2月1日(日)
机に向かい続けの一日。午前中ホワイティングさんの野球原稿の翻訳。午後から『ロマン派の交響曲』まえがき。腰が痛い。それ以上に頭の切り替えが大変。おまけに久しぶりの英語で頭が痛い。15分の昼食を挟んで午前9時から午後7時の作業でコーヒー6杯。ダウン。晩飯映画劇場は市川崑『日本橋』。祇園とは異なる遊里の世界。淡島千景は典型的な東京芸者。山本富士子も東よりかな。若尾文子は東も西もできて凄い。原作泉鏡花。新派の映画化。新派なんていうても通じんようなったかな。新劇も一緒やな。「新」と付くもんは消えるんやな。昭和31年にはまだ明治ロマンが生きてたんやな。いい映画でした。しかし世の中変わったな。
2月2日(月)
新幹線のダイヤが信号故障で乱れてるというので少し早い目に家を出て大阪へ。バッチリ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。若麒麟の事件があったのでグッタイミングとディレクターから歓迎される。『ピンポン』生出演断ってスンマセン。前から決まってたスケジュールなもんで。伝統文化を継承し発展させるのは型の踏襲とカタヤブリで力士が趣味と教養にすべき相撲甚句をヒップホップに乗せて歌うのはカタヤブリやけどヒップホップが好きで大麻を吸うのではカタナシという話をする。朝青龍のガッツポーズもカタナシ。ガッツポーズ=拳=武器=素手(掌)で闘う相撲の型に反しますからね。彼のガッツポーズは「何をしても勝ちゃイイだろ」と宣言したようなもの。そんな「明白な非」の是非を「品格の有無」で「論争」しているようでは「ヒップホップ+大麻」の力士も出てしまう。相撲という日本文化の根底にある思想を皆で勉強し直しましょう…といったことを言うとざこば師匠が見事なフォローをしてくれはった。「落語家でも落語はやれてもその何たるかはわかってまへんねん。それは研究者の仕事ですねん。ウチの師匠(米朝)はその両方をやらはったからエライんですけど普通はでけまへんねん。そやから相撲やってる人にもアンタのような外部の人が教えてやっておくんなはれ」はい。機会があれば。ゲストに植村花菜という26歳のシンガーが登場してドキッ。ウチの27歳の長女(六花)と25歳の次女(七菜)を合わせて平均したような名前と年齢やんか。他人とは思えへんので応援したげよ。3時間番組を終えて東京へ。TBSの迎えのクルマで『ピンポン』VTR撮り。新幹線でビール飲めんかったので帰りのハイヤーで缶ビール。我慢したあとのビールは旨い。
2月3日(火)
朝夕の佐吉との散歩を除いて一日中部屋に籠もって机にへばりついて翻訳作業。英和辞書ひきまくり。irksomeなんて言葉はモウ忘れてるもんな。しかし辞書ひくたんびに近眼の眼鏡をはずさんとアカンのんは情けない。それほどの老眼でもないと思うけど…あ。度の弱い方の近眼の眼鏡でやりゃええんや。これでスッキリ。仕事捗る。晩飯映画劇場はチャップリン『殺人狂時代』。中味は知っててもキチンと見たことがマダなかった。ちょっと間延び気味なんは時代のせいかな。これでハリウッド追放か…。そういやオバマの政策すら「社会主義的」と非難するアメリカ人がおるくらいやもんな。新自由主義の金融ギャンブル資本主義より社会主義のほうがよっぽどマシやで。少なくとも倫理的で道徳的やで。
2月4日(水)
今日もまた朝夕の佐吉との散歩を除いて一日中部屋に籠もって机にへばりついて翻訳作業。腰が痛い。頭は爽快。ホワイティングの文章は"Hillman was also one of the most anal retentive managers in the history of the Japanese game"なんて文章がひょこっと出てくるからオモロイ。快調に書きまくって晩飯映画劇場は昨日に続いてチャップリン『ライムライト』。男性版『ばらの騎士』。年老いた男の理想かな。しかしこの音楽だけは聴くだけで涙を絞り出す映画音楽史上最高傑作やな。『ライフ・イズ・ビューティフル』の音楽もエエけど。あ。岡ちゃんジャパンのフィンランド戦忘れてた。そうか5−1か。若手が活躍か。よかったよかった…でエエのかな?誰かにビデオもらお。
