4月1日(金)
April fool's day「萬愚節」と言うらしい。昔は「四月馬鹿」と言いましたね。昔ラジオで鎌倉の「義経桜」の話をしたことがありました。兄の頼朝を恨んで鎌倉の洞窟の天井から下に向かって生えているのが義経桜だと…。今朝の東京新聞特報部の記事は見事でした。徳川の埋蔵金だかM資金だかわからないが東京五輪前の新国立競技場の建設時に地中から大量の金塊が見つかっていて東京都や五輪組織委や強欲男爵まで乗り出してきてコノ「五輪のレガシー」を奪い合ってるという話。莫大な五輪赤字を思い出させる萬愚節のイイ説話ですね。
4月2日(土)
サッカーの日本代表はカタールでのW杯でE組=ドイツ/スペイン/コスタリカ&ニュージーランドの勝者と当たることになりましたね。どの組に入っても簡単にグループ・リーグを突破できるワケなんてないので試合を見るのが楽しみな組に入りましたね。サッカーのW杯はサッカーをやるためにあるところが素晴らしいですね。スポーツを思い切りやろうとすればスポーツの良さが滲み出て自然に反戦平和&差別反対にもつながるものです。オリンピックのように世界平和とか何とかゴチャゴチャ理想論を言って結局は大国の国威発揚と商業主義だけが浮かびあがるよりは純粋にスポーツをやるほうがイイですね。
4月2日(土)つづき
朝ベッドから出て満開の桜の下を黒兵衛と散歩。この美しい桜の樹の下に血塗れの屍体が埋まっているから桜の花は美しい桜色の花を付けると書いたのは梶井基次郎だったか。だったら檸檬の樹の下には何が?黄色の鸚鵡の屍骸かな?坂口安吾の満開の桜の森の満開の下も山賊と般若(女鬼)の凄い物語ですねなどと思いながら散歩を済ませて帰宅すると共同通信から電話。サッカーW杯について。組み合わせは日本のサッカーにとって最高のグループで今から見るのが楽しみ。オリンピックが世界平和をタテマエに肥大化と金権主義に堕しているのに較べてW杯はサッカーをやることに徹して結果的にスポーツの力(平和な世界の交流)を生み出しているのは美事といったことを語る。スポーツに妙な意味を持たして利用するのは(高校生の教育とかのタテマエでじつは新聞販売が目的だとか)よくないですね。電話取材を受け終えて湘南新宿線で新宿へ。幡ヶ谷社会教育館という施設を借りての日本スポーツ学会と『スポーツゴジラ』の企画で札幌大学岩本和久教授のZOOM講演『ロシアのスポーツ』を約40分聞いたあとインタヴュー。この岩本教授の話が目からウロコでメッチャ面白かった。プーチン以前からのロシアという国家のスポーツ利用が十分にわかった(ロシアにはKGBや秘密警察から生まれたサッカーの人気チームもあるのですね)。プーチンは健康志向で飲酒喫煙を否定しスポーツを奨励し結局ドーピングに行き着くというのはヒトラーと同じですね。同時にそんなプーチンを批判する映画が数年前に早くも作られているのもロシアの面白いところですね。メッチャ面白い講義のあといくつかインタヴューさせていただいて終了。岩本教授の『ロシアのスポーツ』の講義は近々日本スポーツ学会の『スターセミナー』講座で公開されます。https://www.sports-gakkai.jp/
4月2日(土)つづきのつづき
札幌大学岩本和久教授のメッチャ素晴らしい『ロシアのスポーツ』の話を伺ったあと新宿から横浜を経て新横浜へ。長女の仕事の関係でいただいた横浜Fマリノスの30周年記念試合を見るために長女とヨメハンと待ち合わせて日産スタジアムへ。マリノスの相手はFC東京。久し振りのサッカー観戦は面白かったけど少々寒すぎた。いいプレイが連続して盛りあがると寒さも忘れるけど少々寒さを感じる試合で後半は風邪をひかないよう燗酒を飲みながら観戦。試合結果は2-1でマリノスの勝利。30周年記念試合と言うことで試合前に火を使ったど派手な演出やブラスバンドの生演奏などもあったがもう少し丁寧な試合に関する場内アナウンスや会場の交通案内などやるべきファンサービスがあるようにも思えましたね。Jリーグが生まれて30年。サッカーファンも増えてサッカーをよく知ってるファンだけを相手にしているようではいけないのでは…?と老婆心が働く。日産スタジアムはオープニングの日韓戦やW杯決勝のブラジルvsドイツ戦も含めて何度も通ったけど広いスペースに歩き疲れて少々歳を感じてしまったのは初めてだったなぁ(>_<)
4月3日(日)
昨日の疲れがあるので一日ゆっくりの日曜日。ベッドの読書もシャルル・ペローの『長靴をはいた猫』(大和書房)なんてのを持ち出して読む。これは「夢の王国全7巻」として発行されたうちの一巻で絵本作家の片山健の挿絵が美事。翻訳は澁澤龍彦で初出は雑誌『anan』。1970年創刊時の『anan』は高レベルだったですね。夢の王国シリーズも他の執筆者は唐十郎・稲垣足穂・天沢退二郎・別役実・草森紳一…。活字文化の元気なときでしたね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。ペローの童話は『青髯』も『サンドリヨン(シンデレラ)』も『眠れる美女』も『赤頭巾』もどこか不気味で面白いですね。「あとがき」では澁澤龍彦が赤頭巾や眠れる美女に関するエーリッヒ・フロムのセクシュアルな精神分析を紹介してます。赤頭巾の赤い色は《メンスの象徴》で眠れる美女が紡錘竿で手を傷つけるのは《クリトリス・オナニーの罪の象徴》だそうです。ふうううう〜ん…ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日ペローの童話の続きを読んだり資料の整理&明日の『オプエド』の準備。ゲストは青島健太さんと福島良一さんで思い切り野球の話。それにしてもタイガースが勝てないなあ。昨晩日産スタジアムでサッカーを見たあと道路を歩きながら電話で「なんやねん!また負けたんかいなぁ!」と叫んでいた女性がいましたがこーゆー人は絶対に純粋タイガース・ファンの関西人ですね。
4月4日(月)
朝ベッドのなかでシャルル・ペロー/澁澤龍彦・訳『長靴をはいた猫』のなかにあるあまり有名でない話『仙女たち』『巻き毛のリケ』『驢馬の皮』読む。どれも面白い。内容は『今昔物語』や『宇治拾遺物語』にもありそうな童話。強欲な娘が人生に失敗するとか…美人のお姫様が自分の馬鹿さ加減に悩んで最後は理解のある恋人に救われる…とか。魔法使いの女性はよく出てきますがすべて「仙女」と訳されてますね。古い感じもしますが三省堂の『新明解国語辞典』にも出ていて《せんじょ【仙女】女の仙人(魔法使い)。せんにょ》とあります。そこで仙人を調べてみると《せんにん【仙人】山中で修行し不老不死の術を得て神通力を持つと言われる人。(無欲で世間離れした人の意にも用いられる)》とあった。ちょいと「女性差別的」かなとも一瞬思ったけど女性のほうが修行などしなくても魔法使いになれるから男性よりも上かな?とも思える。まぁエエか。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。そういえば『長靴を履いた猫』の片山健氏が描いた美事な挿絵を澁澤龍彦氏が《ダヤン将軍のように片目に眼帯をしている》のが《大いに気に入っている》と書かれていた。懐かしいなぁ。イスラエルのダヤン将軍。『ゴルゴ13』の読者ならわかりますよね。ワン。イロイロ準備して打ち合わせして夕方から「ニューズ・オプエド」リモート出演。今日はベースボール特集だけどサッカーW杯の組み合わせのことも取りあげるので大住良之さんに冒頭だけリモート出演していただく。W杯で勝敗を左右する最も大事な要素は選手のコンディショニングという指摘に納得。野球特集は青島健太さんと福島良一さんにイロイロ思い切り話していただく。青島さんのタイガース矢野監督発言に対する分析(選手のやる気が失せたというより選手にに力みと迷いが生じた)や福島さんの新庄BigBoss監督分析(バレンタイン監督のやり方の影響を受けて踏襲している)などオモシロいう話がイッパイで小生も楽しませてもらう。番組終了後晩飯&ウクライナ・ニュース&風呂のあとNHKで『映像の世紀』を見る。「モハメド・アリ→メキシコ五輪でのブラックパワー・サリュート→黒人初の大統領オバマ」という構成は非常に面白かったです。
DVD |
|
『殺人狂時代』 街で一人を殺せば殺人者。しかし戦場で大勢を殺せば英雄というチャップリンのメッセージがウクライナで繰り返されてるのか?
