11月1日(火)
長女が来訪。というても寝に帰ってくるだけやないか。仕事の邪魔やで。といいながら夜はBFも一緒に大船の「213(ニイミ)」で酒盛り。ホワイティングが相手のときは生ビール15杯くらい軽かったのに長女とBF相手では説教したくなって6杯くらいで悪酔い(苦笑)。
11月2日(水)
原稿が書けへん・・・。悩んでもしゃあないので長男の音大の学園祭のジャズ・スポットへ。みんな上手いけどおとなしいなあ。プレゼンテーションが足りひんで。と思てたら長男のバンドが現れて・・・ハチャメチャ。プレゼンテーションはあるけど下手糞。演奏後「どうだった?」と訊かれたので「50点や60点よりはマシな0点やな」と答えると「わかりやすいなぁ。そのとおりや」といわれる。ホンマにわかっとるんかいな。ま、どうでもええわ。
11月2日(水)つづき
上野の東京文化会館へ。二期会オペラのワーグナー『さまよえるオランダ人』を見る。まだ何日か公演が続くので営業妨害はしたくないので感想は後日にまわします(苦)。タイトルロールと演出家に対してブーイングが出ていたという事実だけを書いておきます。小生も招待券でなかったらブーイングをしたかも・・・。いや明日は我が身と思って控えたかも・・・(^_^;)
11月3日(木)
明治節。というても知らん人が多いやろけど、そやからこの休日は月曜日に移動せえへんのやな(10月10日の東京五輪開幕式の日は移動させられたけど・・・)。明治時代に「culture」を「文化」と訳したけど「文化」の古い意味(「武化」の反対)は「culture」(みんなで実らせた作物)とは違う。文化文政文治政治。そやから「文化の日」には叙勲がある。新聞原稿2本音楽パンフ1本書いてクタクタ。まだ原稿を待ってくださってる方々遅れてすいません。
11月4日(金)
オーナー会議という名の茶番劇。そもそも10年後20年後のヴィジョン(日本のプロ野球をどのようにするかという青写真)もないのに当面の問題が解決できるはずもない。建前と根回しと腹芸の猿芝居。いつまでこんなことが繰り返されるのか?まずヴィジョンをつくりましょうよ。もちろんそれはオーナーたちだけでつくられるべきものではない。運営者とユニフォームを着ている人とファンが三位一体となった会議で話し合われるべきだ。
11月4日(金)つづき
NHK『ニュース10』のVTR取材に自宅で応じたあと名古屋へ。
11月5日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。ゲストに東海地域リーグ2部FC岐阜の森山泰行さん(元名古屋Jリーガー)。東海2部から1部(つまりJ1から数えてJ5からJ4)へ上がるには最終戦に7点差以上で勝つ必要がある試合(対トヨタ自動織機)で7−0と見事に勝利!という話を聞いたときは正直いって八百長かと思ったが(森山さんもそういわれたという)試合のVTRを見て感激。司会の峰竜太さんもキャスターの大谷昭宏さんも涙ぐみほどの好試合。必死なってに7点を取りに行って成功した最後の最後に相手にPKを与えてしまい万事休すと思ったところがそのキックがゴールポストとバーのちょうど角に当たって跳ね返され見事勝利!「サッカーの神様がいることを実感しました」という森山さんの言葉は嘘やない。元Jリーガーが地域リーグで頑張ってることもふくめてサッカーはJ1から「J5」まで見事に感動的やで。野球も見習うてほしいなぁ・・・(FC岐阜のHPはhttp://www014.upp.so-net.ne.jp/fc-gifu)。
11月5日(土)つづき
名古屋から東京へ。日大芸術学部の学園祭のシンポジウム『スポーツジャーナリズムを斬る!』に参加。学生の司会では面白くならないと判断して自分から司会を買って出る。野球評論家の与田剛さん、サッカーアナウンサーの倉敷保雄さん、スポーツライターの金子達仁さん(ナビスコ杯決勝のため少々遅刻)からバッチリ面白話を引き出せたと思うけど中味はアブナすぎて残念ながらここには書けません(笑)。すいません。