2月5日(木)
今日もまたまた朝夕の佐吉との散歩を除いて一日中部屋に籠もって机にへばりついて翻訳作業。『ロマン派の交響曲』の執筆はチョイトお休み。ヤッホー!夕方に完成。もちろんこれからsentenceとstyleをpolish upせんとアカンし理解不十分の部分を何カ所か英語にもっと堪能な人に確認せんとアカン(S君助けてね)。けどまぁヤマは超えたのでカリフォルニアにいるボブ・ホワイティングにメール。ボブさん日本語わかるんやから邪魔くさいときはローマ字で書くのに何故かスラスラ英語が出てきた。慣れちゅうもんかいなぁ。連続3日間のtranslation hard workにフウウーッ。よっしゃ。一区切り。
2月6日(金)
朝佐吉の散歩のあとpolish up my sentences which I translated Bob-san's English book to Japanese.『和を持って日本となす改訂版』(角川文庫)は3月発売予定です。乞御期待。午後から尚美学園大学准教授に4月から就任する元我が塾生のK君が担当教授と学長を伴って来宅。大学の新企画について説明を受ける。面白そうやな。できることは全力で手伝うことを約束。せやけどうちに蘭の花を持って来やはった人は初めてやで。ビビルがな。
2月7日(土)
朝夕佐吉の散歩以外は部屋に籠もってpolish up my sentences.夕方朋友で英語に超堪能なS君夫妻(昔俺のカナダでの演説原稿も外国人特派員協会昼食会での演説原稿も書いてくれてホワイティングさんが『和をもって日本となす』執筆中にも明治時代の新聞を次々と酒飲みながら英訳してくれた人物)が来宅。俺の和訳の怪しかった部分をすべて解決してくれる。anal retentive managersちゅう表現はSigmund FreudともMarqui de S.とも何の関係ものうてDon' be so anal.(細かいことにこだわりなはんな)なんて言い方があるんや。英語もオモロイもんやな。勉強を終えて夫妻一緒に『213』へ。飲みまくり食べまくり喋りまくり。朋友夫妻とのディナーは格別。楽しかった。
2月8日(日)
朝佐吉と散歩のあと『和を持って日本となす改訂版』翻訳完成作業。しかし一昨日に尚美学園大学の学長さんからいただいた本をパラパラめくり出すとコレがオモロウて止まらへん。松田義幸『スポーツ・ブランド〜ナイキは私たちをどう変えたのか?』(中央公論新社)ナルホド。ナイキはバカにでけんなぁ。そういえば昔シカゴの本社に行った時は圧倒されたなぁ。トイレのドアの取っ手までナイキのマークやったもんんあぁ。昔長嶋茂雄さんがナイキのことを「ニケ」と言うたというて嗤てたスポーツ記者がおったけどギリシア語ではニケやもんなおかしないで。ナイキなんてインクのことをインキいうてる日本語のほうがおかしいくらいやで。もう一冊『エンゼル叢書(9)芸術都市の創造〜京都とフィレンツェの対話』(PHP研究所)もオモロイなぁ。式部の源氏とダンテの神曲を並べるか。凄い…と思てるうちに日が暮れる。翻訳も一段落やし油断したな。晩飯映画劇場は名匠フランク・キャプラ監督『素晴らしき哉、人生』原題は"It's a wonderful life"オモロカッタ。天使降臨ハリウッド映画の原点。ウォール街で阿呆やってるアメリカ人はこの映画を見とらへんのかいな。アメリカにも昔は正義感があったんやな。いや日本もアメリカも出世すると正義感がなくなるんかな。