|
BOOK |
|
弓狩匡純『社歌』文藝春秋 イロイロ感心する情報の詰まった一冊。?流せ流せウンチを…という東陶の社歌には感激しました。
|
4月5日(火)
朝ベッドのなかで読んだ本にこんな詞(詩)があった。《遙かな空に虹をかける者よ まなざし高くさきがける力よ この惑星(ほし)の未来の為に 歴史をこえてつらぬく真実(まこと)あふれる勇気よ あふれる若さよ》よくわからない詩(?)だが次のように続く。《おう電通人と人を結ぶ おう電通夢と夢を結ぶ おう電通今日と昨日を結ぶ おう電通今日と明日を結ぶ》これは株式会社電通の社歌。新井満・作詞/加藤和彦作曲で出典は弓狩匡純『社歌』(文藝春秋)。『国のうた』という国歌を集めた面白い本を出した著者はこんな面白い本も出していて《「おう電通」という歌詞には"体育会系"のノリが感じられる》と解説されている。他にも川崎重工・松下電器・資生堂・トヨタ自動車など41社の社歌が紹介されている。ちなみに集英社の社歌は井上靖・作詞/黛敏郎・作曲。日本電機(NEC)は北原白秋&山田耕筰。その他谷川俊太郎・岩谷時子・野坂昭如・芥川也寸志・いずみたく・つんく・吉田正・古関裕而など超有名人がズラリと顔を並べていて興味津々大笑いしながら(失礼)イロイロ読んでしまった。なかでもケッサクは作詞作曲不明のTOTO(東陶機器株式会社・前身は東洋陶器)の社歌《T・O・T・O(ティーオーティーオー)TOTO(トト)べんきT・O・T・O TOTOべんき 流せ流せ流せ流せ 流せぼくらのTOTO(トト)べんき でっかいうんちちっちゃいうんち おしりをふいたその紙も 流せ流せ流せ流せ 流せぼくらのTOTOべんき TO・TO(トートー)TOTO(トト)べんき》ぶっとんでるこの歌詞を社歌として社員全員で月曜の朝礼などで歌うのかな…などと思っていたらこの歌の素晴らしさが解説してあった。《トイレに行くのを恥ずかしがって体調を崩してしまう子供や潔癖症が徒(あだ)となって学校のトイレには行けない子供を持つ母親たちからの予想を上回る反響の大きさには同社も正直驚かされた。子供たちは(略)この歌を口ずさみ踊りながらトイレに向かう》ようになったとか。あまりに面白い本にベッドのなかで笑い転げてしまった。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。笹川スポーツ財団から『スポーツ歴史の検証 オリンピック・パラリンピック東京2020大会』という題名の本がB5版とA4版の2冊届いたので読み始める。東京オリパラ万歳の本かと思いきや「オリンピックと政治が抱える矛盾」「電通オリンピック」と言ったタイトルもある。『オプエド』に出演してくれている佐野慎輔さんや星野恭子さんも執筆。読まねば。政府とマスメデイアは東京2020の検証をしないですねえ。スポンサーは祭が終わればすべてよしなのかな?晩飯時にウクライナ関連のニュース。チャップリンが映画『殺人狂時代』で綴った言葉を思い出す。《町で一人の人間を殺せば殺人者だが戦争で大勢殺せば英雄だ》今は21世紀。この国家による大犯罪の落とし前はどうつけるのか?とりあえずプーチン宮殿をピンポイント爆撃するというアイデアはナンセンスなのかな?
4月5日(火)つづき
数日前の本欄にプロスポーツや芸能界とヤクザの関係を教えてもらったと書いたばかりの宮崎学さんが亡くなった。享年76。宮崎さんからいただいた小さな「狐眼クラブ」の「狐眼バッジ」の前で手を合わせる。多くのピンバッジを飾ってるなかの1個だが久し振りに見ると銀色だった「狐眼バッジ」が黒ずんでいる。2個の丸い眼は真っ赤なまま。「これは純銀とルビイでウン万円するんやぞ」と笑顔で言いながら全日空ホテルの喫茶ルーム(そこが彼の仕事場だった)で小生のブレザーの襟にその純銀の狐眼バッジを付けてくださった。銀錆の様子からすると本物の銀かもしれない。そのとき「グリモリ事件(グリコ森永事件)はホンマに宮崎さんがやらはったんでしょう?」訊くと「ホンマにやった奴はやってへんとしか答えへん。やってへん奴もやってへんとしか答えへん。そやから意味ない質問するなよ」と笑われた。私は彼の著作のなかでは『突破者 戦後史の陰を駆け抜けた五〇年』(南風社)や『万年東一』(角川書店)も面白かったけど『近代ヤクザ肯定論 山口組の90年』(筑摩書房)が最高傑作だと思っています。合掌。
4月6日(水)
70歳の誕生日。「古来稀(こらいまれ)」で「古稀(こき)」と言うらしい。がソレは数え年のことのはず。ならば去年の正月に既に古来稀な歳に達しているはずで特に感慨無し。仕事をせねば。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介 Grooooow Up』ZOOM出演。田畑アナの御家族に不幸があったとかで坂田周大アナがピンチヒッター。小生はロシアの五輪休戦を無視したウクライナ侵攻を取りあげてスポーツと戦争(軍隊)の意外と密接な関係を話す。1964年の東京五輪の開閉会式で各国のプラカードを手に入場したのはどんな人?と訊いてやはり若いアナウンサーたちは答えられなかった。正解は防衛大学の学生。開会式では国立競技場外の神宮外苑で自衛隊が祝砲として大砲をぶっ放しました。去年の東京五輪でも今年の北京冬季五輪でも開閉会式での国旗や五輪旗の掲揚などは自衛隊や人民解放軍の儀仗兵がやりましたよね。あ。五輪競技に射撃が入っているのはクーベルタン男爵がピストル射撃が大好きだったからというのを話し忘れてしまった。けどスポーツの場から軍事色は一切消滅させるべきですよね。ワン。黒兵衛と散歩。桜吹雪で小さな公園や道路はピンクの絨毯が綺麗。ワン。終日デスクワーク。書き下ろしスポーツ論がナカナカ捗らん。しゃーないなー(>_<)。晩飯はヨメハンと二人でフランス人のお隣さんからいただいた美味しいシャンパンで乾杯。古稀なんてめでたくもナシ春の宵。ウクライナの人たちのことを思えば喜んでもいられませんね。
4月7日(木)
『社歌』を読んでいたら飲料の「カルピス」という名前はサンスクリット語のサンスクリット語の「サルピルマンダ(醍醐味)」から「サルピル」「カルピル」などが考えられていたが音声学の権威でもある作曲家の山田耕筰が「カルピス」が歯切れよく発音しやすいとして命名したという。こういう何の役にも立たない知識は面白くて良いですね。「ナビスコ」がNashonal Biscuit(ナショナル・ビスケット)の略でIBMがInternatinal Business Machineの略であることを思いだしてベッドから出て「ヤクルト」の意味を調べる。するとエスペラント語でヨーグルトを意味する「Jahurto(ヤフルト)」から作られた造語だとわかった。ふ〜ん。ワン。黒兵衛と散歩のあとチョイと仕事して新しくお世話になる脳神経外科&リハビリの病院へ。コレまで行きつけにしていた病院がチョイと遠いので紹介状をもらってヨメハンの世話になっている少し近いところの病院に変更。江ノ電に乗らず江ノ島と海が見えなくなったのは少々淋しいが近いほうがイイですね。最初ということでMRIや血液検査も。MRIって耳の近くで工事現場のような音がガンガン響くのですね。鼻歌も歌えなくてマイッタ。9年前に脳出血した跡はエコー検査では綺麗に消えていたと思っていたのにMRIでは痕跡が残っていたことがわかり他の箇所でも身体機能には異常を来さない程度の小さな脳出血の跡が発見される。煙草をバカバカ吸っていたかなり昔の跡らしいけど知らぬが仏ですね。午後からいろいろデスクワーク。晩飯はBS-TBSの『報道730』を見ながら。ゼレンスキー大統領やウクライナ政府幹部とも交流のある神戸学院大学の岡部芳彦教授のウクライナ情報が新鮮で良かったですね。ウクライナ東部の親露派勢力というのはウクライナ人ではなくほぼロシアの軍隊だそうです。
