ナンヤラカンヤラ
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4月1日(月)
朝ベッドの中で『数学する身体』読み進む。オモシロイ。英語の数学(マセマティクスmathematics)はギリシア語マテーマタ(μαθηματικ?)に由来してその意味は「学ばれるべきもの」らしい。そして「学び」とはハイデガーによれば「既に何を知ってしまっているか」を自問するところから始まるという。なるほど。スポーツを学ぶことも同じですね。多くの人が野球を知ってる。では野球の何を知ってるか?(知らないか?)に気づくところから始まりますね。数字(数学)もスポーツも自然に存在するものではなく人間が作りだしたモノというのも同じですね。ベッドから抜け出して黒兵衛と散歩。帰宅して鎌倉高校前の病院へ。定期検診を受ける前にロビイのテレビの前に入院患者さんや看護師さんが集まって新しい元号に注目。「令和」か。平和を命令するの?誰が?安倍首相?まさか!主治医の先生と「飛脚走り」についてイロイロ話してロビイに戻ると安倍首相がイロイロ喋ってる。令和という万葉集典拠の元号は悪くないでしょうが安倍首相は邪魔ですね。あなたが決めたの?政府が決めたの?クスリをもらって帰宅。準備をして東海道線で品川経由浜松町へ。『ニューズ・オプエド』MC出演。今日からアシスタントは佐藤由季さん。これまでのアシスタントの川嶋のりこさんは金曜日に移動のようです。また4月下旬に開校する小生の『スポーツ・インテリジェンス・スクール』を手伝ってくれるはずです。今日のゲストは相撲ジャーナリストの荒井太郎さん。貴景勝はいずれ横綱になるそうです?埼玉栄フィーバーはモンゴル勢を追い出すか?という話題も。もう一人のゲストは作家の小林信也さん。高校野球のサイン盗みについてイロイロ話す。二塁に出たランナーが捕手のサインを盗むのは当然のプレイだと小生は思います。もう一人のゲストは上杉隆プロデューサー。元号発表の記者会見に参加。いくら質問に手を挙げても当ててくれないそうです(苦笑)。「有識者」もメディア関係者が多く漢籍和書の専門家がいないのは安倍内閣のポピュリズムの表れ?と上杉氏の鋭い指摘。万葉集典拠と言っても梅を愛でるのは中国の影響ですね。日本人が桜を愛でるようになったのは遣唐使をやめた平安時代以降ですね。番組のあと小林&荒井&佐藤さんらとチョイと向かいの蕎麦屋で「反省会with酒」のあと帰宅。新元号のニュースをイロイロ見ながら晩飯。

DVD
マスカーニ:オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』
マスカーニ:オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』
レオンカヴァッロ:オペラ『道化師』
CD
ヴェルディ:オペラ『ナブッコ』
ヴェルディ:オペラ『ナブッコ』

4月2日(火)
今朝もベッドの中で『数学する身体』読み進む。熟読してオモシロイからなかなか前へ進まない。そうーゆー本を面白い本というのか。所々に岡潔氏の引用が出てくる。たしか岡氏はアポロ11号で人類が月へ行ったときにテレビに出ておられて月着陸をやんわりと批判されていた(ように記憶している)。「目を閉じれば月くらいいつでも行けます」確かそんな言葉を口にされた。昔のテレビは凄かったな。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。

4月2日(火)つづき
終日デスクワーク。BGMは久しぶりにヴェルディ『ナブッコ』。ブルゾンのタイトルロール。フルラネット(ザッカリア)グレギーナ(アビガエッレ)アルミリアート(イスマエッレ)という超豪華キャストの1998年サントリー・ホール公演ライヴ。ダニエル・オーレン指揮東京交響楽団。バブルの名残?久しぶりにイタ・オペを聴いて気持ち良くなったので晩飯オペラ劇場はマスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ(田舎の騎士道)』ティーレマン指揮ドレスデン歌劇場オケ。主役はミュンヘン出身のカウフマンというドイツ仕込みのイタ・オペもマァ悪くないかな。令和という文字は万葉集よりもずっと古い漢籍から「盗った」と中国のSNSが騒いでるらしい。だからどうした?アジア漢字文化圏の出来事なら当然ですよね。イタ・オペを日本でやってるとイタリア人が騒ぐ?ドイツ人の指揮者や歌手がやってるとイタリア人が騒ぐ?ベルリン・フィルのコンサートマスターがユダヤ人と日本人だとドイツ人が騒ぐ?馬鹿馬鹿しい。風呂&寝よ。

DVD
『上海から来た女』
『上海から来た女』
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
レオンカヴァッロ:オペラ『道化師』
レオンカヴァッロ:オペラ『道化師』
Blu-ray
マスカーニ:オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』
マスカーニ:オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』

4月3日(水)
朝起きてRKB毎日放送…と思ったら4月からこれまでの水曜日が木曜日に変更。30年以上も続いてる番組だけにチョイと勘が狂う。水曜の朝に時間ができたので雑誌やミックスペーパーのゴミ出しをして朝飯食ってから黒兵衛と散歩。帰ってきて段ボールと新聞を出す。ふううーっと朝から一仕事。今日も終日デスクワーク。今月末からのSIS(スポーツ・インテリジェンス・スクール)について考えをマトメ直す。スポーツ・ジャーナリストといu 言葉はやっぱり使いたくないですね。スポーツの定義がはっきりしないまま既に使われてますからね。しかしスポーツライターとしたらスポーツ・キャスターやスポーツ・カメラマンが入らなくなる。スポーツ・ジャーナリズムを実践しようとしている人たちにスポーツ・ジャーナリズムとは何か?を教え考えるスクールにしたいですね。昼前から首都圏で暮らす長男や次男の家庭を訪れていた義兄夫婦が来宅。ならばと次女と10か月の孫も来宅。賑やかな午後を楽しく過ごして夕方から再度デスクワーク。晩飯オペラ劇場は『道化師(パリアッチ)』。カウフマン&クーラ&モナコを聴き較べ見較べる。やっぱりデル・モナコは凄い。世界のオペラは演出は進化しても歌手は進化してないのか?早く『数学する身体』を読み進めたいので早々にベッドへ。

4月4日(木)
朝起きてRKB毎日放送電話出演。今日から『インサイト・カルチャー』『インサイト・アラカルト』と続いたコーナーが『インサイト・コラム』と変わって登場。名称は忘れたけどRKB毎日のこの時間帯のコーナーは30年ほど前からずっと続けさせてもらってる。スペインやフランスやドイツやアメリカから番組に出たこともあった。若いときは元気でしたね。最長不倒番組コーナーを目指そうかな。この日は益子直美さんの監督が怒らないバレーボール大会を取りあげたあと高校野球での「スパイ野球」を取りあげる。二塁ランナーが捕手の動きを打者に伝えるのは当然ですよね。勝敗に関わるマナーの問題をルール化することは不可能で抜け道が横行して気分が悪くなるだけ。そもそも高校野球の監督を大人がエーカッコしてやってるのもいけません。高校野球は監督も当然高校生にすべきですよね…という話をする。終日デスクワーク。午後からメール送受信についての不具合について問い合わせ(ADSLから光通信に変えてからインターネットは問題ないのにメールを送信すると送信トレイにメールが入り相手に届くまでに30分ほどかかるときがある。またiPadは受信してもパソコンは受信できない場合がある)。やっとの事で電話がつながった相手にこっちのコンピュータに入ってもらって1時間以上ゴチャゴチャやってもらったが結局原因不明。不便な世の中になりましたね。

