ナンヤラカンヤラ
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2003年 11月12月
DVD
『ヴェロニカ・ゲリン』
『ヴェロニカ・ゲリン』

5月1日(木)
大掃除悪戦苦闘2日目。本棚の整理。大汗かいて古本屋に出す本を千冊以上まとめたのに部屋が片付かん。どないなっとるねん。全部捨てたろか…と思いながら本棚の5分の1くらいは片付く。いつまでかかるんやろ?GW中に終わるんかいな?夜は晩飯映画劇場NHK-BSで『ヴェロニカ・ゲリン』。映画作りとしては何の面白さもないけどアイルランドの事情を知りたかったので見る。ナルホドあらゆる意味で田舎や。田舎の精神は尊い。ジャーナリストは都会人になったらあかんのやな。田舎は生産する場所。都会は消費する場所。ジャーナリズムが消費を前提に活動したら最悪やモンな。

5月2日(金)
大掃除大悪戦苦闘3日目。本棚の整理を5分の1で中断してベランダの書庫を整理。ここを空けて本を移さねば。昨日の千冊に加えてさらに千冊くらい古本屋行きの本が出る。2階の仕事部屋の前の廊下は紐でくくった本だらけ。夕方から医者へ。GW前にクスリを調達。大船駅によっていつも世話になってる古本屋へ…と思ったところが古本屋がない。店を閉めたらしい。別の古本屋へ行くと伊勢佐木町のほうへ引っ越したとか。潰れたんと違うてよかった。新しい古本屋さんにGW明けに来てもらうことにして帰宅。晩飯オペラ劇場は1980年メトの『仮面舞踏会』。44歳のパヴァロッティが若い。リッチャレッリも若い。面白いけど明朝が早いので1幕だけにして風呂入って寝る。

5月3日(土)
朝6時起きで迎えのハイヤーに乗って『サタデースクランブル』生出演。クルム伊達公子さんのテーマで佐藤直子さんと久々に再会。そういえばMCの東ちづるさんと佐藤さんと小生はかつて佐々木信也さんの『ザ・ウィーク』で何度も一緒に。まるで同窓会の雰囲気(笑)。そのあと井上康生さんが生出演。エエ男やな。負けっぷりも良かった。今は小学校の先生やけどスポーツライター時代から康生さんと懇意の乙武クンをダシに使わせてもらって楽屋で歓談。フランス語か英語をきちんと身につけて日本のホンマの柔道を世界に広めてほしいな。帰宅して大掃除大悪戦苦闘第4日。ベランダの書庫を完璧に整理整頓。『anan』『nonno』『POPEYE』『BRUTUS』『PLAYBOY』『PENTHOUSE』『Olive』『APACHE』『クロワッサン』『週刊宝石』…等々の創刊号が50種以上。『GORO』『PocketPunchOH!』『平凡パンチ別冊』等が100冊以上。こっちのほうが古本屋に高う売れそうやけど資料として残す。おかげで仕事部屋は足の踏み場もない。どこまで続く泥濘ぞ。晩飯映画劇場は日本映画専門チャンネル周防正行監督『ファンシイダンス』。劇画タッチをわざと映画に取り入れて禅寺修行を描いた快作。スカパラのダサイ響きが現代仏教に調和。禅仏教の世界はほんまにオモロイし素晴らしいで。蔵出しコラム読んでください。しかし大掃除は疲れるな。

DVD
『シコふんじゃった。』
『シコふんじゃった。』

5月4日(日)
大掃除大悪戦苦闘選手権第5日。ようやく本棚の整理始まる。本をあっちやったりこっちやったり。要するに脳細胞過去記憶装置の整理。2千冊以上を本棚からdeleteしたので並べ替えやすくなったとはいえアト何日かかるねん?まいったな。晩飯映画劇場は周防正行監督第2弾『シコふんじゃった。』。昔見たから途中でやめよと思たけど最後まで見てしまう。漫画タッチが飽きないのは本木竹中柄本の役者の力?それとも監督の力?風呂から上がって寝る前にネットとの回線が切れてることに気づく。PC関連の蛸足配線の上に本が載っかってコンセントが抜けてた。つないでもADSLが回復せん。電話回線直結でつないでメールチェック。まいったな…。不便な世の中や。

DVD
『Shall We ダンス?』
『Shall We ダンス?』

5月5日(月)
端午の節句。ジャスミン満開。家の入り口と道路に面した土留めの壁一面が花の匂いに包まれる。ちょっと匂いすぎやで。大掃除大悪戦苦闘世界選手権(なんでやねん)第6日。ようやく本棚が落ち着き始める。結局残す本は昔からの好きな本になるんやな。腕と腰と太腿に疲労蓄積。連日の肉体労働で夜のビールが旨い。晩飯前ビデオ劇場でビールを飲みながらライナーノート執筆を依頼されてる近日発売のパヴァロッティのドキュメンタリーを見る。面白かった。フレーニと共演した初舞台の『ボエーム』など珍しい映像も満載。若いときの声はやっぱり凄いな。佐野成宏さんに案内してもろたモデナの町の風景が懐かしい。晩飯映画劇場は周防正行監督第3弾『Shall We ダンス?』。何遍か見た映画やけどやっぱり面白い。3日続けて周防作品を見るとパターンが読めるけど深まってる。ただテーマが今日的すぎるというか…。以前某有名作家が『ピアノ殺人事件』(上の階のピアノのうるさいことが原因で起こった殺人事件)というノンフィクションを書いたとき「テーマが小さすぎる」と評した評論家がいたことを思い出す。そら辻政信や石原莞爾の事件に較べたら小さいやろけどコレが現代かも。最後のクレジットの取材協力として小田島雄志先生の名前が入ってたのはナンデやろ?ダンスやったはったんかな?しかし6日間連続肉体労働は疲れたな。クルム伊達公子さんの気持ちがわかるナンテ言うたら怒られるな。