2月9日(月)
朝佐吉と散歩のあと私用で銀行や郵便局へ。振り込みいろいろ処理して本屋に寄ったらウワッ小松崎茂のイラストの本がずらっと並んでる。島森書店大船店の平積み特集はホンマに面白い。小松崎茂の絵は『冒険王』『ぼくら』『少年マガジン』『少年サンデー』『ボーイズライフ』とプラモデルで育ったわれわれの世代は血湧き肉躍る記憶がある。零戦・隼・紫電改・雷電・飛燕・銀河すべてプラモで作ったもんな。いちばん好きやったんは震電やった。未完の日本機。格好良かった。小松崎の絵はB-29のジュラルミンの質感の描き方なんか最高やで。それに大和を攻撃するグラマンやロッキードの飛行姿の迫力も。思わず本を買い込む。ついでに小学館創立85年記念出版『全集日本の歴史14「いのち」と帝国日本』も買う。このシリーズは読むかどうか迷てたけどトウトウ買うてしもた。帰宅して読み始めると『興亡の世界史』のシリーズで世界史に対して目から鱗が落ちたのと同様日本史の見方も変わりそうな気配。歴史のとらえ方が俺の高校時代と全然違う。時代は変わってるな。コレはエエ方向に変わってるで。ボブさんからメール。翻訳の疑問に対する最終回答。そうか。Analという単語はIt's origins in Freudian psychologyいうわけなんやな。ボブさんとはメールでの雑談のやりとりも面白い。晩飯映画劇場は『オードリー・ヘップバーンの初恋』。本屋で500円。『ローマの休日』の前年の作品。手に入るなかでヘップバーンの最も古い映画やというので思わず買うたけどオードリーは完全に脇役。おまけに原題は"Secret People"。初恋なんて関係あらへん。まぁ彼女のバレエ姿が見られたのとナカナカ面白い内容やったので許せるけどこのタイトルは羊頭狗肉やで。ヤッホー。翻訳を角川編集部に送ったぞぉ!
2月10日(火)
サァ翻訳を終えて今日から『ロマン派の交響曲』の執筆に邁進!したいけど…頭のなかがまだ野球とベースボールやな。切り替えは難しいで。仕事の順序はやりたいかどうかなんて無関係に締切日と編集者の尻叩き加減で決まるな。まぁプロの職人ならシャーナイな。けど頭が回らんな。こういうときは休むに限る。『鮨処もり山』へ。なんで娘まで来るねん。モッタイナイ。この国際語はこういう時にも使うということを外国人にも教えてあげなあかんで。
2月11日(水)
朝文化放送電話出演。日産の野球部・陸上部・卓球部休部問題について。これは日本の脱工業化社会のあり方の問題。2016東京五輪招致も同じ。国会決議問題がこじれてる。民主党や社民党は石原の失政隠しを批判してるらしいけど1964東京五輪を呼んだ都知事(東)を今誰が憶えてるねん。そんな政局よりも脱工業化社会における文化(スポーツや芸術芸能)の経済的価値や国民の幸福度を見直すべきやで。けど今の政治は何もかも最低やな…。RKB毎日放送は休日特番でお休み。19世紀の交響曲について勉強し直し。ロマン派という言葉は不思議やな。頭をスポーツから音楽に転換成功。オモロイ本になりそうやで。しかし再びスポーツ。晩飯サッカー劇場に興奮。オーストラリアに0-0の引き分け。シャーナイな。オーストラリアに必死さがなかったけどマァようガンバッタ。金子達仁さんも言うてたけど南アへの道は余程のことがない限り問題ないやろ。けど最期にゴールネットを揺らせられへん原因は何やろな。岡ちゃんは以前「何を考えてるんかワカランような怖い奴がおらんから」と言うてたけどな。優等生と違うエリートがエリートとして認知されるシステムの有無の問題かなぁ。そういやスポーツジャーナリズムでもスポーツアカデミズムでもエリート(ヒエラルキーの上に立つ人間)として生き残ってるのは温和しいオモロナイ奴が多いもんなぁ。正直な気持ちを書いてしまいましたけど…。試合後のインタヴューで岡ちゃんが「勝ちたかった」でなく「勝たせてやりたかった」と言うた意味がどこまでメディアに通じたかな。試合をやるのは選手やもんな。監督は助けるだけやもんな。
