウッドの映画は常に優しさに満ちてますね。最近見たアトランタ五輪爆破事件の冤罪事件を扱った『リチャード・ジュエル』の1年前2018年の作品。原題は『The Mule』。騾馬(ラバ)という意味ですね。荷物を運ぶから。そのうえ「強情者」という意味もあるそうです。ナルホド。だから最後に警察に捕まったあと…。明日の朝日新聞が社説で「東京五輪中止を訴える」との情報。それは常識的の考えて(井沢さんの意見に従うなら「五輪教」という宗教に染まっていないなら当然の意見表明と言えるでしょうがスポンサーとして協力する無料広報紙面提供はどうするのかな?

5月26日(水)
ベッドのなかで『コミック版逆説の日本史・幕末維新編』読み進む。1964年東京五輪のわずか100年前は頭に丁髷をつけた動乱の時代だったのですね。《朱子学バカ》も大勢いて進む方向を間違えかけたりもしたけど英傑も多数存在して誰もが必死になって歴史を進めたのですね。それに較べて今は…IT後進国&ワクチン後進国であることがコロナで露見したけれど最大の問題は政治家&官僚&ジャーナリストの劣化ではないでしょうか?ワン。黒兵衛と散歩のあと朝日新聞の社説をチェック。《夏の東京五輪中止の決断を首相に求める》と題した文章はこれまでの《現実を直視せよ》といった曖昧な表現でなくはっきりと《中止を求め》た。その点は評価できる。しかし今後のオフィシャル・サポーターとしての「広報紙としての活動」はどうするのかな?紙面提供も拒否するのかな?ジャーナリズムとしてはそうするのが当然ですけどね。今朝の東京新聞は代々木公園で五輪PV(パブリック・ヴューイング)のために樹木の枝の剪定が進んでいる話題を取りあげている。「密」を禁じながら何万人もの人が集まるスペース作り。しかも緑の伐採。2週間の催しのために何年間もかかって育った樹木を切る感覚こそ非難されるべきですね。オフィシャル・サポーターでない新聞のほうが新聞(ジャーナリズム)に徹してますね。当然と言えば当然ですが…。連合通信の連載を書いて昨日書いた北國新聞の校正をして…『逆説の日本史』読むため早よ寝よ。しかし朝日新聞の「五輪中止論」に対して「いや。これこれこうすれば五輪はキチンと問題なく開催できます」という反論を聞きたいものですね。それが「三徹の徹底(来日人数削減の徹底・行動健康管理の徹底・医療体制見直しの徹底)」ではダメですよね。どうしてもっと具体的な計画を発表してくれないのかなぁ…10万人近い外国人の到来をどうするこうするという前に競技数の半減とかは話題に上らないのかなぁ…来日するメディア関係者はどーするこーするって…既に多くのメディア関係者が来日して秋葉原で酒呑んでること知ってるのかな?

WEB
『スポーツゴジラ』第51号
『スポーツゴジラ』第51号
特集は「愛するバスケット」。小生も「世界で人気NO1のスポーツースピードアップが止まらない」という原稿を書いてます