5月6日(火)
世の中はGW最終日とか。俺は大掃除大悪戦苦闘大会ワールドカップ(なんでやねん)第7日。2階の仕事部屋から約2千冊の本を1階に降ろすだけでふらふら。そのあと掃除機かけて一段落。と言うても資料棚2カ所が未整理手つかず。シャーナイな。とりあえず大掃除はサスペンデッドゲーム。夕方古本屋さんに取りに来てもらう。その直後アマオケのクラリネット奏者のSさんが仙台に遊びに行ったとかで51度の蔵出しウィスキーのミニボトルと次回コンサート招待券を持ってきてくれる。グッドタイミング。チョイトDVD見ながら歓談したあと風呂で疲れを癒やす。晩飯は古本屋さんからもらったお金で『鮨処もり山』へ。見たことある人がいるなと思たらイラストレーターの安西水丸さんとか。帰られてから教わる。『もり山』もいろんな人が来るなぁ。しかし疲れた1週間。ベッドに入っても腕と太股の筋肉がふるえてる。今年のGWはよう働いたで。

5月7日(水)
イテテテテテ。全身筋肉痛。昨日家の中と玄関前の階段を重い本抱えて百往復くらいしたんやからシャーナイわな。おまけに朝ラジオ2本こなしたあとに雑誌や雑紙の処理でまたエッチライッチラ十往復以上。しかし仕事部屋が綺麗に片付いたのは嬉しい。嬉しいけど綺麗すぎて集中力ゼロ。水至清則無魚。汚れてるほうが仕事できるな…などと思いながらもコラム1本仕上げたものの送り先のメルアドがワカラン。原稿依頼の手紙を捨ててしもたらしい。慣れんことしたらわややな。トホホ。電話もかかってこん。どうせ締め切りは守られへんと思われるのはシャクやな。俺は締め切りだけは遵守するのに。パヴァロッティの原稿書けとりまっせえ〜。

DVD
『それでもボクはやってない』
『それでもボクはやってない』

5月7日(水)つづき
巨神戦で金本に感心して巨人の弱さに呆れたあと遅めの晩飯映画劇場は周防正行監督第4弾『それでも僕はやってない』。脚本も構成も見事。真理宿細部。細かい描写がじつに見事。役者の演技の引き出し方も抜群。CSの日本映画専門チャンネルの録画で見たけど映画が終わったあとのフジTV軽部アナの監督インタヴューも面白かった。なるほど専門の裁判官に加えて素人の裁判員を加える制度も有意義に思える。周防監督第1作の『変態家族兄貴の嫁さん』も見となったな。

5月8日(木)
新聞コラム1本仕上げて仕事部屋整理の続き。永遠に続きそうな気配。晩飯映画劇場は何気なく見とこかなぁと思て『Sin City』。映像は面白いけど阿呆な映画。一本調子の馬鹿さ加減に途中でやめる。それにしても巨人は弱い。あれだけちょんぼを繰り返す阪神にナンデもっとスカッと勝てんのや。リーグ優勝したチームが最下位チームから4番とエースを奪うような補強は話にならんで。

BOOK
村井則夫『ニーチェ―ツァラトゥストラの謎』(中公新書)
村井則夫『ニーチェ―ツァラトゥストラの謎』(中公新書)
ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』(氷上英廣・訳/岩波文庫)
ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』(氷上英廣・訳/岩波文庫)
CD
R・シュトラウス交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』
R・シュトラウス交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』

5月9日(金)
大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。関西独立リーグの話題でMLB日本進出計画の話をしてしまう。まぁボチボチ表面化させてもエエかな。MLBジャパンのリサーチに協力してしまうような結果はいやですけどね。プロ野球ファンは心構えをしておかなければ。日本のプロ野球がMLBに併呑されてもエエかどうかということを…。胡錦涛関西入りについては「聖徳太子以来中国との関係にはいろいろ慣れてるはず」とコメント。ごはんがススムくんのコーナーのポルペッティーナ丼がメチャメチャ美味しかった。モルトベーネで完食。番組終わって名古屋へ。新幹線車中で村井則夫『ニーチェ〜ツァラトゥストラの謎』(中公新書)やっと読了。メチャメチャ面白かった。ニーチェの『ツァラトゥストラ』も読み直しとうなった。しかし掃除に邁進すると読書が疎かになる。イカンイカン。筋肉痛をまだ感じるなか爆睡。桃源郷。