2月12日(木)
朝佐吉と散歩のあと部屋に籠もりきりで『ロマン派交響曲』の仕事。『ベートーヴェンの交響曲』のときより作曲家が多くなって調べ直す量が半端やない。ちょっと仕事量の予測をミスッたかな。今更そんなこというてもシャーナイのでヨッシャ力でねじ伏せたるぞぉと仕事に励むとフウーッ疲れたびー。晩飯映画劇場の気力もなくテレビをボンヤリ見ながら食事。イカンイカン。こういうテレビの見方が最悪やで。
2月13日(金)
朝佐吉と散歩のあと今日もぐわーと仕事。進まんなぁ。捗らんなぁ。シャーナイなぁ。なんや知らんけど小泉劇場復活か?麻生おろしか?要は利権の引っ張り合いで郵政民営化推進派も見直し派も同じ穴の狢とちゃうんか。かんぽの宿を売りたい輩もストップさせたい輩もバックの勢力の綱引きやで。そういや学校の校庭芝生化運動をしてたとき芝生屋さんが仰山集まってきたもんな。これも利権やったな。もちろんそれには乗らんかったけど政治家に大事なのは信頼なんて言う前に理念と倫理やで。夜名古屋へ。
2月14日(土)
朝東海TV『スーパーサタデー』生出演。女性Dとアナの三浦茉莉さんからプレゼントをもらう。え?なんで?と一瞬首を傾げる。ゲストの須田慎一郎さんもエッ?という表情。オッサン連中はアカンで。ヴァレンタイン・デイなんて眼中にないんやから。チョコレート屋の陰謀に乗って…と言いたいところを堪えて笑顔でありがたく受け取る。須田さんが小泉発言分析。そうか。事前に竹中と秘密会談してたんか。計画通りの叛旗の狼煙なんやな。しかし麻生の次か何か知らんけど女性のKも作家の息子のIもどうなんかなぁ。カラオケ・マイク持ったら離さんでミニスカートで脚を組み替える女性も未だに野球は巨人と言いよった息子もシャーナイで。いろんなジャンルの日本人のレベルが堕ちたんやろけどなかでも政治家の堕落はホンマにヒドイでぇ。スポーツライティングの世界だけは優秀な人材が出てきてほしいなぁ。往復新幹線車中で小松裕『全集日本の歴史14「いのち」と帝国日本』熟読。日本は相手国の了解なしに軍隊を派遣したことがないナンテ宣うた輩に読ませたいなぁ。目から鱗の庶民の歴史。夕方佐吉と散歩。なんでこないに暑いのんやねん。
2月15日(日)
部屋に籠もりっきりで『ロマン派交響曲』仕事。まだ構成段階で執筆までいかん。書き出したら早いはず…と自分の気持ちを落ち着かせながら焦らず一歩ずつ…なんて思いながらひょいとアマゾン・ドット・コムを見てしまうとナニィ野坂昭如の選集なんちゅうのんが出てるやん。国書刊行会か。全然知らんかった。作家個人の選集や全集は三島由紀夫で最後と思てたけどコレは買うて読みたいなぁ。暇があるかなぁ。しかし欲しいなぁ。いま持ってる個人全集や選集は漱石・鴎外・龍之介・鏡花・荷風・潤一郎・幾多郎・賢治・三島・堀田善衛・安部公房・高橋和己・夢野久作・久生十蘭・澁澤龍彦・川崎長太郎・開高健・大江健三郎・中上健次・湯川秀樹・梅原猛・筒井康隆・色川武大(阿佐田哲也)・井上ひさし(戯曲集)・黒澤明(シナリオ集)・中里介山・清水邦夫・向田邦子・シェークスピア・ポー・ワイルド・ピンター・ヘミングウェイ(短編集)…やったかな。やっぱり野坂も加えたいな。読み切りたいな。コレだけ読めば他は要らんな。なんて思てたら仕事進まんまま晩飯オペラ劇場『ラ・ボエーム』。世界文化社の『オペラ名作鑑賞シリーズ』からトッレ・デル・ラーゴのプッチーニ音楽祭の湖上舞台。舞台が画家のパレットでバックにモジリアニの絵やなんかを映した演出はちょいと衝撃的。しかし人の動かし方が下手。これならブレゲンツ音楽祭の湖上舞台のほうが数段上。パヴァロッティで聴き直しとなってフレーニとのサンフランシスコ歌劇場の舞台も見る。やっぱりパヴァロッティとフレーニは格違いやな。おおっとギャウロフのコルリーネも凄い。昔の歌手は凄かったな…と言う歳になったんかな…。