4月4日(木)つづき
晩飯映画劇場はオーソン・ウェルズ監督リタ・ヘイワース主演『上海から来た女』。途中までは筋書きがよくわからなくて映像とカメラワークとリタ・ヘイワースの美貌だけが素晴らしいと思っていたら終盤になって俄然面白くなり最後の鏡に囲まれたビックリハウスでの銃撃戦にオーソン・ウェルズはやっぱり天才と納得。もともと2時間半あった映画が不評で90分に短くされたらしいがディレクターズ・カット版はないのかな。森田真生『数学する身体』読了。素晴らしかった。最後に岡潔とチューリングに雪崩れ込む考察はまったく見事でした。〈○○とは何かという問題を真剣に考察することを避けては通れない〉〈その○○に新たな意味を吹き込んでいくこと。○○の形式をただ受容するのではなくそれを文化として根付かせそこに自前の思想的文脈を与えてやること〉この文章の○○にはもちろん「数学」という言葉が入るのだが「スポーツ」という言葉を入れたくなる。数学もスポーツも自然の存在したものではなく人間が生み出した人工物で人間=自然=世界=宇宙を知るための道具ですからね。足し算をするとき脳の視覚を司る部署は目が左から右へ動くのと同じ動きをするらしい。引き算の時は逆に右から左へ。陸上競技や野球が反時計回り(観客から見て足し算)に動くことに納得(競馬の時計回りはかつて観客がコースの内側にいた名残ですね)。それにしてもナチスの暗号エニグマを読み解きコンピュータを創り人工知能の理論を最初に築き41歳で若死にした大天才チューリグが1948年ロンドン五輪マラソンの英国国内予選で5位に入り臀部のケガさえなければ五輪選手候補になっていたというのは知らなかった。本書の著者の森田真生氏も中高時代はバスケットボールにのめり込んでいたらしい。本書は2015年発行。いつ何故買ったのか忘れたが(たぶんタイトルに惹かれたのでしょう)良い本に出逢うのは嬉しいですね。

Blu-ray
『悪い奴ほどよく眠る』
『悪い奴ほどよく眠る』
DVD
『生きる』
『生きる』
BOOK
島沢優子『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(株式会社カンゼン)
島沢優子『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(株式会社カンゼン)
CD
レオンカヴァッロ『交響詩「五月の夜」他』
レオンカヴァッロ『交響詩「五月の夜」他』
『ショスタコーヴィチ:交響曲第5番他』
『ショスタコーヴィチ:交響曲第5番他』
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番(1959年録音)&プロコフィエフ:古典交響曲』
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番(1959年録音)&プロコフィエフ:古典交響曲』
DVD
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」モーツァルト:ピアノ・ソナタ第13番他』
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」モーツァルト:ピアノ・ソナタ第13番他』
CD
『Porgy & Bess』
『Porgy & Bess』

4月5日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩。イイ天気が続く。イイ桜も続く。そろそろ桜吹雪が始まった。ワン。終日デスクワーク。ナンヤラカンヤラ締め切りはなくても仕事はある。SIS(スポーツ・インテリジェンス・スクール)の講義内容も整理しなければ。ネット配信ですからね。これまでのスポーツ・ジャーナリズム塾や大学での授業とはかなり変えたモノになりそう。BGMはレオンカヴァッロ作曲テノールと管弦楽のための『交響詩〈五月の夜〉』。かなり以前に見本品として送られてきたものだが聴き直すとオモシロイ。オペラ『道化師』に通じるイタリアン・テイスト。テノールはドミンゴ。ラン・ランのピアノ伴奏でレオンカヴァッロの歌曲も5曲入ってる。ピアノ・ソロも2曲。こんな素晴らしいCDを忘れていてはイケマセンねえ。LDのDVDへの転換を頼んでいたのが昼飯時に届く。これで『オン・ザ・タウン』の解説をしやすくなったけど同時に頼んでいたグルダ指揮&ピアノのベートーヴェン『皇帝』が素晴らしいですねえ。久しぶりに聴き直して見直して音楽の楽しさが横溢してますね。バーンスタイン指揮NYフィルの来日公演ショスタコの5番も凄いですねえ。なんでこーゆー素晴らしい名演の画像がDVDにならないんでしょうねえ?そー言えばレイ・チャールズとクレオ・レーンの『ポギーとベス』という素晴らしい演奏もLPレコードでCD化されてませんねえ。イイモノは消えてゆく?

4月5日(金)つづき
以前「ブラック部活」の問題で『ニューズ・オプエド』にも出演していただいた島沢優子さんから新刊『世界を獲るノート』(株式会社カンゼン)が届く。副題は「アスリートのインテリジェンス」。伊藤美誠(卓球)や朝比奈沙羅(柔道)が書きつづったノートや様々なコーチの「新しい」指導が書かれている。面白そう。「ブラック指導」の対極ですね。スポーツの「インテリジェンス」という言葉が市民権を持ち始めましたね。晩飯映画劇場は黒澤明監督『悪い奴ほどよく眠る』。オモシロイ。やっぱり黒澤映画は面白い。2時間半があっという間。三船敏郎・西村晃・森雅之…演技も見事だが脚本がよくできている。なるほどハムレットの復讐劇が下敷きになってますね。しかし汚職事件は今も昔もまったく同じ。公務員の体質も?背後のいつ政治家も?黒澤監督は『生きる』(52年)のあとにこれを創った(60年)のか。「(美しく)生きた」公務員と「(虚しく)死んだ」公務員(公団職員の息子)の物語。モリカケを映画化する監督はいないのかなぁ?本当に「よく眠る奴」は公団副総裁の電話の向こうで話してる奴(政治家?)ですね。

4月6日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩。晴天続き。桜満開。住宅街は静かな休日。はらはらとはらはらと桜散りますはらはらと。ひりひりとひりひりと傷は染みますひりひりと。ふらふらとふらふらと街へ行きますふらふらと。へろへろとへろへろと酒に酔いますへろへろと。ほろほろ春の想い出はぽろぽろ涙こぼれます能吉利人作詞桜井順作曲「春夏秋冬」の「春」ですね。野坂昭如さんが歌ってました。ワン。終日いろいろデスクワーク。疲れたら読書。大澤真幸『社会学史』(講談社現代新書)を読み出す。面白い。ただし『数学する身体』で読書の満腹感を味わった直後だけにチョット重い。アリストテレス→グロティウス→パスカル→ホッブス…まぁボチボチ読みまひょ。晩飯ミュージカル劇場はLDからDVD化してもらった『オン・ザ・タウン』。やっぱりバーンスタインの創ったメロディとハーモニーは美しいですね。リズムは面白いですねぇ。ついでに『キャンディード』も楽しむ。これはバーンスタインが死ぬ前に自ら指揮した映像。原作ヴォルテール。バーンスタインの大学での講義の本を読むとマーラーやストラヴィンスキーと並んでルイ・アームストロングやチョムスキーが出てくるので驚きますよね。晩飯はステーキに美味しい赤ワインでヨメハンが誕生日を祝ってくれる。祝うべきものかどうかワカラナイ。誕生日墓場に向かう一里塚めでたくもありめでたくもなし。66歳か。エッ?67?68?65?モウいくつでもええわ。