11月5日(土)つづき
与田さんのクルマでNHKまで送っていただいてラジオ第一放送『土曜ジャーナル』に生出演。テーマは今年の日本の野球界。45分間思い切り喋らせていただく。終了が11時。帰宅したのが深夜12時過ぎ。長い1日やったなぁ・・・。原稿待ってくださってる方、スンマセン。
11月6日(日)
原稿書けへん。昨日の疲れかなぁ・・・。外は雨。頭のなかは移りにけりないたずらに我が身世にふる何もせぬ間に。本読む以外に何もでけへんので夜は鮨処『もり山』へ。蒸し鮑と胆。カワハギの生胆と刺身。大蒜醤油で戻り鰹。梭子魚の刺身。車海老の握り。焼きたての出汁巻き。ネロやカリギュラよりも旨いモン食うとるで。罰あたるで。明日は一所懸命仕事しょ(ええなぁコンピュータは。自分の知らん漢字でもパッパと書けるで・笑)。
11月7日(月)
一所懸命仕事してちょっと長めの原稿を1本仕上げたら疲れてしもたので晩飯食いながらDVDでオッフェンバックの『天国と地獄』(リヨン歌劇場)を見る。もう最高!何度も見た映像やけど改めて通してみるとやっぱりハチャメチャに面白い!ミンコフスキー(指揮)の音楽づくりもペリー(演出)の舞台づくりも見事!ナタリー・デッセーのセクシュアルな演技もコロラチューラも完璧!歌手と合唱全員でパラパラを踊るのもケッサク!オッフェンバックがパリのモーツァルトと呼ばれていた理由も改めてよくわかった。原稿を待ってくださってる編集者のみなさんスンマセン。ナタリー・デッセーを聴くのも小生の仕事でっせー。苦しいなぁ・・・。
11月8日(火)
佐吉(犬)の散歩のときに見る桜の枯葉の色が美しい。と思えるのは自分で掃除をすることがないからやろな。澄んだ空気の彼方に見える富士山も美しい。丹沢の峰峰も美しい。コラム1本書いて読書。最近は『靖国問題』『暗黒宇宙の謎』『明治大正翻訳ワンダーランド』『人類進化の700万年』『武士道の逆襲』『古事記と日本書紀「天皇神話」の歴史』『女帝の古代史』『歴代天皇総覧』『花見と桜』といった新書ばっかり読んでたので、久しぶりに小林秀雄を読む。金閣炎上の放火事件を契機にした狂気論。全集でわずか9ページくらいの文章を何度も何度も繰り返し咀嚼しながら読む。やっぱり先人の考察は凄い。読めば成る読まねば成らぬ何事も読まぬは阿呆とおんなしことやで。
11月9日(水)
少々長い原稿を1本書いてまた読書。疲れたので久しぶりにティト・ゴッビとマリア・カラスの『リゴレット』や『トスカ』を聴きまくる。セラフィンやサッバータの指揮はスゴイなぁ。餅は餅屋やなぁ。イタリアもんはイタリア人やなぁ。元気出るなぁ。ヴェルディの音楽は基本的に軍歌やなぁ。夜、マーク・ワインガードナーの『メジャーリーグ、メキシコへ行く』(東京創元社)を読み始めたら止まらへん。こら、オモロイで。
11月10日(木)
アジアシリーズ日韓戦を取材するため東京ドームへ。練習を見ただけで韓国の野球が日本より10年くらい遅れてることがわかる。ノッカーがボールの下側を打つ内野ゴロ(そういうゴロは実戦では存在しない)のノックは日本のプロ野球ではもう誰もしてないはずや。試合前に新浦寿夫さんと久々に話す。小生の駈け出し時代だった第1次長嶋監督の時にはよく取材をさせていただいた。その後韓国へ渡ってガラリと大人になられて・・・「そうですね。その頃からあったアジアシリーズの企画が19年経ってようやく実現したわけで・・・」19年!お互いに歳とったなぁ。「そうでうすねえ」と二人で笑う。新浦さんはこの日の始球式投手。日韓野球の架け橋をした人にふさわしい素晴らしい企画・・・とジーンと感激してたらワケのわからんスポンサーのエグゼクティヴなにがしとかいう男が出てきて一緒に始球式をした。アホやで。せっかく史上初のアジアシリーズを応援する素晴らしいスポンサーになったのに台無しや。試合は日本(千葉ロッテ)の楽勝。まあこんなもんやろな。応援でも20年くらい先を走ってるマリーンズは日本代表にふさわしい。