4月8日(金)
ベッドのなかで少々調べもの。ヴェーリンガー『スポーツの文化史』(法政大学出版会)を読み直す。それによると近代オリンピックではモーターボート競技が2度行われ公開競技としてオートバイや自動車レースや水上スキーも行われ飛行船レースも計画されたらしい(ツェッペリン飛行船の事故で計画は中止されたらしい)。コロナ禍のなかでの五輪で「五輪はやるけど二輪や四輪はダメなのか?」と言った人がいたけど現代に於けるオリンピックのスポーとは何か?を考えるうえで参考に。ワン。黒兵衛と散歩のあとMLBの開幕で大谷翔平の二刀流をテレビ観戦。さほど調子が良くないなかで5回途中1失点9奪三振は美事。とは言えウクライナが悲惨な状態のなかでの遠く離れた場所でのスポーツというのはゴルフのマスターズも含めてチョイと引っかからないでもないですね。映画『渚にて』では第三次世界大戦の核戦争のなかでまだ死の灰に襲われていないオーストラリアで自動車レースに興じるシーンがありましたね。人間とはそーゆーもんでしょーか?しかし野球は試合時間が長いなぁ。午後はイロイロ仕事をするなかで来週月曜の『ニューズ・オプエド』のゲストを決定。産経論説委員で尚美学園大客員教授の佐野慎輔さんと成城大学教授の山本敦久さん。「戦争とスポーツ」をテーマに思い切り話してもらいます。やっぱりそっちのほうが今のスポーツのテーマですよね。晩飯は『チコちゃん』見ながら。ネエネエ岡村ぁ…何故人間は戦争をするの?なんてチコちゃんは訊かないのでしょうね。ソビエト時代に二度旅行してお世話になったロシア人の通訳や運転手の人は本当にイイ人ばかりだったけど…ウクライナの惨状は見ていられないですね。
4月9日(土)
ベッドのなかの読書は先週土曜の札幌大学岩本和久教授のZOOM講演『ロシアのスポーツ』のプリントアウト。思わず笑う中味も多く《エリツィンの時代は「酒呑みの時代」だったけど禁酒マッチョ派のプーチンで健康志向が強まり酒飲みは激減》したとか。そう言えばヒトラーも禁酒主義者でしたね。健康志向のプーチンの時代にロシアのアスリートのドーピングが進んだのは面白い現象ですね。マッチョ志向のハリウッド・スターも健康的な顔をしながらドーピングしてますからね。健康というのは太く短い人生ということかな?そう言えば三島由紀夫も太く短い人生でしたね。小生と同い年のプーチンはどうかな?70歳は長寿の部類?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。近頃は録音された音声の言葉やZOOMで保存された映像での発言などは機械的に原稿にしてくれるのですね。速記起こしの仕事は撲滅?国会での速記者はまだあるのかな?きっと残ってるのでしょうね。今も委員会なんかで椅子から起ち上がってマイクまで歩いてきて答弁するなどという古臭いことをヤッテル世界ですからね。あ。消費税を上げるときに約束したはずの議員定数の削減はどーなったんでしょーねー?イロイロ仕事したあと晩飯前にTBS『報道特集』。ロシアの日本大使も「キーウ郊外ブチャでの民間人殺害はエストニア政府の自作自演のフェイクニュース」と真顔で言うのですね。驚きました。戦争は人間を阿呆にするのですね。いや。戦争だけでなく政治や組織がそれを強要して従う人が出るケースはママありますよね。晩飯後に録画していたNHK『アナザー・ストーリー三島由紀夫』を見る。三島が今も生きていたら天皇主義者のままでいたかな?平成以来天皇(現上皇)のほうが自民党よりもリベラルですからね…。
4月10日(日)
ううわあああああああああ…仕事してる最中にメチャメチャ凄いニュースが飛び込んで切ったあ!千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手がナント!!オリックス・バファローズ相手に完全試合!!パーフェクト・ゲーム!!しかも!!13打者連続奪三振の日本新記録まで達成!!こんな凄い記録は比較するべき記録がないですね。とにかく凄い!
4月10日(日)つづき
佐々木だけでなくキャッチャー松川との「恐れ知らず若者コンビ」が凄い!!ですよね。いやぁ佐々木朗希投手は本当に凄かったけど今夜のNHKスペシャルの望月新一教授のabc予想のドキュメンタリーも凄かったですねえ。世の中唖然とすることは多々あります。でも戦争だけはいけません。何とかしないと。あ。完全試合というのは守っていた野手も全員特別表彰されるはずですよね。そう言えば広島の外古葉投手が完全試合をしたときは9回二死で三塁を守っていた衣笠さんは脚が震えて打球が飛んでこないことを願ったそうです。
4月10日(日)つづきのつづき
誰も指摘しないけど佐々木朗希投手の13打者連続奪三振は梶本(57年阪急)&土橋(58年東映)の9打者連続奪三振を上回ったけれど江夏(阪神)のオールスター戦15打者連続奪三振には惜しくも及ばなかったのですよね。オールスター戦では投手は最長3イニングシア投げられないので江夏投手は1970年のオールスター戦で5打者連続奪三振。71年1試合目に9打者連続奪三振のあと3試合目にも登板して1奪三振。合計通算15打者連続奪三振。16人目の打者野村克也(あの野村監督)にチョコンとボールにバットを当てて2塁ゴロで連続記録はストップ。この記録阻止の仕方は巨人の江川投手が1984年のオールスター戦で8打者連続奪三振を記録したときの9人目の打者大石大二郎(近鉄)がチョコンと二塁ゴロを打ったときとまったく同じ阻止の仕方でしたね。オリックス・バファローズの打者がそーゆー打ち方をしなかったのも気持ち良かったですね。今年はソフトバンクの甲斐が西武相手に三重殺打を記録してしまうなどイロイロ記録が生まれそうな気配。ならば日本のプロ野球で過去に一度しかない無補殺三重殺(一人の野手が3アウトすべてを記録するトリプルプレイ=1967年阪急住友二塁手が一度だけ)が見てみたい。
4月11日(月)
ベッドのなかでも昨日の佐々木朗希投手の大記録の興奮がまだ続いてる(笑)。これぞ野球の醍醐味。最高の素晴らしさですよね。野茂投手の取材でロサンジェルスのドジャー・スタジアムに足を運んだとき。彼は3イニングをパーフェクトに押さえた。記者席にいた小生は興奮して前の席にいた佐瀬稔さんの背中を突っついて「見れるかも知れませんよ。凄い記録が!」と言うと佐瀬さんは「今頃バカヤロー。俺は前の2回の3者凡退から完全試合だ!と興奮してるんだ!」するとその隣にいた日本の某TV局のディレクターが「こんなに早くから興奮して…あんたらはシロートか」と鼻で嗤った。俺たちはこのシタリ顔で気取った馬鹿を阿呆かと無視した。野球の興奮に参加できない人間が読者や視聴者にその面白さを伝えられるわけがないですよね。こういう馬鹿なマスコミ人はジャーナリストとして野球(スポーツ)がどうあるべきかということも主張できないのですよね。そんなことを思い出してベッドから出て黒兵衛と散歩。ワン。桜は散って半分葉桜。青葉の季節はもうすぐですね。ワン。いろいろデスクワークのあと夕方から『ニューズ・オプエド』。ゲストは尚美学園大学教授の佐野慎輔さんと成城大学教授の山本敦久さん。佐々木朗希の大記録快記録第快挙を3人で喜びながら分析解説。さらに村田諒太とゴロフキンの名勝負をボクシング経験者の山本敦久さんが名解説。暴力を非暴力化して技術の優劣を競うゲームにしたのがスポーツなんですね。山本敦久さんは最近岩波書店から『アスリートたちが変えるスポーツと身体の未来:セクシュアリティ・技術・社会』という本を上梓された。南アのセメンヤ選手の「性の問題」などを取りあげた著作だとか。早く読みたい!ついでに(失礼!)マスターズの話題に引っかけてゴルフダイジェストから出た『ゴルフ3分間教養』という本も紹介。