4月7日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。連日晴天桜満開。ワン。少し資料の整理なんかしたあと県知事県議会の選挙へ。義務を果たして大船のイタリア料理店センプレッチェへ。俺の誕生祝いとかで大人8人子供2人赤ん坊2人が集まってくれる。集まる時間が遅れてなかなか揃わないのも揃ったらワイワイガヤガヤもイタリア的。ロゼのスプマンテで乾杯のあとメッチャ美味しいナポリ料理にみんなで舌鼓。リーゾナブルな価格とはいえナンデ俺の誕生祝いに俺がカネ出すねん?と思いながらもファミリアと楽しい一時。生ビールに赤ワインにリキュールにレモンチェッロ…昼間から呑みまくって食いまくって…ナポリ出身のシェフも一緒に記念撮影。さあ明日からまた仕事やで。ティンタレーラレルンナお屋根のテッペンで月を見ていたーらネェ恋をしちゃった。森山加代子です。

BOOK
塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』(新潮文庫)
塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』(新潮文庫)

4月8日(月)
朝起きて黒兵衛と雨のなかを散歩。せっかくの満開の桜もこれで終わりかな。ワン。終日デスクワーク。頭休めには塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』(新潮社)昨晩ベッドへ行く前に本棚の奥から発見。ナンデ今まで読まなかったのかワカラナイ。読み出すと面白い。そうか。ルネサンス前史として聖フランチェスコと十字軍で戦わなかったフリードリヒ2世がいるのですね。午後から東海道線で新橋経由浜松町へ。『ニューズ・オプエド』アンカー出演。ゲストはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと希望の党代表の松沢成文さん。松沢さんは慶応高校時代に神奈川県代表に選抜されそうになったラガーマン。ラグビーW杯やJOC竹田会長の実質辞任について話していただく。そうですよね。日本のスポーツ界は年寄りが支配しすぎてますよね。大住さんにはコパ・アメリカの見通しについてチリ・ウルグアイ・エクアドルのグループからベスト8に入れる可能性もありそう?もう一人のゲスト上杉隆プロデューサーが爆弾発言。中央区の区長選挙に立候補宣言。先の都知事選では東京五輪の選手村や施設の整備に関する問題を指摘。最強の泡沫候補として落選したものの今回は居住地である地元で立候補。都議も数人支援者がいるということで小生も支持&応援。2回連続泡沫では洒落にいなりませんからね。番組終えてスタジオの外に出ると土砂降り。傘持参で良かったけど浜松町駅は大混雑。ま。ボチボチ帰りまひょということで東京駅まで出てグリーン車でビール呑みながら塩野七生さんの本を読みながら帰宅。晩飯コンサートはダニー・ケイ指揮NYフィルのブッ飛びギャグ・コンサート。LDからCD化してもらった1980年代のコンサートだけど何度見ても面白いですね。

DVD
『隠し砦の三悪人』
『隠し砦の三悪人』

4月9日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。葉桜もまた美し。青葉なほまさりたり。なぜか清少納言風。そう言えば橋本治さんが亡くなりましたねえ。『桃尻語訳枕草子』楽しませていただきました。『双調平家物語』は大傑作ですね。最初にお会いしたときは背の高さに驚きました。180cmある小生より高い。何かのパーティの席でしたがそこへさらに背の高い荒俣宏さんが来られた。そのときヘヴィ級3人で何かやってよと言ってたKさんも既に亡くなりましたね。生老病死さもありなむ。ワン。終日デスクワーク。疲れたところで昨日ノーボーダーの事務所宛に送られてきた手紙と本を開く。『書斎のゴルフvol.41』(日本経済新聞出版社)ゴルフと疎遠の小生はそんな本があるのを知らなかったけど読んで下さいと送ってこられた村越秋男さんの「知らなければ恥ずかしい!正しいゴルフ英語」という原稿は面白かった。日本で言うアプローチは英語では「パー4(または5)でグリーンを狙うショット」のことで日本語的に「ボールをカップに寄せること」は英語ではチップ(chip)と言うらしい。知らなんだ。「フェアウェイをキープ」と言うのもJapanglishで正しくはhit the fairwayと言うらしい。そう言えばLay Charlesの歌に「Hit the road,Jack!」(旅立てジャック)という歌がありましたね(関係ないか?)。ケッサクなのは「スコアアップ」「ハイスコア」「ビッグスコア」という日本のゴルフ界で使われている言葉ゴルフのスコア(ショットの数)は少ない方がイイわけですからそれらの言葉は「スコアを悪くする」「悪いスコア」「大叩きしたスコア」の意味。なのに日本では「スコアをよくする」「良いスコア」「素晴らしいスコア」の意味で使われているとか。野球のフォアボールやデッドボールも間違った英語とはいえ正反対の意味ではないですからね。そんな日本の間違ったゴルフ英語用語が30近く並んでいる。アゲインストの風/フォローの風/ツーオン/パーオン/ナイスオン/シングル…等々すべてオカシナ日本式ゴルフ用語とか。ゴルフをやらない小生は嗤って済ませられるがゴルフを書いたり語ったりするときは注意しましょう。

4月9日(火)つづき
晩飯映画劇場は黒澤明監督『隠し砦の三悪人』。なるほどこれは最高の娯楽映画ですね。こういう面白さはみんなハリウッドに奪われたのかな?狂言回しはR2D2とC3POですからね。そして最後はスカッと大団円。なるほど黒澤明という監督はジョン・フォードと競っていたのですね。そしてその手並みはルーカスやスピルバーグに引き継がれたのですね。黒澤流はカネがかかりますからねぇ。日本の映画界は引き継げなかった?

Blu-ray
『理由なき反抗』
『理由なき反抗』
DVD
『ウエスト・サイド物語』
『ウエスト・サイド物語』
Blu-ray
『地獄の黙示録』
『地獄の黙示録』
『イージーライダー』
『イージーライダー』
BOOK
久保田圭一『究極の“コト消費"であるスポーツビジネス成功のシナリオ』(日経BP社)
久保田圭一『究極の“コト消費"であるスポーツビジネス成功のシナリオ』(日経BP社)

4月10日(水)
朝起きてベッドの中で塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』1時間読み進んだあと起きて黒兵衛と散歩しようとしたら激しい雨。しかも冷たい。寒い。F1取材でもらったハーフコートのようなジャケットの上にディズニーランドで子供が買ったミッキーマウスのレインコートを着て散歩。黒兵衛も寒い雨に参ったのかソソクサと雲古をして帰宅。終日いろいろデスクワーク。気温がどんどん低くなったのか寒いので机の下のヒーターにエアコンの暖房もつけて仕事。疲れたところで手を出した本は久保田圭一『究極の"コト消費"であるスポーツビジネス成功のシナリオ』(日経BP)。小生の好きなジャンルではない本だけどスポーツで巨額の金が動いていることは知っておく必要がある。長いタイトルにまだ副題がついていて「メッシの踏んだ芝生はなぜ売れるのか?」この問題設定は良いですね。こういうスポーツビジネスに関わっている人達が日本のスポーツはメディアが支配している限り発展せず世界から置いていかれる…と声を出してほしいものですね。

4月10日(水)つづき
晩飯映画劇場は突然見直したくなったジェームス・ディーン&ナタリー・ウッド主演『理由なき反抗』。大昔に見たきりでDVDも安売りで買ったきりで半世紀ぶりくらいに見直してみたら戦後の1950年代に富と豊かさを謳歌していたアメリカ白人社会の癌がよくわかった。豊かになって傲慢になった白人社会が次世代(子供たち)とのコミュニケーションに失敗してアメリカ白人社会が没落するのですね。そしてヴェトナム戦争→黒人暴動→ケネディ暗殺→公民権運動→ウォーターゲート事件→ヴェトナム敗戦…。日本今の子供たちの数々の事件も親世代の傲慢?で社会の崩壊を招くのか?映画のタイトルは『理由なき反抗Rebel Without a Cause』だけどコレは『理由ありありの反抗Rebel With a Cause』ですね。この映画に『イージー・ライダー』や『地獄の黙示録』のデニス・ホッパーが出ていたとは知らなんだ。ナタリー・ウッドは5年後(24歳)の『ウェストサイド物語』の時のほうが可愛いですね。突然ですがブラックホールの写真スゴイ!