DVD
『娘・妻・母』
『娘・妻・母』

5月10日(土)
朝東海TV『スーパーサタデー』生出演。一緒に出演したゲストのやくみつるさんが冴えまくり。胡錦涛来日にひっかけて「大山鳴動してパンダ二匹」。清原二軍で復活の疾走する姿を見て「後期高齢選手」。お見事!俺は豊田市の事件で使われたビニールテープの特殊性について話す。元電器屋ですから詳しおまんねん。大谷昭宏さんと番組スタッフからMLB日本進出の話題が前駐米大使のコミッショナー就任にひっかけて『週刊朝日』に出ていることを知らされる。そうか。やっぱり朝日から出始めたか。読売は当事者やもんな。今後朝毎読はどんな立場をとるのんやろ?新幹線車中で永竹由幸『ヴェルディのオペラ全作品の魅力を探る』(音楽之友社)再読始める。ヴェルディのオペラファンには最高に面白い教科書。帰宅後晩飯映画劇場は成瀬巳喜男『娘・妻・母』。昭和30年代に漱石が生きていたら書いたような家族の物語。親子兄弟の関係を見事な台詞ですべて表現した秀作。嫌味も作為もないまま家族の奧の奧の感情を表した素晴らしい作品でした。

TV
『家電漫才』
『家電漫才』
『ピタゴラスイッチ』
『ピタゴラスイッチ』
CD
『ハッチポッチステーション〜What's Entertainment?』
『ハッチポッチステーション〜What's Entertainment?』
『ハッチポッチステーション〜ベスト・オヴ 江戸川サリバンショー』
『ハッチポッチステーション〜ベスト・オヴ 江戸川サリバンショー』

5月11日(日)
佐吉の散歩のあと横浜みなとみらいホールへ。アマチュアの東芝フィル合唱団の演奏会。演目は前半がプッチーニの『グローリア・ミサ』。珍しい楽曲やけどやっぱり習作かな。後半はヴェルディ・オン・パレード。『椿姫』『トロヴァトーレ』『アイーダ』名アリア合唱曲集。ヴェルディのオーケストレーションの凄さ(易しくて凄い)に改めて感服。ソプラノの大貫裕子さんのヴィオレッタに満足。アンコールはプッチーニ『トゥーランドット』の『誰も寝てはならぬ』。日本で一番若いテノール歌手という山本耕平さんも丁寧で真摯な歌い方。もうちょい声量があれば一級品。しかしイタ・オペは楽しい。SOGOの紀伊国屋と山野楽器で本とDVDを買うて帰宅。

5月11日(日)つづき
晩飯映画劇場は堀川弘通監督『激動の昭和史〜軍閥』。意欲はわかるけど内容が盛りだくさんすぎたかな。惜しいな。若い人には見てほしいけど。夜『ミュージン音遊人』という番組で三枝成彰さんのオペラ『悲嘆』のドキュメンタリーをやるというのでテレビ東京にチャンネルを合わせたらナンヤ!コレハ!いったいナンジャイ!と大驚嘆。『家電漫才』とかいう5分程度の番組でアニメの掃除機と電気スタンドが漫才しとる。これが大ケッサク!大笑い!『ハッチポッチステーション』や『ピタゴラスイッチ』や『空耳アワー』を初めて見たときと同じような大感動!こないな阿呆らしい番組は他にない!すぐにネットで調べたら掃除機とスタンド(芸名は『バキューム100ワット』というらしい)以外にも『Wキューブ(冷蔵庫と電子レンジ)』『二枚目ヤケル(トースター)』『すぐたく代・まぜ代(炊飯器とミキサー)』といった芸人がおる。すごい!コラ見なアカン。日曜の夜が待ち遠しい!三枝さんのドキュメンタリーも面白かったけど前座に完全に食われたな。http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/kaden/index.html

5月12日(月)
いろいろ仕事の企画を整理するなかで昨日の『家電漫才』の衝撃について改めて考える。なんちゅーても「家電」が喋るという発想が秀逸。あいつらストレス溜まって言いたいこといっぱいあるはずやし。筒井康隆大先生が机の上の文房具を主人公にして『虚構船団』を仕上げたのと同じ。あるいはティポットやティカップが喋り出す『不思議の国のアリス』にも通じる。それが「家電」ちゅうとこが現代的。否。ちょいと昭和レトロ的で現代ウケする。早よ日曜が来てほしいなぁ。家電漫才にあてられて晩飯映画劇場は中止。こういうときは何見てもアカン。家電はえらいパワー持っとるで。ウチ電器屋やったし余計にそれを感じるな。

MAGAZINE
『RONSPO(論スポ)』
『RONSPO(論スポ)』

5月13日(火)
22日に創刊号が発売される『論スポ』とそれを企画編集してるスポーツタイムズのホームページがオープンした。残念ながら廃刊になった『Sports YEAH!』の編集長とスタッフが頑張ってる。「人間ドラマ」などというワケのワカラン視点で自己陶酔してるだけのスポーツ雑誌が多いなかでスポーツジャーナリズムを確立してほしい。http://www.sports-times.jp/