2月16日(月)
朝佐吉と散歩のあと昨日から書き出したコラム2本完成して送稿。ふうー。そうか。日本の政治家はここまで堕落したか。というよりガキやで。酒飲んだか飲んでへんかなんて関係ない。ロシアとの交渉ではウォッカ飲まなあかんのやもんな。あの酩酊醜態を晒すような仕事のでけん恥曝しは即刻クビやで。俺がスポーツ&音楽ライターで政治記者でなかったのはつくづくよかった。俺があの席にいたら絶対靴投げてたもんな。ほな酩酊大臣はブッシュのように避けられへんで顔面に命中や。非難は記者(俺)に集まって俺は日本の恥を救えたかもしれんけど驚いたのは阿呆の総理がガキ大臣の首を切らんこと。そんなんアリか?日本はアカンで。百年に一度の未曾有の経済危機をアル中がどうにかしょうとしてるんやから。阿呆とガキと政治が家業の政治屋と子供のときから塾通いで学歴しか自慢でけん官僚が日本丸を沈没させよるで。とほほ。
2月16日(月)つづき
阿呆総理とガキ大臣に腹立てながらも個人的に喜ばしいコトなんかもあって原稿もしっかり書いて充実。新書は滞ってるけどシャーナイな。晩飯オペラ劇場は世界文化社の『決定版オペラ名作鑑賞9』からザンクト・マルガレーテン音楽祭の『カルメン』。なんちゅうデッカイ舞台や!ほんまにセヴィリャの街がそのまま出現してる。馬が出る舞台はようあるけど馬が走りまわる舞台はここだけやで。しかも歌手が歌も顔も演技も悪くない。ナディア・クラステヴァのカルメンは最高!この舞台はこの舞台でエエのんやけどやっぱり彼女のカルメンを普通の大きさの舞台で見たいと思うのは俺だけ?
2月17日(火)
朝佐吉と散歩&仕事。午後から西新宿へ。『東京ビッグトーク〜石原知事と議論する会〜こうして2016年東京オリンピック・パラリンピック招致を勝ち取る!!』に出席。少し早く着いたのでみのもんたさんと歓談。IOCに提出した風呂敷包み和綴じ和紙印刷の立候補ファイルを手にとって見せてもらう。なかなかのハイセンス。他の出席者は体操の森末慎二さんパラ競泳の成田真由美さん司会の魚住りえさんと石原都知事。漢字の読めない総理と酩酊大臣への苦言が都知事の口から飛び出すが爆弾発言はなく打合せのあと開会。「アメリカの国債を日本が買わされてシカゴで五輪開催はないですよねぇ知事」とふると「そこが大問題で運動はこれからが大変。1票を持ってるIOC委員の奥さんの趣味まで…」とちょいと危うい話に近づくがここでも爆弾発言はナシ。招致反対論が出たら論破しょうと思てたのに出ずに少々肩すかし。しかしエコと緑の東京2016の計画はようでけてまっせ。来ると国に活力も湧いて子供に夢も与えられてエエことづくめなんやどなぁ。会のあと文化放送のKクンと明日の打合せ。そのあと東京五輪招致を個人的に運動してるブロガーの皆さんの取材を受けて(なぜか森末さんと漫才みたいになって・笑)スポーツ・ナビの取材を受けて久しぶりに友人のY興業のT君と逢うつもりでいたら会社の会議で行けまへんねんとか。シャーナイな。『213』へ寄って帰宅。そうか。酩酊大臣は辞任か。当たり前やわな。おれがアシスタントで使おうと思た若者でも最初の打合せに「風邪ひいて休ませてください」でクビにしたもんな。ほかにもいろいろ充実した一日…かな。
2月18日(水)