Blu-ray
『エデンの東』
『エデンの東』

4月11日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩。三寒四温ではなく一寒一温で繰り返す春なのか?今日は晴天暖かい。昨日の寒さとは雲泥。ワン。終日デスクワーク。春陽堂『スポーツって何だ?』の単行本用マトメ直しと書き下ろし『スポーツ・ジャーナリズム』に集中。途中休憩は『ルネサンスとは何であったのか』フィレンツェからローマ→ヴェネツィアと中心地は移る。イタリアは個性溢れる都市が多いなぁ。東京中央区長選に立候補を決めた上杉隆にローマを目指せと伝えなきゃ。そして地方都市にも配慮を。晩飯映画劇場は昨日に続いてジェームス・ディーンの『エデンの東』。相当昔(高校時代?)に見たけどジェームス・ディーンはカッコいいと言うこと以外記憶になし。第一次大戦中のアメリカ・カリフォルニアの豊かな家庭に育った兄弟の話。真面目な父。離婚して水商売で成功した母。真面目な父の性格を引き継いだ兄。アイデンティティを求めて悩む弟は母を探し出し事業に失敗した父親の損失をカバーする金儲けをするがソレは戦争を利用して儲けたカネだと父親に非難される。悩む弟と同じ悩みを持った兄の恋人は弟に接近。弟と喧嘩した兄は戦争へ。脳卒中で倒れた父親の傍には弟(ジェームス・ディーン)が寄り添う…サスガはスタイン・ベックの原作。人間関係が複雑で面白くRoaring Twenties(狂騒の20年代)に突き進もうとするアメリカ社会を投影している。誰もがエデン(楽園)の東に追放された社会で苦しみ悩んで生きてるわけですね。そこから狂乱の時代(華麗なるギャツビーの時代)がはじまりウォール街の株暴落と世界恐慌へと続くわけですね。歴史は何度も繰り返す?しかし日本の政治家の阿呆さカゲンも暴落続落底抜け底なしですね。いや政治家だけではないか…。あ。『エデンの東』の舞台はカリフォルニアのサリナスで母親の経営する酒場がモントレー。団野村さんが野球チーム(サリナス・スターズ)を持った場所と有名なジャズ・フェスがある場所だったんですね。

CD
『ワイル:三文オペラ』
『ワイル:三文オペラ』
『ワイル:三文オペラ』
『ワイル:三文オペラ』
『マック・ザ・ナイフ/枯葉』
『マック・ザ・ナイフ/枯葉』
『7つの大罪/歌のあるバレエ』
『7つの大罪/歌のあるバレエ』
『ミルバ・クラシックス』
『ミルバ・クラシックス』
『モーツァルト:交響曲第25番&第29番&第35番』
『モーツァルト:交響曲第25番&第29番&第35番』

4月12日(金)
朝起きて雨のなか黒兵衛と散歩。寒い。ほんまに一寒一温やなぁ。ワン。終日デスクワークas yesterday.仕事はコツコツやるべきですね。BGM選びが難航。CD棚を見て迷う。こーゆーときはモーツァルト。モーツァルトに間違いなし。バーンスタインの後期交響曲集をかけて仕事。午後からはそれだけでは芸がないと思いCD棚を再渉猟。ベルトルト・ブレヒトの戯曲『三文オペラ』にクルト・ワイルが作曲した音楽が目に留まる。いつもはワイル夫人のロッテ・レーニャが「海賊ジェニー」を歌ってる録音をLP時代から愛聴していたが今日はジョン・モーセリ指揮RIASベルリンシンフォニエッタ盤。コレも凄いのはルネ・コロやデルネッシュのオペラ歌手に加えてミルバやウテ・レンパーやドイツの役者が加わってジンタの雰囲気を醸してること。久しぶりに聴いて堪能。逆に歌と音楽に耳と頭を奪われて仕事が余り捗らないのが難でした。夜大船へ。浅尾慶一郎元衆議院議員の事務所で40人くらいの支持者の皆さん相手にミニミニ講演会「ザ・チャレンジ勉強会」。スポーツの面白さと重要性について話す。皆さん興味を持っていただいたようで終わってから皆さんと懇親会へ。ビールとピッツァを少々いただいて歓談のあと帰宅。風呂。寝る。小生は何党の人物から招かれてもその人物がキチンとした人物だと思ってスポーツの重要性を話す機会を与えていただければ話し行きますけど…政治家という職業もタイヘンですねぇ。石が流れて木の葉が沈む。しかし日本の政党政治の「党議拘束」という馬鹿な(自分でモノを考えない)代議士が馬鹿な(自分でモノを考えない)代議士を再生産する制度はなくならないモノですかねえ。

PHOTO
レニ・リーフェンシュタールさんと市川崑さんと3ショット
レニ・リーフェンシュタールさんと市川崑さんと3ショット。この時の座談会は『中央公論』 年 月号に掲載されました。みんな若い!?

4月13日(土)
朝起きて好天のなかを黒兵衛と散歩。昨日とは一転してポカポカ春の陽気。葉桜五分の桜吹雪がハラハラリ。ワン。帰宅後イロイロ準備して湘南新宿ラインで渋谷へ。山手線で原宿経由地下鉄千代田線で一駅。代々木公園駅下車。白寿ビル本社の会議室で日本スポーツ学会主催「スポーツを語り合う会」に登壇。第1部はロバート(ボブ)・ホワイティングさんの著書『ふたつのオリンピック』を中心に1964年の東京オリンピック当時の東京の話題をトーク。米空軍の諜報員として来日したボブさんがそのまま東京に住み着きどうして野球やヤクザをテーマにしたノンフィクション作家になったかを小生が訊き手になって喋ってもらう。第2部は小生が生前の市川崑監督から何度か聞いた話を中心に映画『東京オリンピック』について語る。最後にサイドボブさんと一緒に1964年と2020年のオリンピックに着いて語り合って幕。2020の組織委の方や大学でスポーツを教えている先生など50人くらいの方々に満足していただけたようで終わってからボブさんや主催者の長田渚左さんらとイタリア料理店で軽く打ち上げのビールと赤ワインのあと帰宅。しかし土曜の原宿駅は大混雑。渋谷駅は工事だらけ。東京一極集中はドを超してる模様。選手村のあとに何万にもの人が引っ越してきて…オリパラはコレでいいのかな…。