5月13日(火)つづき
部屋が片付きすぎて仕事にならん。そういえばカート・ヴォネガット(だったと思う)に次のような一文があった。「この乱れた仕事部屋を少しは整理なさっては?」「これで乱れてるって?頭のなかを見せてやろうか。これどころじゃないよ」美有乱調。思考生自乱脳。なんてね。晩飯映画劇場は市川崑監督1951年作品『結婚行進曲』。36歳時の崑さん若さ爆発。よすぎるほどテンポのいいアプレゲール・ラヴ・コメ。ウチの婆さんが生前「上原謙の格好良さは加山雄三どころやなかった」と言うてた意味が初めてわかる。CS日本映画専門チャンネルでもう1本興味ある映画をしていたが昼間読み始めた逵日出典『八幡神と神仏習合』(講談社現代新書)がオモロウて気になったので風呂とベッドで読みながら寝る。

5月14日(水)
朝ラジオ2本こなしてコラム書いてフーッと息をついて昼飯食いながら中国の惨状を見て書類の整理を始めたらペーパーファイルとバインダーを何処にかたづけたのか見当たらん。大掃除してきちんと片付けた場所が思い出せん。部屋がぐちゃぐちゃやったときは必要なもんは何でもすぐに見つかったのに…掃除なんてするもんやないで。本棚にも引き出しにもファイルボックスにもない。アタマに来て『213』へ行って生ビール。

DVD
『女殺油地獄』
『女殺油地獄』

5月15日(木)
ホンマに中国は大変やな。ミャンマーも大変なはずやのに忘れられたかな。そういえば日本も東京五輪の時は新潟地震やら水不足で大変やったな。社会的進化というのは同じような道筋しかないのんかいな。となると中国共産党はいつなくなるのんやろ?ミャンマーの軍事政権は?晩飯映画劇場は堀川弘通監督『女殺油地獄』。雁治郎と扇雀のホンマの親子が河内屋徳兵衛与兵衛の親子を熱演。母親さわ(三好栄子)と娘おちか(香川京子)も含めた家族関係は面白かったけど最後に殺される豊島屋お吉(新珠美千代)とその夫の七左衛門(山茶花究)との関係の描かれ方が少々不完全燃焼。そもそも近松の原作がタイトルのおどろおどろしさに較べて少々不完全やからシャーナイのかもしれん…そこで最近の五社英雄ヴァージョンではお吉(樋口可南子)との不倫を前面に押し出したんやろけどソレはヤリスギ。この作品は決定版がないなぁ。『ドン・ジョヴァンニ』と一緒でそれでエエのんかも…。ほなもっといろんなヴァージョンを沢山作ってほしいな。タイトルと最後の殺しの場面は最高なんやから。

5月16日(金)
日本のレスキュー隊が中国へ。外国の人的支援を受けない中国を批判するような論調もあったけど神戸淡路のときの日本も最初はそうやった。スイスの救助犬の検疫がどうのと阿呆なこというとった。受け入れる側も大変やろし受け入れただけでも中国も少しは変わるかも。しかしレスキュー隊のような仕事ぶりを見ると自分の仕事に対する姿勢も気合いを入れんとイカンとつくづく思う。すべては世のため人のため。真面目な気持ちになるのは大掃除したせいかな。午後からNHKへ。関東甲信越番組審議委員会に出席。いろいろ話したけど大相撲中継の解説席の前に「NHK SPORTS」と大きく書かれてるのは気になることを指摘。大相撲はSPORTSの要素だけではない。この映像が海外に配信されたら誤解を呼ぶのでは?新入幕の栃の心はどないしたんやろ?最初は良かったのになかなか勝てんようなった。がんばれ。普天王もがんばれ。

5月16日(金)つづき
帰宅して晩飯映画劇場は山本嘉次郎監督菊島隆三原案『男性No1顔役無用』。硬派縄文人興行師三船敏郎のナマの演技と軟派弥生人ダフ屋鶴田浩治の気取った演技の対比が冴える。妖艶越路吹雪と純情岡田茉莉子の対比も。B級娯楽映画の快作。さすがは嘉次郎と隆三やね。浦辺粂子って若いときからお婆さんなんやな。戦後の興行界(ボクシング界)の様子がわかったことも面白かった。後楽園ホールは変わってへんなぁ。

BOOK
向田邦子『父の詫び状』(文春文庫)
向田邦子『父の詫び状』(文春文庫)

5月17日(土)
佐吉と散歩のあと仕事部屋大掃除でやり残した資料棚と机の下の整理を…と思うたけどナンデか手が着かん。やっぱりこういう作業は一気にやらんとアカンもんや…と思うてたら今日から自宅の家の屋根とベランダの補修工事と外壁塗装が始まるとかでダボダボのニッカボッカを着こなしたアンチャン4人が家の周りに足場を造りに来る。その作業の早いこと。朝9時前から始めて10時に一休みにして午後2時には完了。原稿もこんなふうに仕上げられたらエエのになぁなどと不埒なことを考えるうちに夕方の佐吉の散歩で大相撲見て晩飯。俺のやってることを精神労働という気は毛頭ないけど肉体労働との時計の基準が違うことを痛感。今日は晩飯ドラマ劇場で向田邦子原作ジェームス三木脚本『父の詫び状』。面白かったけど観察眼がこれほど優れた娘を持った父親も可哀想なもんやと20年ほど前にNHKで見たときとはまったく違う感想。俺も歳とったな。そのあとチャンネルをCSから地上波にまわしたら『デイ・アフター・トゥモロウ』なんてのをやってた。確かにCGは凄い。ドラマは最低。最後のアメリカ合衆国大統領の演説だけはオモロかったけど…。地球温暖化と気象異変も所詮はハリウッド映画のテーマか。