『オプエド』の主催者である上杉隆もアフガニスタンのカブール・カントリークラブを取りあげてスポーツと戦争の関係を書いてますからね…と紹介して『オプエド』後半は「五輪休戦決議」を無視してウクライナに軍事侵攻したロシアをIOCはどう処分すべきかという話題を語り合う。やはり選手たちが中心となってIOCとは異なる国際スポーツ組織を創らなきゃダメ…という山本氏の提案を深掘り。佐野氏は国連やユニセフとの提携も視野に…とかイロイロ有意義な話。今も視聴可能なので見て聴いてください。https://op-ed.jp/晩飯は『クローズアップ現代』でゴロフキンと闘ったあとの村田諒太へのインタヴューを聴きながら。この人物はすばらしですね。ゴロフキンも素晴らしい。モハメド・アリも。ボクシングは素晴らしい人物を大勢輩出しますね。他のスポーツでも?それはスポーツの力?それともアスリートの力?『ゴルフ3分間教養』の本の宣伝文にシェイクスピアもゴルファーだったと書かれていたけどスポーツはシェイクスピアよりも…ベートーヴェンよりも…キリストよりも…世界に広がった文化なんですよね。いろいろ考え直さねば…。
4月12日(火)
昨晩寝る前に孫が日本の神話を漫画で読みたいと言っていたのを思い出して石ノ森章太郎の『古事記』(中公文庫)や『マンガで読破 日本書紀』(イーストプレス)をベッドに持ち込みチェック。何しろ神話はエロいですからね。小学生に大丈夫かなと思って読むと…まぁまぁ…もう5年生だからこの程度は大丈夫だろう…と思いながら読むうちに『水木しげるの古代出雲』(角川文庫)があるのを思い出し本棚に取りに行く。出雲の側から見た大和側から見たのではない神話だけどコッチのほうが面白い。今度遊びに来たときに渡してやろうと思いながら朝ベッドから出て黒兵衛と散歩。ワン。桜のピンクもまだ残っているけど葉桜の緑が割合を増して春の陽気になってきましたね。昨日の『クローズアップ現代』でボクサーの村田諒太さんが桜の「美しい花」を見ながら「幹の太さ」の素晴らしさを語っていたのはサスガでしたね。「この太い幹で栄養を吸い上げないと美しい花は咲かない」と。ワン。イロイロ書きかけの単行本のまとめ直しの作業を企画書にして某編集者に送ったところが「面白い!」とお墨付き。よし…このセンで纏め直しましょう。ウクライナとロシアはどーなるのかな?国連と中国は…?そして日本は…?そしてそしてスポーツというカルチャー(文化)は日本でどーあるべきか…最後の仕事して真剣に考えなければ!!
4月13日(水)
朝ベッドから出てRKB毎日放送ラジオ『田畑竜介GroooonUp』の『玉木正之のCatch Up』にZOOMで音声出演。佐々木朗希投手の完全試合+奪三振記録の話題に加えて江夏投手のオールスター戦15打者連続奪三振の話題などを取りあげる。奪三振王が表彰されるようになったのはパ・リーグで1989年。セ・リーグで1991年。既にスポーツライターとして活動していた小生などは奪三振王が最多勝利や最優秀防御率と同様にリーグ表彰されないのはオカシイと主張してきたがその度にリーグのエライさんとかスポーツ・メディアの重鎮とされる人物は「奪三振の数を表彰すると個人プレイに走るようになるからダメ」と反論されたものだった。報知新聞記録部長だった宇佐美哲也さんらとまるでアマチュアの考えと嘆いたものだった。当時三振を山ほど奪っていた江夏投手の破天荒さが嫌われたのかな?何しろ1968年にシーズン401奪三振を記録した対巨人戦ではそれまでの日本記録354個目の三振を巨人の王貞治選手から奪ってそのあとの8選手からは三振を奪わず打たせて取って新記録の355個目の三振も王選手から奪うという芸当のできた大投手ですからね。おまけにその試合は0対0の延長戦になり江夏投手自らのサヨナラヒットでタイガースが勝ったのですからね。それほどの「個人プレイ」が嫌われたのかも。その記録が今から半世紀以上前54年前の話になることにチョイと愕然。その話題を小生が20代の若い人に話すと言うことは小生が20代の時に当時の老人から戦前の二二六事件のことを聞かされるようなモノになるのですね。歳をとったものですね。マイッタナ。ラジオのあと黒兵衛と散歩。終日デスクワーク。書き下ろしの仕事をせねば…。いろんなことを書き残す必要がありますからね。誰かが読んで影響を受けてくれるはずですからね…。
4月14日(木)
昨日講談社から送られてきた現代新書の1冊佐藤千矢子『オッサンの壁』読み始める。著者は毎日新聞現論説委員。帯に《日本一の「オッサン村」永田町の非常識 政治メディアの実態 全国紙初の女性政治部長が克明に記す「男社会」のリアル》とある。《はじめに》と題された前書きで森喜朗オリパラ組織委員長の「女性蔑視発言」が取りあげられて《森発言後のさまざまな反応は発言を問題視しているようでいて問題の本質をどれだけ理解しているのか疑問を抱かせるものが多かった》そうですね。森発言を「アウト!」と指摘する声はあっても本質的な間違いを気付かせるために考え方を変えるトレーニングをさせようという声は出なかったですからね。ちなみにMLBのテレビ解説で日本人の英語の発音を揶揄した解説者は差別意識を是正するプログラムを受けることになったらしいです。ワン。ベッドから出て黒兵衛との散歩から帰宅するとNHK-BSで『数学者はキノコ狩りの夢を見る』と題して数学のポアンカレ予想を取りあげたドキュメンタリーをやっていた。何年か前に見たことある番組の再放送で何日か前にやっていた京大の先生が超難問の「abc予想」を解いたという番組も見たけど数学の番組はさっぱりワケがわからないけどオモシロイ。ドーナツとコーヒーカップがトポロジー(位相幾何学)では同じ形だというだけでもブラーヴォ!と言いたくなる。ただ朝から多くの数学者の頭脳を興奮させ狂わせた数学の難問の番組なんかを見ていては俗世間の仕事などできなくなるのでビデオに録画して仕事に専念。晩飯時に改めて見る。小生にとっては面白く興奮する娯楽番組ですね。面白くもなく興奮もできないのがウクライナ戦争ですね。プーチン大統領は興奮しているのかな?黒海の旗艦をミサイルで撃沈されたのなら別の意味で頭に血を登らせているのかな?しかし終わり(落としどころ)の見えない戦いになってきましたね。嗚呼。
4月15日(金)
『オッサンの壁』読み進む。オモシロイ。「女に政治はわからない」そりゃそうだ。男社会が自分たちで勝手に創った世界のなかで女性は「わからない」こともあるに違いない。がソレを「政治」と呼ぶ次元の低さに男たち…いやオッサンたちは気付いていないのだろう。フィンランドとスウェーデンの両首相(どちらも女性)の自然のなかでの記者会見は良かったですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークは財界展望新社の雑誌『ZAIEN』の連載『今月のスポーツ批評』を書く。佐々木朗希投手の完全試合と奪三振記録を取りあげメジャー入りはいつか?と騒ぐマスメディアの情けなさを批判。日本のプロ野球は完全にアメリカ・メジャーリーグの二軍になってしまったようですね。まるで白井聡氏の名著『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)のベースボール・ヴァージョン(野球版)ですね。パソコンがどこかおかしいことになってしまったので本HPの制作に関わってくれているbitさんに相談。とりあえず更新部分を許可して再起動。時間がかかるので酒&晩飯&チコちゃん&ウクライナのニューズ。ロシアの旗艦がウクライナのミサイルでやられましたね。これはアメリカやNATOも協力してのことなんでしょうねえ…というのは西側に住んでいる人間としては言ってはいけないことなんでしょうかねえ?