5月27日(木)
『コミック版逆説の日本史・幕末維新編』読了。ここでクイズです(笑)。1964年東京五輪の成功を祈願して昭和天皇は高松宮殿下をある場所に派遣して祈りました。その場所はどこでしょうか?伊勢神宮?違います。明治神宮?ブブ−。これも違います。正解は讃岐国(香川県)の崇徳院陵。保元の乱で讃岐に流されその後崩御。崇徳院は「日本国の大魔縁となる」と呪い後に夜叉となり天狗になったとか。そこでその霊力を恐れて昭和天皇は勅使と高松宮を崇徳院の命日8月26日に讃岐に送り戦後初の平和の祭典の無事開催を祈った…ということを井沢元彦さんの本で知った。今年も今上天皇は勅使を崇徳院陵に送るのでしょうか?しかし…バッハIOC会長も橋本組織委会長も「中止」を社説で主張した朝日新聞も誰も「世界平和」なんてことを全然言ってないし書いてもいないし最近の五輪は世界にTV中継されるただのスポーツ・イベントに成り下がったから(文化プログラムも無視されている!)崇徳院の霊力に頼ることもないのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩の前にRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。朝日新聞の社説「菅総理が東京五輪を中止を求めた」ことを取りあげる。そもそもスポーツ大会のオフィシャル・ペーパーとして国際スポーツイベントのスポンサーになるという悪行に手をつけたのは2002年W杯サッカーの朝日新聞からですからね。メディアがスポーツのオフィシャルと一緒になること(読売が巨人を持ったり朝日・毎日が高校野球を主催すること等々)もジャーナリズムとして自己批判すべきですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。長田渚左さんらが運営するスポーツネットワークジャパンから『スポーツゴジラ51号』が送られてくる。特集は「愛するバスケット」。田臥・富樫・河村選手らへのインタヴューやBリーグなどを取りあげて小生も「世界で人気1のスポーツ−スピードアップが止まらない」と題してバスケットボール発生からの歴史を書きました。Bリーグもそうですが様々なプロリーグのスポーツやスポーツの国際大会を見ていると世界平和を語らなくなったオリンピックの価値とか意義というものがわからなくなってきますね。

BOOK
レマルク『西部戦線異状なし』新潮文庫
レマルク『西部戦線異状なし』新潮文庫
高校時代に読んだ心に残った十冊くらいのなかの一冊ですね

5月28日(金)
ベッドで井沢元彦『日本史神髄』読み進む。《「逆説の日本史」全巻のマトメとお考えください》との自筆の手紙付で『コミック版日本史』3冊と共に送っていただいた小学館新書。なるほど「ケガレ忌避信仰」「和の精神」「怨霊信仰」「言霊信仰」「朱子学という宗教」と読み進むと日本人の心の根底に堆積している「宗教観」がよくわかる。五輪の「中止」を口にしないのも「言霊信仰」かな?IOCは「拝金信仰」?「コミック版」で初めて知った1964年東京五輪前の無事開催を祈っての天皇の讃岐国崇徳天皇白峯陵参拝もこの新書ではさらに一言詳しく書かれていた。1964年は崇徳上皇崩御八百年忌にあたっていたのですね。ワン。ベッドから出て雨のなかレインコートを着て黒兵衛と散歩。紫陽花は雨が似合いますね。ワン。デスクワークをしていると東京新聞特報部から電話。IOC関係者の東京五輪での入国者が全然減らせないらしい。それはやはり世界的特権階級ですからね。幹部は全員税関フリーパス。単なるスイスのNOP法人に外交特権を与えていいのでしょうかねえ?おまけにIOCコーツ副会長は「緊急事態宣言下でも東京五輪は開催可能」だと。古参のディック・パウンドは「アルマゲドンでも起こらない限り開催」と。ならば去年の延期時はアルマゲドンだった?特権階級の人々の言葉は理解不能なものが多いですね。すべて自分の主張に合う言葉を言うだけですからね。今夜も首相の記者会見のため「チコちゃん」は中止。首相会見は金曜以外にしてほしいですね。おまけに答えになっていない答えばっかり。五輪開催のコロナ蔓延の具体的基準を求めた東京新聞記者に対して具体的基準は答えず。答えない理由も言わず。こういう場合は「質問に答えてください」と重ねて言えないのかな?首相も特権階級?さて五輪に突き進んでコロナが広がったら誰が責任を取るんでしょうねえ?少々広がっても「さざ波」程度?それって「西部戦線異状なし」の考え方ですよね。少しくらい人が死んでも「異常なし」なんですね。バッハにもコーツにもパウンドにも菅総理にもレマルクの小説『西部戦線異状なし』を読んでほしいですね。アカデミー作品賞を獲得した素晴らしい映画もありますよ。兵士が一人くらい死んでも「異常なし」なんですよね。戦争も五輪も…。