DVD
『嫌われ松子の一生』
『嫌われ松子の一生』
『女の一生』
『女の一生』
CD
辻井伸行『debut』
辻井伸行『debut』

5月18日(日)
『題名のない音楽会』で盲目のピアニスト辻井伸行クンを見る。タケミツホールでのモーツァルトのコンチェルトを金聖響さんの指揮で聴いたときから久しぶり。3年ぶり?4年ぶり?忘れた。番組で佐渡さんも言うてたけど作曲でも活躍してほしいな。佐吉の散歩のあと日曜やというのに仕事。コラム執筆。ふうっ。歳とって批評眼ばっかり研ぎ澄まされたせいか自分の書く原稿の欠陥ばっかり気になって書き直しばっかり。そのくせオモロならん。2本書く予定が1本で体力の限界。字ぃ書くのんも肉体労働やで。夕方の佐吉の散歩のあとの晩飯映画劇場は『嫌われ松子の一生』。これは面白かった。ナカナカの映画です。導入部とエピローグは冗長でカットしてもエエと思たけど昭和後期の女の一生に感動。モーパッサンも山本有三も森本薫も水上勉の『饑餓海峡』も女の一生を描いた作品はどれもその時代に生きた女を通して時代そのものを映し出すもんやけど松子も見事に昭和後期に生きた女とその時代を描き出してくれました。昭和ロマン的な漫画チックでパロディックでミュージカルな表現もCGの使い方もストーリーを損なうことなくOh見事!この映画はオススメです…と思うと同時に自分がクリエーターではなく評論家であることを思い知らされたな。評論家の仕事もクリエーションではあるんやけどな。ちょいと頭の使い方と土俵が違うな。やっぱり俺には演出は無理かな。風呂入る前に『家電漫才』や!今晩はWキューブ!オモロイ!イケル!来週も見なければ!

DVD
『あの夏、いちばん静かな海』
『あの夏、いちばん静かな海』
『キッズ・リターン』
『キッズ・リターン』

5月19日(月)
今日から工事開始。仕事部屋の横の改修が必要なベランダが取り壊される。カネかかるで。家を持つ意味を考え直してしまうな。生まれ変わったら一生借家かアパート住まいがエエかなとも思う。いやブルーシートだけでもエエかな(笑)。佐吉も工事の足場に囲まれてストレス感じたのかウンチが柔らかい。まぁこういうのもコラムネタにはなるか。騒音のなかコラム1本(もちろん別のテーマ)書きあげる。晩飯映画劇場は久しぶりにタケシの『あの夏、いちばん静かな海。』。ナンデもっと早よう見んかったんやろと後悔。『キッズリターン』と並ぶ名作。タケシが出てないことと暴力のないことが素晴らしい。それに最小限の言葉と最短のショットで全てを表現。昨日の映画と正反対の妙。映画は表現の幅が広いな。言葉もそうなんやろけど。

5月20日(火)
春眠ベッドでうつらうつら。夜来風雨声。それにしても大きな音に目を覚ましたら工事の足場に巻き付けてあったシートがバタバタ風に煽られて隣家の屋根や物干し場を直撃してる。アカン。朝7時半。起きてパジャマのまま工事中のベランダに出て暴風雨のなか大きなシートを手繰り寄せる。一枚だけ上手くいかん。工事屋さんに来てもろてやっと解決。まいったな。疲れた。5月の台風か。やっぱり異常気象は馬鹿にできんのかな。ナンヤカンヤで仕事にならず晩飯野球劇場は交流戦。E対DとM対GをBSで見てB対TをCSで。チャンネル切り替えながら見まくる。M対Gはいかにも今季弱いチーム同士の闘いやったな。唐川は打たれたけどあのチェンジアップは見事やな。高卒とは思えんで。内容的に最高はE対D。野村vs落合。最高の駆け引き。しかし1点もやれん1死一三塁でDがゲッツー狙いの内野守備にしたのは拙かったな。仙台の球場は内野ゴロが弾む。併殺崩れの1点をねらえる。そこで思い切り打球を叩きつけたフェルナンデスのゴロが三塁手の頭を越した。Dにとっては使い慣れてへん球場やしシャーナイか。西武が西鉄時代のユニフォームを使うのにはブラヴォー!。白鵬はまた若さが出たな。