4月16日(土)
ちょっと思うところがあって水木しげるの『コミック昭和史第2巻満州事変〜日中全面戦争』(講談社文庫)を本棚から持ち出して昨晩と今朝のベッドのなかで読破。満州事変・柳条湖事件・上海事変・満州国成立・五族協和・滝川事件(言論弾圧)・盧溝橋事件・日支事変・南京入城…なるほど・今のロシアのウクライナ侵攻もよく似てますね。ナチスドイツも含めて侵略戦争というものは似か寄るものなのでしょうね。ワン。黒兵衛と散歩のあとMLBの中継を見ると大谷が2本のホームラン。やっぱりウレシイですね。いろいろデスクワークのあと夕方から録画しておいたNHK-BSの数学ドキュメンタリー『リーマン予想・天才たちの150年の闘い~素数の魔力に囚われた人々』ナルホド。数学のことはサッパリパープリンだけど素数ってオモシロイですねぇ…ということはわかった。続けて『数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語』の「完全版」。凄いですねぇ。オモシロイですねぇ。数学は掛け算よりも足し算のほうが難しいという話から始まって「異なるもの」を「同じもの」とするのが原理原則だった数学の世界に「同じもの」でも「異なるもの」があるという数学の世界(宇宙)を創りあげて超難解なabc予想を証明したという話。つまりリンゴと象はまったく違うものだけどリンゴ3個と象3頭では3という抽象的な数字で「同じもの」と考えられるしトポロジー(位相幾何学)的にはコーヒーカップとドーナツは「同じもの(穴が一つ)」と考えられ幾何の図形と方程式という「違いもの」も「同じもの」と考えられる。が16歳でプリンストン大学に入学した大天才の望月新一博士は「同じもの」でも「違うもの」になり得るという「宇宙際タイヒミュラー理論」でabc予想を証明した(らしい)という話。ハッハッハッ。「国際」が「インターナショナル」なら「宇宙際」というのは「インター・ユニヴァース」なんですね…なんて言ってもサッパリだが望月博士が京都大学いる人間だとわかってな〜んやそんなことかいな〜と小生は理解してしまった。要するに「同じものでも異なるものになる」ちゅうことは京都弁で言うと「おんなしもんとちゃうのとちゃいまっか」ということなんですね。もう少しキチンと言うなら「色即是空・空即是色」ということですね。数式で書くなら「色<空=色>空」と言うこっちゃおまへんかいなぁ。ああしんど。しかしオモシロイ。今度フィールズ賞以外の数学の賞は全部もらったと豪語していたMクンに俺の理論(屁理屈)をぶつけてみまひょかいなあ。あ。野球ではよく「勝利の方程式」という言葉が使われますがそれは間違いですね。方程式ならそれを解かなければなりませんからね。解かなくてもいい決定している「勝ち方」なら「勝利の公式」と言うべきですね。
4月17日(日)
久し振りにプロ野球の1試合全部をテレビで見てしまった。佐々木朗希投手はホンマに凄いですよ。まぁ8回での降板にも納得。日本シリーズ病の8回での降板は今も納得してませんけどね。しかし彼の将来もMLBに進むほかない日本の野球の情けなさをプロ野球関係者は自覚してほしいですね。
4月17日(日)つづき
野球はピッチャー…とよく言われるがその言葉は「勝敗を左右する」というだけでなく観客(野球ファン)の心情にも当てはまる。貧打戦のつまらなさ…というのもあるが素晴らしい投手のテンポの良い快投というのは見ていても気持ちがイイ。その意味でも野球は投手なんですね。長嶋茂雄さんにインタヴューしたとき生まれ変わってもヤッパリ野球選手になりたいですか?と訊いたらハイという答えのあとできればピッチャーをやりたいという答えが返ってきた。バッターが打てないのはもとよりボールを受けたキャッチャーが後ろのほうへ吹っ飛ぶような豪速球を投げるピッチャーにね…と言われた。攻撃するのはピッチャー。バッターはその攻撃に反撃するわけですから…とも。ナルホドですね。大谷もまたホームランを打ったし三盗なでしたし…ウクライナでの悲劇を野球で忘れる一日。しかし晩飯時に見たウクライナ関連のニューズは悲惨ですね。なんとかならないものか。パットンかルメイかフォン・ノイマンが生きていたら確実に第三次大戦かな(わかりますか?)…と思いながら夜のベッドでの読書は水木しげる『コミック昭和史』の『第2巻満州事変~日中全面戦争』から『第3巻日中全面戦争~太平洋戦争開始』へ。このシリーズは本当に大名著ですね。戦争と戦争の時代(昭和)の社会のすべてが描かれていると言っても過言ではないですね。
4月18日(月)
ロシアのウクライナ侵略戦争をきっかけに水木しげる『昭和史』をベッドで読み直して『第3巻日中全面戦争~太平洋戦争開始』まで到達。欧米列強からのアジアの解放と大東亜共栄圏構想を水木さんはこう書く。《あらゆる大義名分がそうであるように美しい理想の裏には欲望に満ちた現実が渦巻いていた》なるほど《あらゆる大義名分が…》なんですね。世界平和を大義名分として掲げるオリンピックも[《欲望に満ちた現実が渦巻いて》ますね。ワン。黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事と《ニューズ・オプエド》の準備。今日のゲストは五輪アナリストの春日良一さんと一橋大学大学院名誉教授の坂上康博さん。佐々木朗希投手の2試合連続完全試合ならずの降板を坂上先生は良い判断と評価。小生も同意見。中日山井の日本シリーズでの完全試合はやらせてあげたかったですけどね。しかしプロ野球がキチンと球数で投手の体調管理をしているのに高校野球の球数制限が1週間で500球とメッチャ多いのは問題ですねぇ。山下泰裕JOC会長がプーチン批判をしたのを春日さんが評価。IOCも政治的中立という立場を明確にしたうえでロシアの軍事侵攻を休戦協定違反とIOC憲章違反の2つの理由をキチンと挙げて批判するようになったと説明。坂上先生はプーチン批判と同時に山下氏には「精力善用自他共栄」という嘉納治五郎の残した言葉をさらに詳しく説明して批判してほしかった…と。さらに五輪憲章に五輪休戦協定違反の罰則を設けるべき…ロシアが今ウクライナでやっていることは日本もかつて中国でやって来たこと…日本も(ドイツも)五輪から排除された経験のあることを自覚するべし…等々小生も深く勉強になる話の連続。この「戦争とスポーツ」に企画は今回で第6弾。さらに続けたいですね。《オプエド》のあとニュース見ながら晩飯でベッドへ…と思ったらNHKで『映像の世紀バタフライ効果 ベルリンの壁崩壊と宰相メルケルの誕生』をやっていたので見てしまう。メルケルの人間的奥行きの深さに納得。
4月19日(火)
ベッドで水木しげる『昭和史第4巻太平洋戦争前半』読む。ミッドウェーでの大敗戦からガダルカナルはじめ南洋諸島での激戦。ここまで戦争のリアルをキチンと書き残してくれた水木しげるという人には大感謝したくなりますね。このようなリアルな戦争が今ウクライナで行われていることを知る意味でもこの『コミック昭和史』は多くの人に読んでほしいですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。近所でずっと水道管工事が続いている。古い水道管を地震に強い新しい水道管に取り替えるらしい。《週休2日制 働き方改革》などという看板も立っている。高度成長時代の突貫工事は過去のものになったようだ。工事が長く続くのはチョイとウンザリするが片側通行の交通整理をする作業員の人たちは皆さん朝の挨拶をして犬と人を安全に通してくれる。時代は変わった。ワン。終日デスクワークで北國新聞の月イチ連載『スポーツを考える』を執筆。佐々木朗希投手の「2試合連続完全試合」直前に降板させた井口監督の判断は正しかったことを書く。何しろ投手は普通に歩けば4歩先に1歩で足をついて時速140~160キロで指先を動かすために肱や肩や手首や腰に大きな負担をかける人間離れした動きを100回以上繰り返しているのですからね。ボクサーのストレート・パンチが時速40q程度だとわかると投手の身体の動きが超人的だと理解できますね。そんな原稿を書いてる途中に東京新聞特報部から電話。アメリカ3Aで今年実験採用しているロボット審判のストライク・ボールの判定に誤審が多く問題になっていることの感想を求められたのでスポーツの審判は人間がやるべしと答える。(正しいとされる)AIよりも(間違いもある)人間を信用する世の中のほうがイイですからね。原稿を送ったあとニューズを見ながら晩飯のあと昨晩見たNHK『映像の世紀 宰相メルケルの誕生』を再度録画で見る。メルケルだけでなくパンク歌手のニナ・ハーゲンもイラストレーターになったハッテンハウアーも東ドイツ出身の3人の女性の物語に再度感動。メルケルは今のロシアをどんなふうに見ているのかな?彼女がドイツの首相を続けていたらはたして…?