11月10日(木)つづき
試合中に観客席や通路をぶらぶら歩いて(取材して)たら背広を着た若い男性に呼び止められた。去年夏のスポーツジャーナリスト養成塾に参加して今は千葉ロッテ球団の運営部で企画を担当してるという。素晴らしい!「本当はスポーツライターになりたかったんですけど講義で原稿を添削されて・・・」「ボロクソにいわれてあきらめたか?」「はい。ちょっと落ち込んで・・・」「アカンで。あの程度で落ち込んでたらライターなんかなれへん。けど、エエ球団のエエ仕事に就いたやん」「はい!」「頑張って!」
11月11日(金)
毎日放送『ちちんぷいぷい』出演のため大阪へ。新大阪駅タクシー乗り場で海江田万里さんとバッタリ。10年以上前に佐々木信也さんと東ちづるさんが司会した番組のレギュラーとして1年くらい御一緒して以来。タクシーに乗るところだったので「御無沙汰です」といって握手しただけだったが、そこへ舛添要一さんも。これまた御無沙汰。みんな一緒の新幹線やったみたい。別に意味ないやろけど。いや、意味あるのかな?
11月11日(金)
『ちちんぷいぷい』の生ゲストに八嶋智人さん。「スポーツネタのトリヴィアがいっぱいあるので応募したら8千円くらい稼げるぞと子供にいってるんですけど邪魔くさいようで・・・」なんて話をCMのときにすると「どんどん送ってくださいよ」との返事。ネタに困ってるのかな?『ぷいぷい』のあとY興業のT氏と食事&痛飲。前日の明石家さんまさんのトークライヴには星野仙一さんも来て舞台に上げられたとか。おまけに楽天TBSがらみの相当に内緒の話もさんまさんは暴露してしまったとか。隠し事とか根回しはしないほうがいいのですよミキタニさん!大阪泊
11月12日(土)
毎日放送の朝番『せやねん』に生出演。アジアシリーズやWBCやプロ野球の「改革元年」についてトミーズの雅さんと一緒に話したあと京都銀閣寺前のお店(名前は忘れた)の皿うどんを食べさせていただく。めっちゃ美味しかった。関西の番組は食べることが多いなぁ。
11月12日(土)つづき
帰宅後夕食をとりながらベッリーニの『ノルマ』(パルマ歌劇場)をDVDで観賞。タイトルロールのジューン・アンダーソンはまずまず。メゾのダニエラ・バルチェッローナが抜群!それ以上に古楽器オケ(マウリツィオ・ビオンティ指揮エウローパ・ガランテ)の演奏がユニークでおもしろかった。けど演出の勉強にはならんかったなぁ。演奏が良ければ演出はほどほどでエエちゅうことか・・・。
11月13日(日)
東京ドームへ。アジア・シリーズ決勝戦。千葉ロッテマリーンズが実力どおり順当勝ち。「負ける気がしねぇ」と書かれた外野席のプラカードが今日ほど納得できた日はない。韓国代表三星ライオンズの粘りも見事やったけど何が起こるかわからん決勝戦1試合をきちんと勝ったマリーンズは素晴らしい。サポーターの応援も見事。三星ライオンズのソン・ドンヨル監督が記者会見で言った。「日本のプロ野球は長い歴史があるが我々はまだ23年・・・」たしかにその差が出た。プレイでも応援でも球団組織でもいいチームが日本代表になって良かった。閉会式の表彰のプレゼンターの一人として出てきた滝鼻読売新聞社社長(巨人オーナー)に大ブーイングが飛んだのも良かった。プロ野球ファンは日本の野球を「誰」が駄目にしているのかわかってる。根来コミッショナーにはブーイングが飛ばんかった。それは誰もこの人のことを知らんからやろう。知っててもどうでもええと思てるからやろう。さぁ重光さん!以前言うてたように球団名からロッテの名前をはずしましょうよ。そうすればロッテの株がもっと上がりまっせ!