5月21日(水)
朝ラジオ2本電話出演のあと佐吉の散歩。『ビッグイシュー』のコラム原稿執筆。サスガに原稿料は安い(笑)けど自分もいつ何時売る側になるかもしれんから一生懸命書かせていただく。1本仕上げたあとベランダ改修工事の音がやっぱりやかましくて集中でけんので美容室へ。虎キチのニイチャンが昨日の負け方を批判。かめへんやん。ぎょうさん貯金あるのんやから。「そうですね。今年の阪神タイカープは強いですからね」その言い方に思わず吹き出す。帰宅して大相撲。今場所の琴欧洲は強いで。栃ノ心はどないなったんや?晩飯交流戦劇場。M対Gの試合はホンマにオモロないな。Mは去年までと大違いやな。やっぱり守備とキャッチャーのレベルが低いチームはアカンな。Tの強さを確認したあとNHK-hiスペシャルで薬師寺ドキュメンタリーに感激。建物も凄いけど日光月光菩薩の背中はエロチックやなぁ。光背をはずすときの足場は綺麗な。うちの工事に使われてるノンとエライ違いやな。当たり前か。

DVD
『アイーダDVD決定版オペラ名作鑑賞シリーズ1』(世界文化社)
『アイーダDVD決定版オペラ名作鑑賞シリーズ1』(世界文化社)

5月22日(木)
朝3時に起きようかなと思たけど無理。そうかPK戦でマンUか。まぁ日本人にはアンマリ関係ないこっちゃで。朝の工事が静かなうちにコラム1本仕上げる予定が書けず。工事の音が激しなって放棄。計画どおりにはいかんな。昼から靖国神社前にあるイタリア文化会館へ。サスガにイタリアンで建物も内装もモダンで洗練されたデザイン。世界文化社が発行する『DVD決定版オペラ名作鑑賞全10巻』の試写会をジャコモ・プッチーニ視聴覚室で見る。凄い名前やけど普通の部屋ですな(笑)。18歳のソフィア・ローレンが主演した『アイーダ』に驚嘆。パヴァロッティとマリア・キアーラの『アイーダ』はLDで何度も見てたけどコノ2本のオペラのDVDブックが3600円とは安い。なかなか面白いシリーズ。サスガは永竹由幸さんの監修やな。(DVD決定版 オペラ名作鑑賞)

5月22日(木)つづき
大船へ戻ってBob whitingさんと打合せ。90年に出版した(当時10万部のベストセラーとなった)『和を持って日本となす』(角川書店)の増補改訂版を出すとかで『との山』で焼き鳥やら串焼き肉を食って焼酎の『ハナタレ』飲みながらその後の日本社会とプロ球界の変遷について山ほど資料を渡して話す。Japan as No.1と呼ばれた時代からバブル崩壊で失われた10年のあとに小泉竹中の阿呆改革でアメリカの属州と化すまで。スポーツ界はJリーグが誕生してバブルになってナベツネが川淵との喧嘩に負けて球界の阿呆改革(FAとドラフト改悪と1リーグ化構想)に手を着けてストライキのあと将来的にMLBの一部と化す…というわけか。本の中味としては面白いモンになりそうやけど日本のプロ野球はホンマにどないなるねんやろ?『213』に河岸を変えてBobさんと痛飲。飲み終わったあと彼はいつもミスドに寄る。歳とってもアメリカ人やなぁ。

5月23日(金)
ベランダ工事の騒音の合間を縫うようにして仕事。上手いこといかんな。仕事がでけん言い訳があってええな。琴欧洲さっぱりやな。エエ人なんやな。エエ人すぎるな。夜新幹線で名古屋へ。マイッタ。読書中の辻邦生『西行花伝』(新潮社)もドナルド・キーン『果てしなく美しい日本』(講談社学術文庫)も鞄に入れ忘れ。読む本がない!と思うだけで焦る。KIOSKの本棚を漁る。瀬島龍三『大東亜戦争の実相』(PHP文庫)なんてのを買うてしまう。中味はともかく活字を手にしてることにホッと落ち着き新幹線とホテルで読みまくる。名古屋泊。

CD
前川清『バラードセレクション〜明日に』
前川清『バラードセレクション〜明日に』
『バラッド3〜the album of love〜』
『バラッド3〜the album of love〜』

5月24日(土)
朝東海TV『スーパーサタデー』生出演。そうか。桑田とサザンの活動休止がニュースになるんやな。まぁ名曲が多いもんな。どんなクリエーターでも10年創作を続けたら息切れするもんやけどヨウ続いたで。昔『GORO』の編集部で音楽担当Nさんからデビュードーナツ盤『勝手にシンドバッド』を聴かされて「なんじゃいコレは」「オモロイやン」などと騒いだのを思い出す。田中弁護士が「『真夏の果実』が好き」とコメントしたので「あれは前川清の歌ったのがいいですよ」とコメント。意味不明やったかもしれんけど「あの歌は演歌です」と言いたかった。いろんなジャンルの音楽を湘南ヴァージョンにしたわけでモーツァルトも初期の音楽はナポリ楽派やヴェネツィア楽派なんかの影響にあるなんて話をしながら午後の中日栄文化センター『オペラ講座』で『見てくれの馬鹿娘』や『ルーチョ・シッラ』を楽しむ。帰りの新幹線で「もっと満州のことなんか知ってるやろ。喋らんかい」などと突っ込みながら瀬島龍三『大東亜戦争の実相』読了。しかしナカナカ面白かった。帰宅して岡田ジャパン後半戦に間に合う。相手の調子は7割くらいやろけど岡田ジャパンもまとまってきたかな。中澤とトゥリオのダブル攻撃的ディフェンダーはエエなあ。素人考えかなぁ。今度『論スポ』の対談で金子さんに訊いてみよ。琴欧洲よかったな。もらい泣きしそうやで。