4月14日(日)
朝起きて晴天の下黒兵衛と散歩。予報では雨気味のはずが一転綺麗な青空。朝は晴れ。午後から曇り。夜は雨。わかりやすい一日。ワン。昔からお付き合いしていた古本屋の主人が来週火曜に来てくれるというので本棚の整理。残しておいても仕方のない本はすべて引き取ってもらいましょう。良い本が山ほどあるけど子も孫も読まないから邪魔なだけ。自分の読み直したい本以外はすべて酒に…いやお小遣いに変えましょう…と汗だくになって終日古本屋さん行きの本を整理。ふうううう。汗をかくと晩飯のビールが旨い。けど映画を見る気力はなくなる。『バンキシャ!』で高校球児の丸刈りがなくなる話題を見る。数日前に女性スタッフが電話をかけてきたので朝日新聞の野球害毒論の反動から軍隊調教育(丸刈り)が広がった話をしたがまったく使われず。シャーナイナァ。『ダーウィンが来た!』のビッグキャット特集を楽しんだあと『いだてん』。最近は面白く見てるけどスポーツの視点が現代的すぎて明治のスポーツはどこまでが事実かなぁ?とチョイと首を傾げる。うわっ。野球害毒論が突然出てきたけど一般の人には解りにくかったでしょうねぇ、志ん生の伝記ドラマだけでもイイのに…とも思ってしまう。烏の行水のあとNHK-Eテレでグザヴィエ・メストレとか何とか言うイケメン・ハーピストの演奏でグリエール作曲『ハープ協奏曲』。初めて聴く曲。1・2楽章は面白かったけど3楽章はつまらなかった。NHK総合にチャンネルを変えて『サンデースポーツ』でテストステロン(筋肉増強ホルモン)の過剰分泌で女性と認知されないアスリートの悲劇のレポートが興味深かった。未来のスポーツ競技は男女別でなくテストステロンの分泌量で分類するか?そんな馬鹿なことをするよりパラリンピックと合体して競技を相対化する(勝者の価値を薄める)ほうが先決でしょうね。そのあと『情熱大陸』でブラックホールの撮影をリードした国立天文台の本間稀樹教授のドキュメンタリー。面白かったですねえ。科学の進歩は凄いけど目を閉じれば想像できますよ…と岡潔さんなら言いそうかも。

BOOK
村上晃一『ラグビーが教えてくれること』(あかね書房)
村上晃一『ラグビーが教えてくれること』(あかね書房)

4月15日(月)
朝起きてイイ天気のなかを黒兵衛と散歩。雨は昨晩だけで止んだ模様。ワン。本の整理を少し続けて昼過ぎからは東海道線で東京へ。『ニューズ・オプエド』アンカー出演。今日のゲストは初登場ラグビー・ジャーナリストの村上晃一さんとスポーツライターの青島健太さん。青島さんはいつもヤクルトを何本か差し入れに持ってきてくれるのでスタッフは大喜び。宣伝する気はないですがヤクルトを嫌う人ってまだ逢ったことないですね。そのヤクルトの快進撃についてイロイロ楽しく話をきく。村上さんにはたっぷりラグビーの話。ラグビーのルールがよくわからないという人が多いけど村上さんの説明ではルールの基本は2つだけ。ボールより前でプレイしない。ボールを持って倒されたらボールを離す。これでボールを前に進めれば良いだけ。まったくスポーツのルールを知らない人が野球とラグビーを見ればよっぽどラグビーのほうが簡単だとも。なるほど。そうですね。おまけに村上さんが持参して下さった自著『ラグビーが教えてくれたこと』(あかね書房)が素晴らしい。ラグビー憲章に準じて各章が「キャプテン」「品位」「情熱」「結束」「規律」「尊重」というタイトルでラグビーという競技の本質が説明されている。小学生向けに書いたとのことだが大人が読むのに十分耐える。いやそれどころか大人が読むべし。勝敗ばかりに汲々としているスポーツ「ファン」が読むべき一冊ですね。ラグビーW杯の今年。村上さんにはレギュラー級の出演をお願いして初登場終了。スタジオ前の蕎麦屋でお酒でも…と思ったが(酒もラグビー文化の一部と五郎丸さんも言ってましたからね・笑)用事があるとのことでまたの機会に。帰宅後メシ&風呂&酒&テレビでNHK『逆転人生』金星探査機あかつきが金星の周囲を回る軌道を外れて太陽付近を回ってしまったのを5年越しに金星の軌道に復活させた物語。昨日のブラックホールに続いて宇宙を相手に仕事をしている人達の活躍は素晴らしいですね。

4月16日(火)
朝起きて日本晴れのなかを黒兵衛と散歩。ワン。そのあと古本屋さんに売却する本の整理を少しやって仕事の整理も少しやって昼飯のあと古本屋さん「遊BOOKS」の御主人が来宅。以前大船で古本店を構えていて何度かお世話になったが今は横浜。どんな店かは存じ上げないが最近はネットで商売されているとか。山ほどの本を丁寧に御覧になって予想以上の値をつけていただきました。どうせ要らなくなった本で子供も孫も読みそうにない本をありがとうございます。本を検品されながら古本世間話。久生十蘭全集を手にとって「この全集なんか昔は人気があって言い値がついたのですが今はダメですね」「こんな小さな字は誰も読まなくなった」傍の本棚にあった高橋和巳全集も「コレも旬が終わりましたね。持っておられるほうがイイですよ」「最近は昔の映画のチラシなんかになかなかけっこな値がつくんです。パンフレットは残してる人が多いけどチラシはみんな棄てますからね」「それにウルトラマンの飛び出す絵本なんかも驚く値がつく。みんな遊んで壊してますからね」「漱石全集鴎外全集などは二束三文ですね」世の中変わりますね。ノートルダム寺院の火災はフランス人ならずともショックですね。岡本太郎が生きてたら何と言ったかな?何しろ法隆寺金堂が焼け落ちたときに「焼けて結構。もっと良いのを創ればいい」と言った人ですからね。晩飯のあとTBS『ひるおび!』スタッフと打ち合わせ。明日は久しぶりにテレビ出演。しかも明るい話題での出演は嬉しいですね。

BOOK
『無敗の王者 評伝ロッキー・マルシアーノ』(早川書房)
『無敗の王者 評伝ロッキー・マルシアーノ』(早川書房)
『ウンベルト・エーコの世界文明史講義』(河出書房新社)
『ウンベルト・エーコの世界文明史講義』(河出書房新社)

4月17日(水)
朝起きて少し早い目に黒兵衛と散歩。普段より多くの犬の散歩の人と出逢って御挨拶。いつもの俺の散歩が平均よりも遅いということか?ワン。準備をして久しぶりのテレビ出演のため東海道線で新橋へ…と思ったらナント東海道線が止まってる。原因不明。というか来ない放送がまるでない。あったと思ったら東京方面へお越しの方は横須賀線をと言うので慌てて階段登って降りて横須賀線のホームへ行くと2本離れた東海道線のホームに遅れていた電車が到着するのが見える。クッソー!!とも思うが時間に余裕があるので深呼吸して怒りを静めて横須賀線で新橋へ。タクシーで赤坂TBSへ。久しぶりに『ひるおび!』生出演。来年のオリンピックのスケジュールが発表されたことについて青学陸上部監督の原晋監督や柔道家の野村忠宏さんらとイロイロ話す。結局五輪のスケジュールを決定するのはアメリカのテレビ局なんですよね。オリンピックは東京の街を歩いて雰囲気を味わうだけでも貴重な体験というコメントに司会の恵さんがそのとおり!と反応。パラリンピックや五輪芸術祭や團十郎の襲名…等についても話したかったけどまたの機会に…。あ。それにボクシングは除外されそうな雲行き…も次の機会に。ロッキー・マルシアーノの評伝のなかに「今にボクサーはローマ帝国時代のグラディエイターたちのような昔話になる」と書かれていたけどそうなりそうな気配もしますね。テレビ局のクルマで帰宅。短い連載コラムを書いてもう1本…と言うところでダウン。ビール&晩飯&風呂&酒…で締め切りは明朝に延ばしてもらう。歳を取ると確かに粘りがなくなるのかな。読書in bedはウンベルト・エーコ『世界文明講義』の拾い読みが面白い。どこを開いても面白っく勉強になるが「パラドクスとアフォリズム」の章が興味深いですね。

BOOK
アーロン・スキャブランド『犬の帝国-幕末ニッポンから現代まで』(岩波書店)
アーロン・スキャブランド『犬の帝国-幕末ニッポンから現代まで』(岩波書店)