5月29日(土)
ベッドで『日本史神髄』読了。「朱子学」に続く最終章は「天皇と日本人」。《藤原氏から徳川家康まで誰一人として天皇の権威を超越することはできなかった。かろうじて信長が試みたが実現する前にこの世を去った》が《天皇の権威を凌駕する思想がある》と井沢氏は主張する。それは《天皇の詔(みことのり)に従うことよりも話し合いを尊重せよ》と聖徳太子の「憲法十七条」に書かれ《現代でも私たち日本人の心をがっちりと掴んでる…話し合い絶対主義》だという。《日本のリーダーはリーダーシップがないとよく言われるがそれはある意味当然の帰結である。なぜなら日本人は基本的に「物事を一人で決めてはいけない」と思っているからだ》なるほど。だからコロナは専門家会議に…五輪はIOCに…なんですね。ワン。黒兵衛と散歩。近くの空き地でリスが胡桃を食べ散らかして道路いっぱいに食べ滓が広がっている。滑りやすいけどこれもマァ許容共存すべき自然現象なんでしょうね。原発とは違って。ワン。終日デスクワーク。山本敦久『ポスト・スポーツの時代』(岩波書店)でスポーツの勉強。時代が大きく揺れている時は背後で起こっている大きな変化を見落としがちになりますからね。IOCという巨大恐竜が必然的に死滅した後のスポーツはどうなるのか?どうなるべきか?今から考えるべきテーマですからね。多木浩二氏の名著『スポーツを考える−身体・資本・ナショナリズム』(ちくま新書)も読み直さねば。夜は『博士ちゃん』見ながら晩飯。料理でも包丁でも絶滅危惧種でも昭和家電でも子供が何にでも深く興味を持つことを肯定するこの番組は悪くない番組ですね。さて五輪博士とかスポーツ博士が出てきた場合はどうなるのかな?IOCはスポーツとして否定されるべき団体です…とか…高校野球でトーナメント戦を戦わせる新聞社はスポーツのあり方として否定されるべきです…なんて言う「博士ちゃん」が出てくるのかしら(^^;)風呂のあとゲルギエフ指揮マリンスキー劇場がフランスのシャトレ座で上演したロッシーニの『ランスへの旅』を見ながら酒。素晴らしい舞台と衣裳と演出。そして見事な音楽ですね。

5月30日(日)
『ポスト・スポーツの時代』を読み続けるが…これはやっぱりベッドの中で読む本ではないと気づき途中まで読んで止まっていた『日本人と神』に変更。やはりベッドのなかの勉強は自分の専門外のほうが気楽でいいですね。中世後期から阿弥陀如来の浄土が消え始めて現世利益中心の祖先信仰へと変化するわけか。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークをしていると某新聞記者から東京五輪中止にまつわる新情報…しかし既に遅いと思うけど…。午後になってBリーグは宇都宮の勝利で千葉とは1勝1敗。このあたりがバスケの面白さ?日本ダービーの凄く面白いレースを楽しんでたら久し振りにTBS『ひるおび!』から電話。明日の出演を了承。東京五輪と大坂なおみの記者会見拒否について話します。

BOOK
佐藤弘夫『日本人と神』講談社現代新書
佐藤弘夫『日本人と神』講談社現代新書
沢山の日本のゆるキャラは八百万神の本地垂迹?メッチャ面白く勉強になる一冊です
『現代スポーツ評論41』創文企画
『現代スポーツ評論41』創文企画
特集はテクノロジーとスポーツの変容。ビッグデータ・スポーツはスポーツを非人間的なものに変えるのか?