野球文化學会のホームページが一新され充実したので本欄でも紹介しなければ…と思ったところへ元報知新聞運動部長で『週刊ベースボール』の編集長も務められ日本野球に関する著作を数多く書かれた田村大五さんの訃報。明るい方で俺が若かったときからお逢いするたびに「もっと書けもっと書け」と励ましてくださった。今年に入って大先輩の逝去が早くも3人目。マイッタナ。合掌。そのためというわけではないのですが原稿進まず。あらゆる方面の仕事に赤信号やがな。こらアカンで。マイッタナ。並行して仕事するのが下手なんやな。一つ一つ片付けんとあかんタチやな。根が真面目なんやな。あ。野球文化學会のアドレスはhttp://yakyubunkagakkai.web.infoseek.co.jp/index.htmlです。
2月19日(木)
コレを書いてるのは23日の月曜日。もう原稿に追いまくられてコノ日何をしてたんかわすれてしもたで。あ。原稿に追いまくられてたんや。それだけの人生か…。しかし晩飯オペラ劇場だけは憶えてる。ナディア・ミヒャエルの『カルメン』。ナポリ・サンカルロ劇場。ヴィーラント・ワーグナーの舞台のような何もない空間。衣裳の色が綺麗でナディアの妖艶な歌い方もよかったけど彼女はこの(2000年の)カルメンより2008年のサロメのほうが凄い。何しろスリップ姿で全裸の(フリチンの…って書かんでもええのんやろけど)血まみれの首切り役人に抱きついて血まみれになって歌たんやもんな。以前紹介したから写真は出しませんけど女性は歳をとるほうが妖艶で魅力的になるもんですな。そういや俺が今でも最高の美人と思てるレニ・リーフェンシュタールは逢うたとき90歳やったもんな。
2月20日(金)
大阪へ。新幹線車中で小松裕『全集日本の歴史14「いのち」と帝国日本』(小学館)ようやく読了。明治時代のナマナマしさが面白く勉強になった。続けて1巻前の『文明国をめざして』読み出す。これまたナマナマしい明治維新期の描写。そうやわな。当時の戦争は残酷やわな。廃藩置県もお役所仕事でできるこっちゃなかったわな。知らんことがまだまだイッパイあるな。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。ヤッパリ政治が話題になる。酒を飲んだことがイカンのやのうて醜態曝したのがイカンのやで。弱いのに呑んだらアカンで。番組終了後元Pと天満の揚げ物屋へ。「かまぼこ」とかなんとかいう店やったけどメチャメチャ旨かった。ホテルに入ってNHK芸術劇場でデュダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オケ(蔵出しノンジャンル参照)の来日公演を見聴きする。俺がナマで聴いたのはマーラー。この中継録画はチャイコフスキー。どっちも素晴らしい演奏!音楽が大好きな若者の演奏はエエなあ。アンコールは例によってラテン音楽。素晴らしかったけど俺がナマで見た東京フォーラムではベネズエラ国旗カラーのジャンパーに着替えたのにコノ池袋では着替えよらへんかったんか。まぁどっちゃでもエエけど。演奏は最高や。大阪泊。
2月21日(土)
朝MBS『せやねん!』生出演。トミーズの健さんに「ひさしぶりですねぇ」といわれ自然に「せやねん」と答える。けったいなタイトルやで。中味はオモロイけど。ゲストのスポニチ大阪の運動部長さんと少々意見交換。大阪のプロ野球の話題は首都圏と全然違うなぁ。帰りの新幹線で日本の歴史はちょっと脇に置いて茂木大輔『こうしろ!未来のクラシック』(ヤマハ)読み出す。メッチャおもろい。その通りヤンと思うことが過激な意見に響くほどクラシック界はオカシイちゅうこっちゃな。帰宅して晩飯映画劇場にしょうかと思たけどナンカしんどいので気楽なオペラにする。『セビリャの理髪師』ネーデルランド歌劇場の舞台。エエ舞台やな。色も綺麗し踊りも面白い。ロッシーニの音楽は疲れた身体と心にエエなぁ…と思いながらも原稿書きになって途中で見るの止めて机へ。とほほ。
2月22日(日)