4月18日(木)
朝5時前に起きて『ZAITEN』の連載執筆。高校野球の球数制限や長髪容認のナンセンスさとそれに輪をかけたテレビ「報道」の馬鹿さ加減について書く。8時半からRKB毎日放送『インサイト・コラム』電話出演。タイガー・ウッズのオーガスタ復活優勝に触れたあと『書斎のゴルフ』(日経出版社)に村上秋男氏が書いた「知らなければ恥ずかしい 正しいゴルフ英語」の話をする。以前本欄にも書いたけどフェアウェイ・キープは英語ではフェアウェイの芝生を綺麗に手入れすること。ツーオンはグリーンの上にゴルフ・ボールが2個あること…等間違った英語を紹介。MCの桜井浩二さんもこの記事を読んでいて間違いはワカルが改めるのは難しいという意見。私は本当の英語表現を知った上で和式英語を使うのはかまわないという意見。野球のフォアボールやデッドボール…競馬のカンパイ(スタートのやり直し)やハロン(ファーロングの訛り)も同じ。誰もが使うようになった和製英語は使いましょう。ただし本当の意味や使い方も知っておきましょう。明治時代に日本に入ってきた洋犬は「カメ」と呼ばれたくらいですからね(飼い主の西洋人がCome here!と叫んでるのをきいた日本人が洋犬をカメと呼ぶようになったのだ=アーロン・スキャブランド『犬の帝国』岩波書店より)。ピジンやクレオールを生み出すのは人間の言語の特質ですからね。ラジオのあとカメの黒兵衛と散歩。帰宅して原稿読み直して送稿。昼寝じゃ。

4月18日(木)つづき
昼寝明けでデスクワーク。と言うより雑務いろいろ。あっという間に晩飯時。今朝WOWOWで録画したメトロポリタン歌劇場のモーツァルト『魔笛』を見る。歌手も演奏もレベルも高く演出も面白い(『ライオンキング』の演出家ジュリー・テイモアがミュージカルと同様に仮面を多用)けど衣裳が凝りすぎてウルサイのが残念。それにメトのように大きな劇場ではモーツァルトはやっぱり向かないですね。歌手のレベルは高いけど歌が雑に聴こえてしまって可哀想。けどまぁ楽しめた。70歳を超えた指揮者のレヴァインはパーキンソン病も発症したあとか指揮台の椅子に座ったまま。その椅子がぐるりと一周回る仕掛けで左右の楽団員に向かって指揮したり観客の拍手に堪えたり。"事件”から復帰したのかと思ったら2017年秋の舞台だった。彼が男性への性的虐待でメトを解雇されたのは翌18年3月。ナルホド過去の作品までオクラにすることなどあり得ないのですね。

Blu-ray
R・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』
R・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』
DVD
R・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』
R・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』
Blu-ray
R・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』
R・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』
DVD
R・シュトラウス『エレクトラ』
R・シュトラウス『エレクトラ』

4月19日(金)
朝起きると今日はWOWOWでメトロポリタン歌劇場のR・シュトラウス『薔薇の騎士』をやっている。ルネ・フレミング最後の侯爵夫人だとか。それ以上にロバート・カーセンの広い舞台を思いっ切り広く使った演出が面白い。朝からオペラはチョット重いので録画して黒兵衛と散歩。好天続きですね。Tシャツ1枚で散歩に出られるようになった。今年の夏も暑いかな?来年の五輪はどーなる?ワン。帰宅してデスクワーク。連載原稿の校正をしたり来週のオペラ講座の準備をしたりイロイロ。新聞の整理をしていたら昨日付の東京新聞に野田秀樹さんが面白い原稿を寄せていた。「令和」を外務省は「beautiful harmony」と英訳したらしいが「令」が「美しい」の意味で使われるのは「ご令息」「令夫人」くらいなもので「令」は尊敬語としての「美しい」で本当は「美しい」とは思わないけど上司の奥さんだから「美しい」みたいなこと。安倍首相は「令和には人々が美しく心を寄せ合うなかで文化が生まれ育つ」と「宣うた」がコレはどこかオカシイ。試しに美しくを除くと明快になる。「人々が心を寄せ合うなかで文化が生まれ育つ」これで「実にスッキリ」「美しく心を寄せ合うってどういう意味?心を寄せ合うことがもともと美しいんじゃないの?」「ま。こういう文面を考えてるのは役人だろう」と書きながら野田氏はこう結論。《だが「美しい」とは危うい言葉だ。寧(むし)ろ我々「芸術」に携わる側のコトバで「政治」の世界で使われるべき言葉ではない。「美しくない」という情緒的な理由で軽々しくヘイトされては困るからだ》最近の面白い新聞は東京新聞だけですね。晩飯はロバート・カーセン演出の『薔薇の騎士』を見ながら。演出は面白くバイグレの指揮によるタップリしたテンポの音楽も良かった。ルネ・フレミングもガランチャのオクタヴィアンも良かった。風呂のあとカラヤン指揮シュワルツコップの侯爵夫人の舞台やクライバー指揮オッターのオクタヴィアン&ロットの侯爵夫人の舞台の第3幕終盤を見直してみたがメトの舞台はそれらの伝説の舞台と並ぶ素晴らしい出来映えですね。最近の演出ではクプファーのプロジェクション・マッピングを多用した演出も面白かったけどカーセンが一枚上手ですね。

4月20日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩。見事な晴天続き。汗ばむ陽気。ワン。少しデスクワークのあと昼飯食って湘南新宿ラインで恵比寿へ。渋谷から山手線に乗り換えると歩く距離が超長くなるので恵比寿乗り換えで原宿へ。凄い人混みと中国語の洪水のなか千代田線で一駅。代々木公園下車。白寿ビル会議室で日本スポーツ学会『第117回スポーツを語り合う会』に出席。長田渚左さんの司会で上智大学教授の師岡文男さんが講演。写真家の父上師岡宏次氏と仲間(東京エイト)が残された1964年東京五輪の貴重な8oカラーフィルム映像を抜粋で楽しむ。先週品切れになって渡せなかった拙訳の『ふたつのオリンピック』をプレゼントするとお返しにカラーフィルムの全編をダビングしたDVDをいただいた。ヤッタァ!皆さんとイロイロお話もして懇親会は失礼して帰宅。隣人がパリから帰宅されたので『鮨処もり山』で久しぶりに会食。ノートルダム寺院火災のフランス人のショックはやっぱりなかなかのもののようですね。

4月21日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。平成から令和への日々は日本晴れの好天続きと記録されるのか?まだちょっと早いかな。ワン。少しデスクワークのあと東海道線と横浜戦で日産スタジアムへ「こどもラグビー ワールドフェスティバル」を見に…と思ったら平塚付近の踏切で事故とかで東海道線が止まってる。大船駅は人で溢れて大混雑。横須賀線のホームへ移動したらその間に東海道線が1本動く。チクショー。おまけに横須賀線がなかなか来ない。おかげでチョイと見ようと思った午前中の子供たちの試合が見れなかった。スタジアムに着いたのは昼食時で貴賓席に案内されてスタッフの皆さんに挨拶。『オプエド』アシスタントの佐藤由季さんもスタンドに来ていたので貴賓席に招いてこのフェスティバルの仕掛け人の神戸製鋼の林敏之さんを紹介。横浜市の日産スタジアムの関係者や神奈川ラグビー協会の会長さんも取材に応じてくれてイロイロ話を聞かせていただく。おまけに貴賓席からフィールドが見える天皇陛下の座ったVIP席に座って満足。佐藤さんもアン女王の座った席に腰を下ろしてご満悦。午後からはいろんな国のラグビー・コーチが違う国の子供たちを指導するクリニック。子供たちは大喜びの様子。オーストラリア・イングランド・インドネシア・イタリア・ニュージーランド・スコットランドに神奈川県のラグビースクール18チームが参加。ニュージーランドの子供たちは試合前にハカを披露したとか。試合後の挨拶ではどの国の子供たちのキャプテンも見事な挨拶だったとか。林さんの夢がかなった素晴らしいイベントでした。来年も頑張って下さい。帰宅してテレビをつけると巨人阪神戦。今年の阪神は巨人に1試合も勝てないのでしょうか?明日の佐渡裕さんとのトークショーの準備をして晩飯。電車の混雑に疲れたのか晩飯のあと爆睡。『いだてん』は録画。