11月14日(月)
近隣で48戸の住宅用大型宅地開発が始まろうとしていて数日前に事業者が我が家を訪れた。「工事を計画していますのでよろしく」「はぁ」「内容は御存知ですよね」「はぁ」「じゃあ、ここにサインを」「なんで?」「皆さんに御説明にあがったということで皆さんもサインされてます」「冗談じゃない。こんなもの説明でもなんでもないじゃないですか・・・」というわけでサインしなかったのに市役所には近隣への説明終了との報告がいったらしいので鎌倉市役所へ行って確認。小生の「説明済み」欄には「特に意見なし」と書かれていた。市役所の担当者に「説明なんか受けてませんよ」というと「だったら業者にきちんと説明するようにいいます」「説明が済むまで工事計画は進行しないのですか?」「いえ。業者が説明が済んだといえば進行します」「だったら説明なんて意味ないじゃないですか」「そういわれればそうですが法律と条令に則ってこの土地は緑地保全地区ではありませんので」「でも養護学校があるし小学校もあって道幅は4メートルギリギリで10トン車はもちろん4トン車も通れませんよ。通れても他のクルマが来たらすれちがえないし養護学校の生徒や小学生の事故につながりますよ。それにあの土地は開発後に48台ものクルマが出入りできませんよ。消防車も救急車も入れませんよ。凄く杜撰な計画ですよ」「・・・貴重なご意見をありがとうございます」1時間近く話した結果がこれ。むやみに開発反対を唱える気は毛頭ないが不可能な場所にごり押しの開発はミエミエ。市長も「開発は無理」「緑を守る」「子供の安全を」なんていってたくせに何でこないなことになったんや?まぁまだ施工業者も決まってないし住民との工事協定書を結ぶための会合がこれからあるのんやろけど無理なものは無理。いくら法的には開発可能の土地というても早いうちに市役所が「指導」しないと業者も可哀想。事故が起きてからではどうしようもない。中途半端に木を切って山を崩してハイできませんでは緑を潰すだけ。
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11月15日(火)
ラトル指揮ベルリン・フィルのR・シュトラウスの新譜を聴く。「町人貴族」は面白かったけど「英雄の生涯」はううううんんん・・・。悪い演奏であるわけがないのだが無理矢理個性を押し出されても・・・。天才ヴァイオリニストの呼び声が高いヴェンゲーロフのベートーヴェンの「V協」も同様。もっと素直に演奏してほしいなぁ・・・。フランチェスカッティ、スターン、オイストラフが懐かしい。レーピンは(おれ的には)大好きやけど。
11月16日(水)
最近チャイコフスキーにはまってる。ちょっと恥ずかしいくらいの映画音楽的カンタービレやけど・・・やっぱり綺麗モンは綺麗。いまごろになってチャイコフスキーがエエなんて言い出すのは小林秀雄の「悪影響」のためかもしれん。名著『モーツァルト』のなかにこんな一節があって頭を離れなかった。「これ(モーツァルトの音楽)が真実な人間のカンタアビレなら、もうこの先き何処に行く処があらうか。例へばチャイコフスキイのカンタアビレまで堕落する必要が何処にあったのだろう」堕落!だから若いときはチャイコフスキーが好きと素直にいえなかったけど歳を取るとコワイもんがなくなる。この堕落がええのんや!