朝から晩まで書きまくり。しかしオモシロイもんで辛い原稿が書くうちにノリまくってくる。こうすりゃオモロイで。いやこない書いたほうが読者が驚くで。いやいや。思い切ってアノ手を使たれ。などと格闘するうちにヨッシャ完成!と万歳したら夜。鬱病についてのNHKスペシャル見ながら晩飯。俺は鬱にだけはならんやろなぁ…と思いながらも溜まりに溜まってる原稿のことを思うと少々鬱に。シモタ。こんな番組見んとロッシーニの続き見て笑とったらよかった…と思いながら机に戻って原稿の推敲。気づけば深夜。それでも風呂に入って読書。日本の歴史はオモロイで…と思いながら寝る。疲れた。いやはやこの日記4日分書くのに疲れた。所要時間20分か。自慢やないけど書くのは早いな。イヤ書き殴るのは早いな。単行本も雑誌の原稿も書き殴ったろかい…という気になるけどソウイウ気になるだけで実際には書き殴れまへんわな。推敲に時間がかかりますわな。肉体労働でんな。シャーナイな。字を書くのは嫌いやないんやから…。
2月23日(月)
佐吉と散歩も行かずに原稿書き。そうか。『おくりびと』がアカデミー賞とったか。まだ見てへんけど滝田洋二郎監督ならオモロイやろ。俺は『僕らはみんな生きている』が大好きやな。しかし日本映画が外国語映画賞初受賞やて?アメリカ人は見る目がないな。まぁ賞をもろて素直に喜ぶのんは悪ないやろけどアメリカのアカデミーに誉められてそないに喜ぶか?WBCも似てるで。そうか。ダニー・ボイル監督もいろいろとったか。『トレイン・スポッティング』でええわ。原稿は長いのが1本仕上がったけど…全然片付かんな。マイッタナ。ふらふらやで。気分転換に晩飯食いながらロッシーニ『セビリャの理髪師』。ほんまにメチャメチャ面白い舞台…と思たら演出がダリオ・フォーや。ロッシーニの『ラ・ガゼッタ』の演出も凄かったけどノーベル文学賞とってる人はロッシーニが好きなんかな。そういや村上春樹の小説にもロッシーニ聴きながらスパゲッティを茹でるシーンがあったな。あ・村上春樹はノーベル文学賞まだやったな。イスラエルでの演説は見事やったけど。
2月24日(火)
佐吉と散歩はしたけど『ロマン派の交響曲』には手がつかず。今週2本のコラムの締切を先に片付ける。ヨッシャ。これで明日から書き下ろしや!と思てWBC日本代表(侍ジャパンとはいいにくいな)のオーストラリアとの練習試合見る。あかんで。相手が弱すぎるで。ダルビッシュ何で代えたんやろ?原監督は何の実験をしてるのかようわからんな…と思てたら次女がBF連れてくる。そうか。XXするのか。まぁ勝手にせい。長女も負けんと早よせえ。カネぐらいどうでもしたる。言うだけはタダやもんな(家庭内で問題になりましたので一部伏せ字にしました・笑)。
2月25日(水)
朝ラジオ2本。WBCについて。アメリカ(MLB)の主催はオカシイデという話。将来MLBに日本野球が乗っ取られたあとになって第一回の優勝が「真珠湾奇襲成功」のように語られませんように…。さぁ『ロマン派の交響曲』の執筆…と思たらドカッと『和をもって日本となす文庫改訂版』の校正。トホホ。マイッタナ。書けば書くほど仕事が増えるで。字ぃ読みっぱなしの一日でクタクタ。WBC練習試合見る。久しぶりの野球観戦はヤッパリ楽しいけどオーストラリアは弱すぎるで。日本の攻撃も雑すぎるで。最低の試合内容で本番が心配やで。それに写真撮るときにバッターに向かってフラッシュ炊いたらアカンで。それでも野球ファンかいな?あ。単なるフィーバー・ファンか。真珠湾奇襲成功の結果か?再度仕事机に向かってくたくたになって屁ぇこいて寝る。
2月26日(木)