4月20日(水)
水木しげる『昭和史』は『第5巻太平洋戦争後半』へ。戦争画で有名な小松崎茂と肩を並べる迫力ある海戦や航空戦の一方身体が蛆虫の湧く包帯に包まれたジャングル戦まで。水木氏の画力と戦争描写は実に見事ですね。ベッドから出てRKB毎日放送ラジオ『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOMで音声出演。今回も佐々木朗希投手の話題で昨日の本欄に書いた人間(投手)が時速160キロで指先を動かすことが如何に大変かを話す。スタジオのMC田畑さんもアシスタントの武田伊央さんもボクサーのストレートパンチの時速が40qという「遅さ」に驚いていたけどスピードガンが生まれる前には誰もが野球の投手の投球の速さは新幹線よりずっと速いと思っていたのですからね。スポーツは機械(AI)がやるのではなく人間がやるのですからすべて人間(の錯覚)で判断するのが正しいのかも知れませんね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。連合通信の連載コラムを書いたあと筑波学院大学の中村逸郎教授に電話。テレビで何度も御一緒した関係で来週月曜の『ニューズ・オプエド』のリモート出演をお願いすると快諾してくださる。何しろロシアのウクライナ侵攻前に大阪朝日放送の『正義のミカタ』でベラルーシからロシア軍が侵攻するということやソチ冬季五輪での国家ぐるみのドーピングを詳しく説明して下さったあたですからね。新たな冷戦とも言うべき二つに分裂した世界でのスポーツのあり方(新スパルタキアーダ?)についても訊きたいですね。
4月21日(木)
水木しげる『昭和史』は『第6巻終戦から朝鮮戦争』へ。第二次大戦が「終わった」ことを日本人(の多く)が「敗戦」と呼ばずに「終戦」と呼ぶ理由がよくわかる。負けても勝ってもどっちでもイイから誰もが早く終わってほしいと思っていたのだ。それほど昭和の戦争は長く続いたのだ。3度目の応召の武昌漢江付近の最前線の戦いで目の前で手榴弾が爆発して顔面から血が流れたときは俺の親父も「これで帰れる」と思ったらしい。その後洞底湖付近の病院で1か月の入院後前線に戻る途中終戦を迎えて上海で武装解除。そのときの気持ちを軍曹で分隊長だった親父も「終わった。終わってよかった」と言っていた。ちなみに最前線で八路軍のチェッコ製の機関銃に狙われているなかを一人ずつ走り抜けたときは「カール・ルイスより速く走ったもんや」と言っていた。「パパパパパッと音がして足元に砂煙が上がるなかを走ったんやで」と晩酌のときに笑顔で話したあと暗い顔をしてのを憶えてる。水木しげるさんの戦争漫画を読んでいるとそんな親父の話を思い出す。今ウクライナでは同様のことが行われているのだろうか?クレムリンのなかにいるプーチンの脳裏にはどんな戦争の映像が浮かんでいるのだろうか?彼はどんな想像力の持ち主なんだろうか?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。請求書書いたりアンケートに答えたり雑務も多いなぁ。晩飯はウクライナのニュースや解説と共に。最近ゆっくりとオペラや映画を楽しめないなぁ。
4月22日(金)
水木しげる『昭和史』は第6巻の朝鮮戦争が終わったところでいったん休止。ロシアのウクライナ侵略をきっかけに戦争とは何ぞや?ということを再確認したくて再々読し始めたがこの悲惨さ−社会の破壊・地球環境の破壊・人々の心の破壊を「世界の支配者たち」はどう考えているのだろう?ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。昼のニュースでロシアのプーチン大統領とショルツ国防省の2ショットを見たがプーチンの椅子の深い座り方と右足先の小刻みな動かし方と右手での机の端の握り締め方も気になったがそれ以上に後方の執務机の上にある筆立てに多くの鉛筆が綺麗に先を削られて立ててあったのに驚いた。もちろんコンピュータは机の上にない。そうか。ロシアは大統領が秘書の削った鉛筆を使って古い戦争をしているのか。嗚呼。午後になって前々回の『ニューズ・オプエド』に出演していただいた成城大の山本敦久教授から最新刊『アスリートたちが変えるスポーツと身体の未来 セクシュアリティ・技術・社会』(岩波書店)が届く。山本教授を含む9人の執筆者が9人のアスリート…キャスター・セメンヤ/大坂なおみ/ミーガン・ラビノー(女子サッカー)/マルクス・レーム(義足パラ選手)/リカルド・アウベス(ブラインド・サッカー)/大迫傑/コリン・キャパニック(アメフト)/マニー・バッキャオ(ボクサー)/マーカス・ラシュフォード(英国の黒人サッカー選手)について執筆。最後に元日本代表ラガーマンで親和女子大教授の平尾剛さんと山本教授の対談がある。早速「女性か男性か」を「取り沙汰された」セメンヤの項目と対談を読むがコノ本は凄い!!それは並んでいるアスリートの名前を見るだけでもおわかりいただけるだろう。世界のスポーツの現在のあり方に大きな影響を与えて将来と未来のスポーツの新しい扉を開こうとしているアスリートが並んでいるのだ。この本は沢木耕太郎氏が1976年に『敗れざる者たち』(文藝春秋)を上梓してスポーツノンフィクションの世界を切り拓き雑誌『ナンバー』の創刊(1980年)につながって以来のスポーツライティングの世界の革命とも言える一冊。それは沢木氏の取りあげたアスリートがカシアス内藤/カスアス・クレイ(モハメド・アリ)/長嶋茂雄/難波昭二郎/円谷幸吉/イシノヒカル/榎本喜八/輪島功一…らだったことと較べれば時代の変化がよくわかる。山本教授編著の一冊で選ばれたアスリートたちはただノンフィクションライターの創作意欲に火を点けるものでなく最後の対談の題名通り『アスリートを社会に開く』ものであり「新しい社会を開くアスリートたち」でもあるのだ。さっそくあらゆる仕事は中断してでも全編を読まねば!