5月25日(日)
雨は嫌いやないのんやけど家の周りに足場が組まれてるうえ佐吉が散歩に行きたがるとなると鬱陶しいなぁ。GWに整理をした部屋が乱雑になりはじめて整理するか否かに迷う。To be or not to be.とはこのことやな。To beにしとこ。昼間NHK-BSで『地球特派員』という番組を見る。金子勝さんの司会と江上剛さんのレポートで初めてサブプライムローンの構造と問題点がワカル。コンピュータいじって数字だけ動かして。それが経済か?それが仕事か?ところがもう一人のゲストが「それでもアメリカの経済は強いですから」と言うたのには少々仰天。「経済が強い」とはどういうことか?「経済強成万骨枯」ちゅうわけか。「最大多数の最大幸福」を「自己責任」という言葉で無茶苦茶にしたアメリカの新自由主義破戒経済はそら強いわな。日本もかつては中流が8割もいる豊かな社会主義国やったのにな。新自由主義ちゅう妖怪に潰されてしまうのかな?琴欧洲の笑顔の表彰式を見て大阪へ。しかし大相撲の表彰式にヘンデルの音楽は似合わへんで。大阪泊。クソッ。テレビ大阪は『家電漫才』やっとらへん。関西系のノリのはずやのになんでやねん!

5月26日(月)
朝関テレ『痛快!エブリデイ男がしゃべりでどこが悪いねん』生出演。番組前に近々佐渡裕指揮の『メリーウィドウ』の舞台に出演するざこば師匠から「オペラとオペレッタの違いちゅうもんはどないなもんでんねん?」と質問される。いろいろ説明してあげると「ほなオペラは阪急沿線でオペレッタは南海沿線みたいなもんでんな」巧いなぁ。司会の南光さん初めボタンさんもサブローさんも相変わらず皆冴えてるなぁ。番組途中のCMで俺が登場してるパリ・オペラ座来日公演のCFが流れたみたいで(俺はモニター見落としてしもた)みんなから突っ込まれてちょっとだけオペラの話。最後は『メリーウィドウ』の話もあってハチャメチャな番組とはいえ教養の高さも示す(笑)。しかしこういうハチャメチャのなかでオペラの話まででける番組ちゅうのは東京にはないで。こんなオモロイ番組が6月いっぱいで終わるのはホンマにアカンで。新幹線で帰鎌。往復の新幹線でドナルド・キーン『果てしなく美しい日本』読む。Good Oldiesの日本の良さが社会レベル庶民レベルでようワカル。帰宅して山のような郵便物の整理。晩飯映画劇場はイケメン男たちがホストクラブ作ってガンバッて心臓病の孫娘を抱えた爺さんを助けようとする『ウォーターズ』。はっきり言うてドーデモエエショーモナイ映画。お世話になってる舞台業界のエライさんの息子さんが出てへんかったら10分で見るのやめたな。

5月27日(火)
アッチャやソッチャやコッチャにメール書いてアッチャとコッチャから返信が来てアッチャに返信したらソッチャに送ってしもて違うてまっせというメールがソッチャから来たと思たらコッチャから返信急いでくれ言われてドッチャに何を返事してエエのんかゴッチャになってしもて…。不便な世の中になったもんやで。千秋楽の横綱対戦の騒ぎが続く。あんな駄目押しは幕下以下の三下力士がやること。仕返しも同様。的外れの対応しかでけん北の湖理事長は最悪。そういや現役時代ヒールやったな。昼間NHK-BSのABC News NightLineでイラクに渡った米海兵隊員の秀逸なルポをやってた。PTSDも半端やないな。晩飯サッカー劇場オモロカッタ。さすがは俊輔。しかし試合後のコメントで前後半の評価に岡ちゃんと俊輔でズレがあったのは注目。要確認やな。

5月28日(水)
朝ラジオ2本のあと佐吉の散歩から帰るとベランダの防水工事屋の気のいいニイチャンが来ていて「今日一日ちょっとシンナー系の臭いがしますのでヨロシク」はいはいヨロシク。ところがマイッタ。2階全体がシンナーの臭いに包まれて仕事部屋は特に最悪。ラリるどころか呼吸がでけん。仕事にならん。1階に避難。何度か仕事部屋に戻るけどメールチェックが無酸素耐久時間の限界。しゃあないので日本映画専門チャンネルをつけると浅丘ルリ子主演『結婚の条件』。斎藤武市監督。1963年の東京駅前丸の内の様子やサラリーマンやOLの会話が面白かった。ストーリーも源氏鶏太の原作だけあってしっかりしてる。日が落ちるまで一生懸命働いてくれたニイチャンには感謝やけどこもった臭いに耐えられず『213』へ。マスターは腰痛で休養中とか。奥さん若いしな(笑)。俺には関係ないな(爆)。