DVD
『ウェストサイド物語』
『ウェストサイド物語』

4月22日(月)
朝起きて黒兵衛と散歩。いつまで続く夏の陽気。ワン。朝のうちに連載の校正などをやっつけて赤入れをFAXで送稿。FAXの回線が向上。これは光回線にしたことのメリットかな。レナード・バーンスタインに関する資料を何枚かコピーして午後から新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターのスタッフたちとビデオや資料について打ち合わせ。西宮から兵庫県立芸術文化センター(PAC)のスタッフも駆けつけて打ち合わせの終わった頃に佐渡裕さんが一人でひょっこり現れる。まったくマエストロらしくない態度はいつものこと。さっきまで名古屋フィルとウィーンから来日したメンバー(トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーン)の明日の合同公演のためR・シュトラウス『アルプス交響曲』のリハーサル。それを終えて駆けつけて下さって2人でトークショウ。テーマは今夏のPAC公演バーンスタインの最初のミュージカル『オン・ザ・タウン』について。そのストーリーの面白さや音楽の素晴らしさをビデオを使って解説してもらったり…電子ピアノを用いてバーンスタインの音楽作りの見事さを『ウェスト・サイド』の音楽を例に解説してもらったり…最後は教室いっぱいの80人以上の聴衆からの質問に答えてバーンスタインがカラヤンに対してどんな考えを持っていたか…などなどオモシロイ話が満載の午後6時からのアッという間の1時間半。聴衆の皆さんも満足されたようだけど7月の『オン・ザ・タウン』はキャスト全員をロンドンでオーディション。2000人以上の歌手やダンサーのなかから40人弱を選んだそうでリハーサルもロンドンで行ったあと日本公演らしい。これは大いに期待できそうです。話しているほうも楽しいトークショウでしたが終わってみればやはり結構疲れて新幹線ではビール・ロング缶2本呑んでコテンと寝られるかと思ったら結構興奮して眠れず。イイ仕事のあとってこーゆーことママありますよね。帰宅して風呂のあと爆睡。

DVD
山本太郎・雨宮処凜『僕にもできた!国会議員』(筑摩書房)
山本太郎・雨宮処凜『僕にもできた!国会議員』(筑摩書房)
CD
『Journey Within』
『Journey Within』

4月23日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。昨晩の爆睡後の散歩は爽快。やはり仕事による身体的疲労とその回復は歳を取ってもポジティヴな前進感を精神的にも与えてくれるようですね。ワン。終日デスクワーク。筑摩書房から毎月送ってくる『ちくま』5月号の巻頭コラムに島田雅彦氏が登場。亡くなった橋本治氏に代わってコラムを引き継ぐには打って付けですね(斎藤美奈子氏は既に別頁で<世の中ラボ>という面白い書評コラムを書かれてますからね)。島田氏のコラムのタイトルは「山本太郎を守れ」。ドン・キホーテ山本太郎の「徒手空拳で巨悪に突撃してゆく蛮勇こそ現在の政治家に最も必要とされる素質である」と断言。彼の六年間の議員活動は「安倍政権の悪政と重な」り「この間に悪政があまりに自明のこととなってしまい有権者のあいだに諦めムードが広がりだした」結果「財政破綻は秒読み廃炉への道は遠く放射能はアウト・オブ・コントロール外交安全保障もすべて裏目」「首相とその不愉快な仲間たちは官房機密費を使ってマスメディアを籠絡し世論操作」「その絶大な権力を使ってやることといったら自分たちの不正失策を隠すこと」「アメリカ大統領のパシリとして貢ぎ日米安全保障条約および日米地位協定を憲法の上に置きこの国の占領状態を維持」「その利権で私腹を肥やす」そんな「悪政が続く」なかで「無関心な人々の共謀をいかに打破するかそれが問題」と指摘する島田氏は「待望されるのは常識を覆すリベラルのトリックスター」であり「王様は裸だといえる正直者の素人にしかこの国は変えられない」と書く。「山本太郎が首相になると聞いてまさかという人は政治の本質をまだわかっていない。実際極右政権が六年も続くという「まさか」を見てきたのだからその反動から山本太郎首相の誕生は十分あり得ると考えなければ……」長く引用してしまった。島田氏の文章は山本太郎・著雨宮処凜・取材構成『僕にもできた!国会議員』(筑摩書房)の紹介になっている。読んでみよ。

4月24日(水)
朝起きて黒兵衛と散歩。今日はクラウド・ファンディングによるネット中継「スポーツ・インテリジェンス・スクール」の開講日。宣伝が行き渡ってなのでまだまだ「パトロン」になって「寄付」してくれる人が少ないのは仕方ない。初日の今日を予告編的に無料で配信して多くの「パトロン」「協力者」「受講生」の方が集まってくれることを望みます。ワン。「キャンプファイヤー 玉木正之」で検索してご参加下さい。というわけでその準備のために終日デスクワーク。途中昨日入稿した北國新聞の校正をしたり…で夕方から東海道線で新橋へ。山手線で浜松町へ。「オプエド」と同じAVATTA STUDIOでスタッフの皆さんの協力とアシスタントの川島ノリコさんの協力を得て「スポーツ・インテリジェンス・スクール」をナマ配信。日本のスポーツ・ジャーナリズムの問題点を話したあとスポーツ・ジャーナリズムを担う人々(スポーツライター・スポーツコメンテイター・スポーツカメラマン…等々)の仕事を?スポーツを知らないことに気づく(気づき)?スポーツを知る(学ぶ)?すぽーつをみる(見る・視る・観る・看る・診る…)?スポーツをきく(インタヴュー・聞く・聴く・訊く…)?スポーツを想像する?スポーツを表現する?スポーツを考える。以上を簡単に説明したあと(想像することが重要!)プラスαとしてスポーツと関係のない「サブ能力」について説明。元イングランド・サッカー監督のエリクソンがセレクトしたクラシック音楽集や元ヤンキースの4番打者バーニー・ウィリアムスがリリースしたギター演奏のCDなどを紹介。サッカー協会名誉会長の川淵氏が披露したお嬢吉三の名台詞「月も朧に白魚の…」など雑学はスポーツライターを助けることを説明。1時間と少し喋りっぱなしでサスガに疲れたけど番組途中に入ってきたたくさんのツイートはおおむね好評。ま。がんばってやりましょう。第2回講座は5月29日です。 https://camp-fire.jp/projects/view/145250

BOOK
橋本治『思いつきで世界は進む』(ちくま新書)
橋本治『思いつきで世界は進む』(ちくま新書)
柄谷行人『世界新実験』(岩波新書)
柄谷行人『世界新実験』(岩波新書)