4月22日(金)つづき
晩飯は『チコちゃん』を見ながら。そこで日常会話で誘われたときに「行ければ行く」の意味が取りあげられていた。標準語(関東弁)では言葉通りに「行けるなら行く」らしいけど関西弁で「行けたら行く」というのは「ほとんど行かへん(行かない)」という意味だと解説していた。そんなん当たり前のこっちゃないけえ。続けて京都弁で「元気なお子さんやねえ」「お子さんピアノお上手ですねえ」「おぶ(お茶)もう一杯飲まはりますか?」も解説されていたけど元京都人には解説不要。それらの言葉は「五月蠅い餓鬼やなあ」「ピアノの音がやかましい」「早よ帰れアホ」と同義語であることくらいわかります。小生の書いた小説『京都祇園遁走曲』では恋人との別れを惜しむ主人公の男に対して恋人の女性が答える言葉として「あんまりあてにせんといて」と書いた。この意味わかりますか?そう言えばかつて京都出身のラガーマンの平尾誠二に「今年は優勝できますか?」と訊いた関東出身の女子アナが「できるんとちゃいますか?」という答えを返されて「それは『できる』と言うことですか?それとも『できるのとは違う』つまり『できそうにない』ということですか?」と訊かれたことがあったので「できるんとちゃうのんとちゃう?」と答えて「余計にわからない」と言われたことがあった。「あの犬ちゃうちゃうとちゃうのんちゃう?」というのは関西落語のギャグであります。
4月23日(土)
ベッドのなかで山本敦久・編著『アスリートたちが変えるスポーツと身体の未来』読み進む。これは予想通りスポーツに関わる者すべての人に読んでほしい一冊です。たとえば義足ランナーのマルクス・レームに関する記述で人間の《主体性》とは「人間個人」に属するのかそれとも「人間と道具のネットワーク」と考えるのかという問題が取りあげられる。現代社会では当然後者と考えるべきなのだが前者の考えがまだまだ支配的だ(だから学校の試験でスマホの持ち込みは禁止される)。しかし《もし素朴すぎる主体性の見方をアップデートして個人を超えたネットワークとして主体性を考えることができたならオリンピックとパラリンピックを峻別する健常者/障害者という枠組みも揺らぎ始めることになるだろう。義足の助けを借りないと跳躍できない「障害者」としてのレームを普通の人間とは見なさない態度から義足とのネットワークによって力強く跳躍するレームを新しい人間のあり方とみなす態度へ主体性の見方をアップデートしなければならないのは私たち自身なのだろう。(略)レームがその跳躍で飛び越えようとしているのは彼をパラリンピックに押し込めようとする障害感さらには近代的な人間観だと言えるだろう》「男/女」「白人/黒人(有色人種)」「ノーマル/ゲイ」という二分法ももちろん近代的人間観でセメンヤや大坂なおみやラピノ−やワンバックといったアスリートが未来への扉を開こうと闘っているのだが…たとえば日本のマスメディアは大坂なおみを「可愛い」と言葉に封じ込めようとしたのですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと『スポーツと身体と未来』を読み続けて傍線引いてメモ取って勉強。晩飯は『博士ちゃん』見ながら。晩飯後の酒は録画した『ブラタモリ』を見ながら。ベッドへ行ってさらに読書。面白い本を読むこと以上に面白いことは世の中にないですね。活字中毒かな?
4月24日(日)
『アスリートたちが変えるスポーツと身体の未来』読了。これはスポーツ関係者の必読本ですね。たとえば黒人差別に抗議してKnee Down(片膝をつく行為)を始めたNFLのコリン・キャパニックに対する記述。《資本主義の競争からも国家の政治からも見放される領域たえば相互扶助や近隣のアソシエーションのようなものをかりに「社会的なもの」とするならば現代スポーツとアスリートたちの世界に「社会的なもの」は決定的に欠落している。その意味でキャパニックによる片膝をつく身体表現はBLM運動の象徴であるばかりでなく非政治化されてしまったスポーツに社会的な者を取り戻す行為として捉えるべきものなのである》その通りですね。また昨年のユーロの決勝でPKをはずしてレイシストたちの非難を浴びたマーカス・ラシュフォードが反黒人差別だけでなく反貧困の闘いのなかで《これは政治の問題でなく人間性の問題なのです》と語る言葉を知るだけでも意味がある。フィリピンの極貧地帯で育ち世界王者になったパッキャオのハングリー・ストーリーには収まらない人生と思考を知るのも貴重だ。引用すればキリがない。9人の《ソーシャルなアスリート》の存在を知ってみんなで未来のスポーツのあり方を考えましょう!ワン。黒兵衛と散歩のあと明日の『ニューズ・オプエド』の準備。ロシア政治学が専門の中村逸郎筑波学院大学教授をゲストに迎えるのでロシア関連を勉強し直す。晩飯はNHK-BS 『世界のドキュメンタリー』アメリカのTV局が製作した『プーチン戦争への道』を見ながら。そうか。クリントンがプーチン首相との会談のあとエリツィン大統領に会ったときには「プーチンは民主主義者じゃない。後継者にはダメ」と早くもこの独裁者の本質を見抜いた言葉を伝えていたのですね。続けてドイツのテレビ局が製作した『戦時下のゼレンスキー』。彼は戦争が始まったことによって本物の素晴らしい大統領になったとも言えるのですね。もちろん人間性や思考能力など資質はあったのでしょうけどね。
4月25日(月)
水木しげるの『昭和史』の続編に戻る前に根本圭助編著『図説小松崎茂ワールド』(河出書房新社ふくろうの本)を読み直す。いや見直す。戦艦大和零戦B29などの戦争画だけでなく武士と時代劇やウエスタン西部劇やSFの世界。凄いデッサン力でどれも美事な迫力。こういう絵に興奮してしまうのは小生が昭和の男の子だからかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと『ニューズ・オプエド』の準備。今日のゲストはロシア政治が専門の筑波学院大学教授中村逸郎さんですからね。週刊新潮や週刊文春の最近のロシア・ウクライナ報道や『スポーツの世界史』や『スポーツの文化史』のロシアのスポーツに目を通してメモ作り。今日のたのゲストはスポーツライターの小林信也さんと五輪アナリストの春日良一さん。小林信也さんは佐々木朗希投手の2試合連続完全試合を降板させたロッテ井口監督を批判。身体の交渉を心配した采配に納得する世論も批判。「投手は完全試合を目指して投げてるんですからね」なるほど。一理あります。春日さんは北京冬季パラ対から締め出されたロシアがカザフスタンやベラルーシなど数カ国を招いて独自のパラ大会を開催したことを教えてくれる。もちろん中村先生も御存知で。番組開始直後からアクセル全開。プーチン・ショイグ会談は合成映像…プーチンは自分を過去の皇帝と同列化させて未来という概念がない…だから戦争では都市の殲滅までいってしまう…云々。今もその貴重な話を聞けますのでアクセスしてみてください。https://op-ed.jp/晩飯&風呂のあとNHK『映像の世紀バタフライ効果』でスペイン風邪とワクチンのドキュメンタリーを見てベッドへ。クリムトやエゴン・シーレやマックス・ウェーバーもスペイン風邪で亡くなったのか…。
4月26日(火)