5月29日(木)
雨。ベランダ工事は一時休止。雨を計算に入れて昨日一日中頑張ってくれたニイチャンに感謝。臭いは消えても仕事は捗らず。午後から工事の支払いの打合せ。カネの話は嫌いやで。気分転換に医者へ。カロリーが高い食品を摂取すると何故太るのかについて初めて明解な回答を得る。なるほど詰まるところはエネルギー源となる糖分の問題なんやな。「それ以前に旨いもんばっかり食べ過ぎてるんだろ」はい。おっしゃるとおり。晩飯前にTBS『朝ズバッ!』のスタッフ来訪。五輪競泳水着問題について話す。日本水連にはFINA(国際水連)の英語と仏語の通達をきちんと読んで理解できる人がいるのんかな?晩飯野球劇場。阪神強いな。林の戻ってきたのは大きいな。けどこんなに強うて人気もあるとモウ俺の応援は必要ないな。神奈川県民として横浜応援しょ。巨人はアカンな。原監督はエエ加減に長嶋の真似を止めなアカンな。9回2死からの盗塁にもTPOがあるで。2点差やで。阿呆ちゃうか…とはプロのユニフォームを着ている人に向かって着たこともない人間が口が裂けても言えへんけど言いとうもなるで。

BOOK
ドナルド・キーン『果てしなく美しい日本』(講談社学術文庫)
ドナルド・キーン『果てしなく美しい日本』(講談社学術文庫)

5月30日(金)
朝佐吉の散歩のあと新幹線で大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。久しぶりに中尾彬さんと一緒。CM中に『月曜日のユカ』を見たというと「あの映画はフランス・ニューシネマの影響のように言われてるけどそうじゃなくて中平監督独自のセンス。逆にフランス映画に影響を与えた」とか。中尾さん20歳のデビュー作品には相当思い入れがありそう。往復の新幹線でドナルド・キーン『果てしなく美しい日本』(講談社学術文庫)ほぼ読了。日本文学論演劇論はもちろん政治論も社会論も現代人が読んでビビッドに考え直させられる良質の70年代初頭日本論でした。久しぶりに『鮨処もり山』へ。

5月31日(土)
早起きして迎えのハイヤーで文化放送へ。JOQRへは90年に1年間毎週『東京すてきクルーズ』という2時間番組でMCをやらせてもらって以来。浜松町に移って初めて足を踏み入れる。高木美保さんの『close to you』ゲスト出演。あっという間の30分でスポーツの話だけで音楽とオペラの話はできず。楽しかった。ラジオはナチュラルに仰山話できてエエなぁ。また呼んでください。http://www.joqr.co.jp/blog/closetoyou/スタジオの外で以前東海テレビで峰竜太さんのアシスタントしてた吉見アナとばったり。フリーになって頑張ってるとか。いろいろcloseするなぁ。まぁみんながんばって。早起き疲れで昼間はウトウト。なかなか爆発的に仕事に打ち込めへんなぁ。歳とるとこんなもんなんかいなぁ。

DVD
『カラヤンの“美”ロバート・ドーンヘルムによるドキュメンタリー』
『カラヤンの“美”ロバート・ドーンヘルムによるドキュメンタリー』

5月31日(土)つづき
晩飯ドキュメンタリー劇場は『カラヤンの“美”』。どうせ帝王カラヤンのクソおもろない演説とカラヤンはどうしたこうしたという英雄譚だけの生誕100年記念カラヤン賛歌DVDやと思て見始めたら意外とそうでもない。面白かった。「カラヤンはインテリではなかった」「カラヤンには知性と教養がなかった」などの関係者(歌手や指揮者)のコメントが相次ぎクライマックスはバーンスタインとの比較。「バーンスタインは音楽そのものだったけどカラヤンは音楽をつくった」のコメントに心から納得。もちろんどっちがエエとか悪いとかいう問題ではない。そんなん較べたらアカンヤン。可哀想なカラヤン。ベートーヴェンもロッシーニ、ワーグナーもまったくおんなじ響きヤン。ヴェルディもブラームスもプッチーニもマーラーもカラヤンには一緒ヤン。ブルックナーもJ・シュトラウスもR・シュトラウスもおんなじ美しさヤン。音楽をひたすら美しく響かせるカラヤン。哲学はカラやん。けど売れたんやん。カネになったんやん。せやからエエヤン。それでカマヘンヤン。それだけのヒトヤン。所詮はカラヤン…空やん…殻やん…とまでは言い過ぎヤン。人生ってソンナモンヤン。そう思うとカラヤンの音楽の無意味な美しさってスゴイヤン。そんなこと言いながら文字しか書けへん俺の財布はいつもカラヤン。音楽家ってエエヤン。なぁ。カラヤンを聴き直しとなったヤン。究極の無意味な人工美ヤン。そこには現代人の虚しさがアルヤン。カラヤンの意思とは違うやンろけど。

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