11月16日(水)つづき
拝啓ジーコ監督様。高原と柳沢はクビにしてください。どうも彼らは根本的に決定的にフォワードという人種ではないようです。ずっとそう思いつつ我慢してきましたがもはや限界です。サッカー中継のあとNHKの『その時歴史が動いた』を見る。日露戦争で児玉源太郎(ミッドフィルダー)は乃木希典(フォワード)を使った。乃木は児玉に使わるただけの能力しかなかったかもしれんけど根本的にフォワードであったことは確かや。
11月16日(水)つづき
小泉首相よりもおれのほうが英語がマシやで。おれは留学したことないのに。それはどうでもエエけどブッシュのアメリカは「阿呆」で「悪」やと誰もがわかってるけどいわれるままに仲良うしといたほうが国益にかなうという小泉のやり方はわかりやすい。情けないですけどね。「阿呆」で「悪」やけどしゃあないからというのが小泉チルドレンはわかってるのかいな?いや小泉首相自身がわかってるのかな?わかりやすい道筋はやりやすいけどあとがコワイで。苦労してでもアメリカにもっと意見したったほうがエエで。とにかく京都の市内は大変やったみたいやなぁ・・・。
11月17日(木)
諏訪内晶子の新譜バッハの『ヴァイオリン協奏曲集』を聴く。スゴイ!厳しいまでに見事に端正な演奏!ジャケットの美しい姿にダマされてはいけない。この女性はめちゃくちゃ成長し続けてる。ツィンマーマンのブラームス『P協1番』も聴く。これもスゴイ!バックのラトルとベルリン・フィルの演奏も大迫力!いつもこういうふうに堂々とやってくれればエエのに・・・。
11月17日(木)つづき
今日から家族に一人プラス。24歳の甥っ子(女房の姉の末っ子)が「書生」として我が家に居候することに。こき使たろ(笑)。とりあえずは歓迎会。酒の飲めんヤツやからこっちばっかり飲む。ええこっちゃ(爆)。
11月17日(木)つづき
偶然ボジョレー・ヌーボーを飲む。プロのソムリエでもない大勢の人が何で毎年こんな薄っぺらいワインで大騒ぎするねん?と思いながらも今年のは美味しかったです。けどこんなんに金使うならバローロ飲んでるほうがエエで。
11月18日(金)
我が家に居候することになった書生に解説付きでビデオ映像の「洗礼」。グルダ、グールド、バーンスタインのピアノ、カルロス・クライバーの指揮、『サロメ』(マルフィターノ)の全裸の踊り、ピーター・セラーズのモーツァルトの舞台・・・。こういうものを知らないまま大人になってはいけないのだ。ぐわっはっはっはははははは。明日は『ブルース・ブラザース』に『カッコーの巣の上で』に『時計仕掛けのオレンジ』に『ゴッド・ファーザー』に・・・。そんな時間ないか・・・。光陰如矢。少年易老学難成。
11月19日(土)
第3期スポーツジャーナリスト実践塾開講。養成塾からの選抜塾生10名プラス特別聴講生2名を相手にさっそく原稿執筆の実践。過去2年とは少々中味を変えて文章(200字)による“デッサン”をさせる。画家や音楽家を目指す人間は基礎練習をするのに文章家を目指す人間が基礎練習もせずに“本番”に挑むのは傲慢というものですからね。同じテーマで“デッサン”させると12人が12通りの書き方をした。それを吟味できるのもエエ勉強やで。またまた塾生よりもおれのほうが勉強になったようで・・・。
11月19日(土)つづき
塾のあと銀座のヤマハへ。オペラのDVDを買い込む。ついでにキャブ・キャロウェイとサッチモのライヴも。帰宅後プッチーニの『ラ・ボエーム』(ゼッフィレッリ演出スカラ座)を見る。うむむむむ・・・。昔から評判のエエ舞台やけど・・・。古臭さを感じたなぁ。以前新国立劇場でルキーノ・ヴィスコンティ演出の『ドン・カルロ』を見たときも古臭さを感じた。どんなにエエ舞台でも「昔どおり」はアカンのやな。
11月20日(日)