ベッドのなかで白井聡『永続敗戦論』読み直し始める。第二次大戦で何百万人もの犠牲を出しながら誰も自ら責任を取らず責任の所在もはっきりさせなかった日本人の体質は3・11福島原発事故にも引き継がれたわけですね。モリカケサクラにも。そしてロシアのウクライナ侵略をきっかけに…どうなるのでしょう日本は?ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。明日のラジオ出演の準備と書き下ろしの資料調べのため『ロシアのスポーツ』をさらに調べ直す。プーチンのスポーツ政策でモスクワ世界陸上やソチ冬季五輪やサッカーW杯ロシア大会以上に注目すべきはやはり2013年の「GTOの復活」かもしれませんね。GTOとは「労働と防衛の備え」のロシア語の略。そのためにスポーツを利用して国民の身体を鍛えようと1931年にスターリンが始めたもの。第二次大戦と戦後のスターリン批判で廃止されたものを2013年にプーチンが復活させた。スポーツの種目によって年齢別標準記録を定めクリヤーすると記録別に金銀銅のGTOメダルが与えられた。競技種目はスターリン時代には短距離走・中距離走・高跳び・幅跳び・懸垂・水泳・自転車・ボート・クロスカントリースキーのほかに手榴弾投げや「32sの実包箱(弾薬を詰めた箱)を担いでの50m競歩」「ガスマスクを着けての1qの騎馬」などがあったらしい。プーチンが種目をどこまで復活させたかはわからないが国民の体力を国家のために用いようとしたことは確かだろう。NHK-BSで昼間にオーソン・ウェルズ監督主演の『市民ケーン』をやっていたので晩飯後にDVDを引っ張り出して見直す。新聞王ハーストがモデルで母親の愛情を受けられなかった億万長者の悲劇を描いたもの。25歳のオーソン・ウェルズの作品としては凄いけど小生はキャロル・リード監督の『第三の男』のほうが好きですね。
4月27日(水)
『永続敗戦論』読み直し続ける。戦前の天皇崇拝に代わる戦後のアメリカ崇拝。そして底流に流れ続ける日本の支配層(政治家・財界)の無責任。嗚呼。どうすればいいのか…を真剣に考えないと中露脅威論で防衛費増加ばかりが…嗚呼。ベッドから出てRKB毎日放送ラジオ『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。昨日の本欄に書いた「ロシアのスーツ」「スポーツと軍隊の親和性」について話す。加えてラジオでは話せなかったことですが小学生の体力テストのソフトボール投げは戦前の手榴弾投げの変形で鉄棒の懸垂や逆上がりは陸軍が三八式歩兵銃の扱い方に「己の体重を持ちあげる腕力を要す」と書かれていたからだそうです…ということを今思い出しました。近代五種競技もスウェーデン陸軍が考えたものらしいですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは『スポーツゴジラ』の原稿書き。ナカナカ捗らへんなぁ(>_<)夕方から知床遊覧船社長のインタヴューを見る。彼もまた無責任支配層の仲間か。嗚呼。晩飯は久し振りにオペラ劇場でロシアをチェック。ボリショイ劇場のムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』はバス歌手ネステレンコの名舞台。自らが手にかけて抹殺した子供(皇太子)に変わって皇帝の座についたボリスが子供の亡霊に恐れおののく。はたしてプーチンは…?
4月28日(木)
昨晩と今朝のベッドのなかで『ゴルフ3分間教養』(ゴルフダイジェスト社)読了。来週月曜の『オプエド』がゴルファーでゴルフ批評家のタケ小山さんとオプエド社主でゴルフ評論家でもある上杉隆さんを迎えてゴルフをテーマに話すので読んでおくことにしたがハワイ・マウナケアの波越えコースでワンオンしたことがあるとはいえ(エッヘン!)ゴルフの話題が少々苦手の小生にとっては60本の話題のなかには専門用語に苦しむところもあった。がヨメハンの実家のすぐそばにある京都かミアものゴルフコースの話題やシェイクスピアやサティとゴルフの関係の話題やオリンピックの話題など楽しく興味深く読んだ。なかでもアフガニスタンのカブール・カントリークラブの話題はドッキリですね。タリバンはゴルフを禁止テルらしいけどゴルフを含めたスポーツは民主主義と深い関係があることは見直さなければならないですね。スポーツを国家で利用支配しようとするプーチンは民主主義の破壊者と言えるわけですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと雑務の一日。請求書等の作成にメールのチェック。原稿を書く方が楽ですね。晩飯オペラ劇場は昨晩の『ボリス・ゴドゥノフ』でバス歌手の魅力を再発見したのでヴェルディ『ドン・カルロ』のフィリポ2世の聴き較べ。フルラネット(カラヤン指揮)もラメイ(ムーティ指揮)も素晴らしいけどヤッパリ何と言ってもギャウロフ(レヴァイン指揮)の歌が最高ですね。ギャウロフが来日したときに山本直純さんのTV番組『オーケストラがやって来た』に出て『黒田節』を朗々と歌ったのを見聴きして素晴らしいと思った(高校時代かな?)けどもう一度聴くことはできないかないかな?あ。関係ないですけどスペイン王のフォリポ2世からフィリピンという国名が生まれたのですよね。プーチンもどこかにプチングラードという町かプチンスタンという国を創りたくて戦争に走ったのか?嗚呼。
4月29日(金)
朝ベッドのなかでレスコフ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』読み返す。週末に札幌大学のロシア文学の岩本教授にインタヴューするので同書の「女性相撲」についてチェックし直す。この平然と勝負する「ロシアの女性の格闘対決」にも驚きだったが小生が同書に最初に接したのはショスタコーヴィチのオペラから。主人公の女性が夫を毒殺する筋書も強烈だったがセックス・シーンを描写した音楽も強烈でクプファーの演出ではバックでヤッテル行為をモロに見せながら烈しい喘ぎ声の二重唱が歌われた。スゴイ演出と音楽で作家の島田雅彦さんが「オペラを観て○○○のは初めて」と言われたような舞台だった。初演当時の演出はモウチョット柔かったはずだがスターリン共産党は即座にプラウダで大批判。ショスタコーヴィチはすぐに手直しさせられて『カテリーナ・イズマイロヴァ』という柔な女性物語に改訂したという曰く因縁の作品。今は原典上演のDVDも発売されているが独裁ぶりがスターリンに似ているプーチンは上演を許可するのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。桜満開。町内会でのお花見会が3年連続見送りなのは残念ですね。コロナはまた復活?イロイロ仕事。東京新聞特報部や共同通信から電話。全柔連が小学生の全国大会を中止したことについて。勝利至上主義に走りすぎるからだそうだが当然ですね。小学生から特定種目の「日本一」など決める必要はありません。オリンピックでも金メダルを授与するのは本来なら世界平和に貢献したアスリートであるべきで勝負に勝った選手は勝っただけで良いはずですよね。「勝者には何もやるな」(ヘミングウェイ)ですよね。
4月30日(土)
ベッドのなかの読書はソ連時代のロシアがフィンランドに侵攻してカレリア地方などの領土を奪ったことが書いてあったのを思い出しジャレ・ド・ダイアモンド『危機と人類』の上巻第2部『国家−明らかになった危機第2章フィンランドの対ソ戦争』を読み直す。ナチス・ドイツとソビエト・ロシアに挟まれてどちらと組むか悩んだ末に結局ソ連赤衛軍の猛攻に曝されて領土を失ったフィンランド。そのため東京が返上して開催が決まっていた1940年のオリンピックも中止になったのでした。ロシアが五輪を破壊したのは合計4度になるのですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。『スポーツゴジラ』の連載を仕上げて札幌大学岩本和久教授ロシアとスポーツのオンライン講義をまとめる作業を開始。これが結構大変で3~4日かかるかな。ま。GWウィークとはこんなもんですね。夕方からTBS『報道特集』を見る。プーチン・ロシアの戦車や装甲車両は都市だけでなくウクライナの小麦畑も蹂躙したうえ黒海封鎖で小麦の輸出も不可能にしてるのですね。第一次大戦に敗れて経済が崩壊したドイツにヒトラーが現れたように冷戦に敗れたロシアの経済が崩壊したあとにプーチンが現れたのか…嗚呼。『危機と人類』読み進むためにベッドへ。
|