5月31日(月)
ベッドで『日本人と神』読み続ける。幕末に多くの「イキガミ」が輩出されるのはオモシロイですね。「エエじゃないか」のオルガナイズされた形?それが自由民権運動へとつながる?「カミ」との関係でいろいろ見えてくる日本人の歴史ですね。ワン。ベッドから出て早めに黒兵衛との散歩を済ませてタクシーで大船駅へ。東海道線で新橋へ。再びタクシーで赤坂TBSへ。久し振りに『ひるおび』スタジオ生出演。沢松奈央子さんとも久しぶりに会って大坂なおみの全仏オープン記者会見拒否について話す。試合後の記者会見は出場選手の義務。しかし「たかが10分間」とはいえ大坂なおみのような「ナイーヴな心」の持ち主には辛かったのでしょうね。気持ちはわかるけど義務は果たさねば…という多くの選手たちの「声」も大坂選手の「ナイーヴな心」には刺刺しく刺さったかな?少しスタジオを離れてから再び加わって東京五輪の話。元五輪副会長の猪谷千春氏も「誤解を恐れず言えばマフィアに似ている」と表現した「五輪ファミリー」の来日人数が減らせないという。ま。マフィアか貴族か知らないけれどIOC主催の五輪でナニかあったらIOCに責任を取ってもらいましょ…と思ったら選手の自己責任を明記した同意書にサインしなければ選手は参加できないとか。そう言えば半世紀前に小生がインターハイに出た時も「主催者の指示に従う」とか「政治活動は行わない」(学生運動が盛んな時でしたからね)といったどういしょにサインさせられたのを思い出した。主催者とはそんなモノかな。しかしIOCの「闇」(下部組織に多くの株式会社を所有していることや中国&ロシアとの接近etc)はそろそろ暴かれる時が近づいているのでは…?

5月31日(月)つづき
TBSの用意してくれたタクシーのなかで爆睡しながら帰宅。少し休んだ後『フライデ−』の電話取材を受けて東京五輪について話す。中止できないのならIOC関係者もすべて選手村に入ってバブルのなかで行動すべきですね…とかいろいろ話したあと『ニューズ・オプエド』アンカー出演。今日のゲストは青島健太さんと福島良一さんで大坂なおみの記者会見問題や朝日新聞の少々「卑怯」な「東京五輪中止論」(開催することが決定的なってからの後出しじゃんけんワザと負けの中止論。でも言うことは言ったよと言うエクスキューズ)などを話したあと交流戦やメジャー大谷の話題などの野球談義。さてペナントレースの今後の展開は…と話を進める予定だったのが…イチローが引退会見で「問題提起」した最近の「野球の変化」の話がチョイと出たら話題は大きくそっちへ展開。野球をやってるのは選手ではなくビッグデータを操るAIになるのか…との話題で大盛り上がり。福島さんによると現在のメジャーのデータ重視の行き過ぎ(例えば一二塁間に3人の内野手が守るシフトなど)に対して守備側の野手の守備位置を一定の範囲に固定する(例えば一二塁間と二三塁間に2人ずつ野手を配置してアンツーカーの部分から出ないことを義務化=ルール化する)というような実験がマイナーリーグで始まるらしい。青島さんの「大谷論」も「反ビッグデータ野球」で面白かった。というのは「二刀流+盗塁」で走攻守で活躍する大谷は「ビッグデータでロボット化し始めた野球選手を野球本来の姿に戻す試み」だという。だから喜んで投手も打者もやっている二刀流の大谷を一刀流にしてはいけないと。イヤアまったくその通りですね。そんな話をしていると司会のスポーツ・ナビゲーター小林厚妃さんが最近西武の試合に足を運んで取材したところ交流戦のセのチーム相手に打席に立ったダーモティ投手が久し振りに「野球をやってる気分になった」と言ったとか。これは非常に面白い発言ですねぇ。アスリートの人間性の復権?『ポスト・スポーツの時代』読まなきゃ。『オプエド』のあと大阪読売テレビ『す・またん』のZOOM取材を受けて再び大坂なおみの「ナイーヴすぎる心」について話したあと晩飯食べながら『映像の世紀第10集 民族の悲劇果てしなく絶え間ない戦火-さまよう民の慟哭があった」を見る。オリンピックは平和のためには何の役にも立ってないようですね…。

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