SCIX文化講座で講演するため大阪へ。「日本のスポーツにはなぜ“知性”がそだたないのか?」というテーマで話す。じつは大いに「そだっている」のに多くの人々がそうは思っていない「先入観」の原因を追求するなかから学校体育や企業スポーツが日本のスポーツマンのスポーツ以外のジャンルへの挑戦を妨げている構造について話す。新しいテーマで話すのは疲れる。けど準備もふくめて自分のための勉強になった。講演はこういうやり方をしたら“放電”だけやのうて“充電”になるんやと納得。けど疲れた。
11月21日(月)
佐渡裕指揮兵庫PAC(芸文センター)オケによるベートーヴェン『第九』のDVDが届く。ラトルや金聖響らによる最近流行りの「楽譜に忠実」な演奏でなくあくまでもロマンチックでダイナミックな演奏。素晴らしい。こけら落としのパーティのときに4楽章だけはナマで聴いたけどオケが格段に進歩していることに驚嘆。京阪神の人は幸せやなあ。こんな演奏を日常的に聴けるようになったんやから・・・。
11月21日(月)つづき
原稿1本仕上げて夜はガキがGFを連れ帰ったので一緒に食事。オモロいCDがあるでといってブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』を聴かせたら自分でビックリ。奥村チヨの曲(題名が思い出せへん)はここからパクリよったんや・・・。
11月22日(火)
佐吉(犬)の散歩のときに紅葉した桜の葉を集める。『忠臣蔵』の舞台が一力茶屋の場面(春)から秋になったときの参考のために。まだ再来年の話やけどそろそろプランを固めんとあかんのやろなぁ・・・。そういえば吉本興業から送ってきてくれた来年用の手帳は2年分のスケジュールを書けるようになってた。ジャパンアーツの手帳は5年分!こういうスパンで仕事したことないから気持ちの持ちようがワカラン。生きとるんかいな・・・。グレン・グールドは50歳になる何年か前から50歳の誕生日の欄に「死」と書いてたんやろか?その日に倒れて(クスリをやめて?)1週間後に亡くなったらしいモンな・・・。スゴイやっちゃで。
11月23日(水)
医者へ行って血圧その他のチェックをしてもらったあとついでに建長寺円覚寺境内を散策。鎌倉の寺の拝観料は比較的安い(京都は高すぎるで!)しかし建長寺の芝生の庭にはガッカリ。まるでミニゴルフ場みたい。寺の庭はやっぱり苔でないと・・・。円覚寺は紅葉も庭も見事。夜ボブ・ホワイティング氏とS君の3人で食事。今回はビールでなくワインがぶ飲み。中学時代からの朋友であるS君はボブさんが“You got have Wa”(『和を持って日本となす』)を執筆したときに明治時代の新聞や飛田穂洲の著作を片っ端から英語で解説してくれた人物。さらに小生が英語でスピーチしなければならなくなったときのゴースト・ライターでもある。ボブさんとの達者な英語での会話に少々嫉妬。まあ一国の総理大臣よりもおれのほうがマシなんやしエエか・・・。
11月24日(木)
終日原稿書き。久しぶりにちょっとネットでいろいろ調べてみたら中日ドラゴンズの落合博満監督が『オレ流クラシック』と題したCDを監修して発売したことを発見。『ワルキューレの騎行』『木星』『アイーダ行進曲』『旧友』『威風堂々』あたりを選んでるのはちょいと体育会系的(笑)で元イングランド代表監督エリクソンの選んだクラシック集と似てるけど『春の声』『鱒』『アンダンテ・カンタービレ』『悲愴(ベートーヴェン2楽章)』といった女性的な(?)楽曲も入ってるところが「オレ流」といえるかも。しかし『ワルキューレの騎行』が宇野功芳指揮新星日響の演奏が選ばれてるのはスゴイ!テンポが通常の3倍くらい遅い大怪演!おれは録音時の生の演奏会でも聴きCDも愛聴してるけどキングレコードならショルティとかほかに「通常」の演奏があったやろに・・・。レコード会社の選択やなくてこれも「オレ流」やったらお見事!