毎日新聞のコラム1本仕上げて『和を持って日本となす文庫改訂版』の最終校正作業と「訳者あとがき」執筆に丸一日。改訂版やから仕事は早く終わると思てたのが甘かった。本を一冊まとめるというのはやっぱりエライ作業です。またそのくらい気合い入れてやらんと読者に失礼ですからね。おまけに4月からツキイチで名古屋で始まる3回シリーズトーク『カルメン』のパンフレットの原稿を忘れてた。連絡もらって慌てて書く。ふううう。マイッタナと思いながらテレビのスイッチをひねるとNHK-BSで桂三枝師匠の彦根ライヴ。三枝師匠の創作落語はホンマに秀逸。メシ食いながらチャンネル回すとBS-hiでアマゾンの最後の石器人とかいうヤノマミ族のドキュメンタリー。森の中での出産とか男たちのバク狩りの様子とか子供の猿狩りとか凄いドキュメンタリー。しかし男どもの履いてた派手なパンツはどこで手に入れたんやろ?そういえば髪の毛のカットがモダンすぎるで…とかちょいと気になる。机に戻って深夜まで仕事。ふううう。
2月27日(金)
カリフォルニアのロバート・ホワイティングさんからメールの返事。こっちの校正が正しかった部分もあったけど翻訳ミスで読み違えてた部分もあった。英文法は難しいで。これで角川関係はAll FINISHED!他の出版社の皆さんお待たせしました。次の仕事やりまっせぇ…と思いながら東京へ。『婦人公論』の企画で東京五輪2016招致の座談会。司会は麻木久仁子さん。そうか。麻木さんは子供時代体育嫌いやったんか。マスコミで働いてる人には多いな。勉強のほうが得意な人が。座談のもう一人は『オリンピック物語』(中公新書)著者の結城和香子さん。読売新聞の記者でIOCの取材をよくしてる。いろいろ勉強させてもろた。座談会のあと汐留へ。旨いイタリア料理のレストランがあるというので朋友のS社長が誘ってくれる。たしかに旨かった…ちゅうかイタリアまんまの味。せやのにナンデ来週で閉店やねん?汐留はあんまり人が来いひんのか?気取りすぎなんかな。社長さんのクルマで家まで送ってもらう。持つべき友は社長やで(笑)。
2月28日(土)
朝佐吉と散歩のあと東京へ。NHK山形のラジオの取材を受ける。テーマはもちろん今シーズンからJ1に昇格したモンテディオ山形。最下位候補らしいけど頑張ってほしいな。そういや昔全国サポーターズ会議の時に山形のサポーターが「J2のことを地獄といわないでください」というてたんが素晴らしかったな。Jリーグは頑張ったら上に上がれるのがエエな。それがスポーツの基本やわな。プロ野球もイースタンやウエスタンや独立リーグを皆自立さして入れ替え戦したらオモロイで。スポーツならそうしなアカンで。独占事業のままでは先細りやで。取材受けた後名古屋へ。栄中日文化センターで『オペラ講座』。フランス文学とオペラがテーマでまずはボーマルシェについて。フランクリンと親交がありアメリカ独立革命にもフランス革命にも関わった破天荒男の『セビリャの理髪師』の名舞台をちょっと鑑賞してからメリメの『カルメン』。コレは何度も取りあげてるので今回はちょっと捻ってオスカー・ハマーシュタイン2世リメイクの『カルメン・ジョーンズ』。ビゼーの音楽はほとんどそのまま。ドン・ホセはアメリカ兵でカルメンは兵舎厨房の従業員。エスカミーリョはボクシングのチャンピオン。巧いことできてる。ジョー(ホセ)役のハリー・ベラフォンテは流石。『花の歌』も見事。自分も講座を楽しんだあと帰鎌。車中は『全集日本の歴史13幕末から明治時代前期〜文明国をめざして』(小学館)。なるほど「維新」はタイヘンやったな。いまの盆暗政治家では務まらんかったな。帰宅後NHKで『白洲次郎』のドラマを見る。戦前もタイヘンやったな。いまの盆暗政治家どもでは…。岸部一徳さんの近衛首相はよう似てるな。俺の小説のドラマの時に父親役やってもろたんで他人とは思えへんけど最高の役者さんやな。
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