11月25日(金)
終日原稿書きのあと名古屋へ。新幹線車中で『梅原猛、日本仏教をゆく』(朝日新聞社)を読む。そうか西行は恋愛歌人やったんや。「思いきや富士の高嶺に一夜ねて雲の上なる月を見むとは」エロチックでエエなあ。煩悩即菩提やで。
11月26日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。ゲストは田尾安志前イーグルス監督と平野謙ファイターズ次季コーチ。往年のドラゴンズ最強1,2番コンビ。控室で山ほど面白い話を聞く。「勝率2割台でも野球の監督は面白いものだったから優勝争いたらもっと面白いはず」というのは名言。バレンタインかヒルマンの次くらいやってほしいなぁ・・・。番組終了後メイン・コメンテイターの大谷昭宏さんから『サンデープロジェクト』の取材を受ける。テーマは「プロ野球と芝生」。人工芝は日本野球の「癌」の象徴という話をする。そのあと中日栄文化センターでオペラ講座。『椿姫』のビデオを見ながらヴェルディの生涯と音楽を語る。黒い下着姿のヴィオレッタや清純可憐なヴィオレッタなどいろんな椿姫を楽しむがレナート・ブルゾンのジェルモンには改めて感服。涙。
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DVD |
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椿姫 特別版
グレタ・ガルボとロバート・テイラーの『椿姫』 |
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11月26日(土)つづき
帰宅したらドラ息子が「映画を見ながらメシ食おう」というので書生と女房も一緒に『スターウォーズ・エピソードVシスの復讐』を見ながら遅い食事。20分で飽きたので強制的にDVDを入れ替え。『バットマン・ビギンズ』に変えるがこれまた15分で飽きた。何か見てないDVDはないかと棚を探したら誰が買ってたのか(たぶん長女やろ)『レディース・ルーム』というのがあったのでかけてみるとコレが最高!メシ食いながら笑い転げる。マルコヴィッチも名演やけど女優陣の演技が抜群!監督(ガブリエラ・クリスティアーニ)のカメラ・アングルも最高!女優を演じる女優陣の台詞のなかでジョン・オズボーンの大名作戯曲『怒りをこめてふりかえれ」(Look back with anger)が「怒りの爆発」と訳されてたけど、まぁ御愛敬やろぅ。
11月27日(日)
SCIX主催の『スポーツ・インテリジェンス講座』のため竹橋の毎日ホールへ。1週間前に大阪で話したのと同じテーマやのになぜかかなり違う内容になる。自分でも理由不明。おんなじことを繰り返すのが嫌いな性格のためか。大阪と東京で反応が違うためか。けど、どっちもマァマァ上手いこといったと思うのでエエやろ。
11月28日(月)
終日原稿書き。ドラゴンズ落合監督の『オレ流クラシック』に刺激されて宇野功芳指揮新星日響のワーグナーのCDを久しぶりに聴き直す。見事な演奏。宇野先生の演奏はベートーヴェンよりこっちのほうがエエで・・・というと叱られるかなぁ。
11月29日(火)
仕事がいっぱい溜まってるのにテレビで「耐震強度偽造問題」の国会質疑を見てしまう。誰が悪いかは一目瞭然。けど、資本主義社会というのはあらゆる部分で強い倫理感が必要なのだとつくづく思う。衣食住に関する問題が最重要とはいえ公共財であるスポーツを私物化する悪いヤツがおるために日本社会が莫大な損失を蒙ってるのも根っこは同じや。
11月30日(水)
例年どおり来年の山下洋輔さんの「ニューイヤー・コンサート」(タケミツホール)のパンフレットにも原稿を書くことになって今回は落語の『双六』でいこうと思い書き始めたら確か『源氏物語』や『枕草子』や『徒然草』にも双六のことが書かれてたことを思いだし調べだしたら止まらへん。双六のことも調べだしたら面白すぎて止まらへん。「双六(スゴロク)」という言葉も「サング・リョク」(6の2倍=サイコロ2個)というハングルの訛りやそうな。知らんかったことを知るのは嬉しい。そこから想像力を飛ばすのはもっと楽しい!けど原稿が書けんかった(トホホ)。
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