4月25日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・コラム』電話出演。高橋尚子さんや有森裕子さんなど素晴らしい女性マラソン・ランナーを育てた名伯楽小出義男さんが亡くなったことに少し触れる。80歳。戦中生まれ。戦後まだ軍隊式練習が主流だったときに楽しい練習を最初に取り入れた指導者ですね。そして白鵬の三本締めに処分が下ったこと。紙送りの儀式の前に「締めて」しまったことに対する処分としては軽いですね。親方にもなろうかという人物が神送りの儀式も知らないでは務まらない。おまけにあの拍手の仕方はありえない。まるで鮨を握るような拍手で金正恩の拍手にそっくり。前に万歳三唱をしたときも汽車汽車シュッポシュッポのような万歳だった。日本人の万歳の仕種は心から出るものとして手の甲を前にして腕を上げて外側に開くとき手のひらが内側を向く(とかつて野村万之丞さんに教えてもらった)。相撲ではガッツポーズも絶対にダメ。手を握るのは武器を隠している動作となる。相撲が日本の伝統文化として存続するなら相撲関係者はそのくらい心得ておいてほしいですね。ラジオのあと黒兵衛と散歩。そして大船へ。銀行でお金を引き出したりイロイロ処理。10連休とは関係ありません。消費税を払わなければならないだけ。とほほ。本屋に寄って注文していた本を2冊手に入れる。赤坂真理『箱の中の天皇』(河出書房新社)『東京プリズン』(河出文庫)。同じ著者の『愛と暴力と戦後とその後』(講談社現代新書)を読んで面白かったので注文して買いました。ついでに橋本治『思いつきで世界は進む』ちくま新書。『月刊ちくま』の連載で読んでいたけど面白かったので購入。その隣にあった柄谷行人『世界史の実験』(岩波新書)も衝動買い。帰宅して通信社の連載コラム1本書いて校正やってメシ&風呂&酒&寝る。

BOOK
養老孟司『骸骨考:イタリア・ポルトガル・フランスを歩く』(新潮社)
養老孟司『骸骨考:イタリア・ポルトガル・フランスを歩く』(新潮社)

4月26日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩…と思ったら外は土砂降り。ここ数日平成最後の好天続き…と思っていたら春の天気は順繰りに回るもののようで仕方ないですね。決心してレインコートに身を固めて土砂ぶれのなかへズブ濡れになりながら黒兵衛と散歩。雲古を処理して早々に退散。黒兵衛もズブ濡れ。終日デスクワーク。「晴耕雨読」の一日。色紙を求められたら「晴球雨読」などと書く。「知魚楽」と書くことも。これは荘子の言葉。湯川秀樹の著書で知った。「魚の楽しみを知る」弟子に「師は魚の楽しみがわかるのですか?」と訊かれて「どーしてオマエには魚の楽しみがワカラナイのだ」と答える。一種の禅問答だがスポーツマンの楽しみを知る方法論でもありますね。昨日買った赤坂真理さんの著作を早く読みたいが養老孟司さんの『骸骨考 イタリア・ポルトガル・フランスを歩く』(新潮社)がまだ読み終わらない。STAP細胞の話題なんかも出てきてコレがなかなか面白い。小生もイタリア・アッピア街道を毎日放送の『道浪漫』という番組で旅したとき訪れた骸骨イッパイのCATACOMBで養老先生がイロイロ考えたエッセイ。若い頃は読書を何冊も並行してできたけど歳取ると一冊ずつ読み切らないと頭が追いつかない。だから老人はクルマの免許の返納を!というのが小生の論理です。ただし小生はクルマの免許など持ってません。免許を取ると家の電器屋の手伝いをさせられそうに思ったので取らなかったけど現在まで免許のないことで不自由したことなど一度もないですよ。田舎に住んだことがないからでしょうけど…。

4月27日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩のあとチョット早めに大船へ。なんてったって今日から10連休ですからね。名古屋行き新幹線を早めに確保しようと思ったらすでに遅すぎたのか下りの東海道新幹線はグリーンも含めてすべて満席。まいったなぁ。仕方ないので東京からの自由席を買って2台くらい見送ったあとの東京発の新大阪行き自由席に並んで乗ってやっと座れる。品川からは通路まで立ってる人で満席。中国語ドイツ語英語が飛び交う。やっとのことで名古屋について栄の中日文化センターへ。今日から『レナード・バーンスタイン(レニー)のすべて』と題してレニーのあらゆる魅力を紹介。ヴェルディ『レクイエム』の「怒りの日」のダイナミックな指揮を紹介したあとNYフィル時代の指揮者としての名演(チャイコフスキー5番2楽章や4番終楽章。ヨーロッパに進出してウィーン・フィルを指揮してハイドンの88番「V字」の終楽章。このアンコールではレニーは指揮せず腕を組んで目だけで合図の神業。ベートーヴェンの交響曲3/4/5番の短い解説。ピアノを弾きながらお見事ですね。4番の4楽章のあとラヴェルの『ピアノ協奏曲』の超絶技巧の難曲をフランス国立オケ相手に振り弾き。天才はやることが違いますね。おまけにブラックパンサー等の資金集めにまで自宅で集会を開いて協力までしていて。イヤハヤ言葉がありません。受講生のお爺さんもバーンスタインがこんなに凄いとは知らなかった…と。次回来月は作曲家バーンスタインを紹介します。

4月27日(土)つづき
好事魔多し。バーンスタインの講義が楽しく上手くいって新幹線で帰鎌。ヨメハンと待ち合わせて久しぶりに『レストラン・バー213』で食事。美味しいステーキを食べたあと『バーKroccks』で美味しいアイリッシュやウォトカを楽しんだあと大船駅を越えてタクシー乗り場へ…と思ったところが…下りの階段で足を躓かせて頭から転倒1回転半。頭部から少なくない流血に何人かの若い男女が駆け寄ってくれてハンカチを渡してくれたり駅員さんを呼んでくれたり119に連絡してくれたり。まったく情けない酔っ払いの醜態をさらしてしまったが駆けつけてくれた駅員さんが手拭いで頭部を押さえてくれ若者たちが救急隊員を案内してくれたり。意識はしっかりしていたので皆さんに御礼を言って担架に乗せられて近所の総合病院へ。CTスキャンには異常が見られず出血した頭部以外の異常も特に見られず6針縫ってもらって深夜に退院。抜糸は元号が変わって令和5月5日とか。ま。長いGW。特に遊びの予定もないのでゆっくりするか…。階段で手を貸してくれた若者たちや駅員さん。本当にありがとうございました。

4月28日(日)
朝ベッドで目覚めると左右の胸や左足膝あたりが痛い。頭部以外にも打撲…がないわけないですからね。次女に言わせると下りの階段でシングルアクセルを頭からやってしまったのですからね。ダメージが頭だけだったらもう少し深い傷になっていたはずかも。黒兵衛の散歩はヘルプに来てくれた長女に任せて軽い朝食とチョットした仕事の整理のあとベッドで新幹線から読み続けていた赤坂真理『箱の中の天皇』(河出書房新社)読了。見事な象徴天皇賛歌。ドイツのヴァイツゼッカー大統領のあらゆる戦争被害者とりわけ弱者に身を寄せた見事な敗戦40周年の演説に較べて日本の国(政府)は被害者や死者に対する想像力を欠いていた…が平成天皇が戦地を巡って続けられた祈りこそ想像力に溢れた象徴天皇の見事な行為と言えそうだ。その見事な結論に時空を越えてマッカーサーやGHQとの交流(交信?)を通して到達する。平成から令和に変わろうとする時に読もうと思って読めてよかった。夕方から病院へ。再度頭部CTスキャン検査。無問題。10年前の脳出血の跡も消えていて一安心(そんな記録が今ではすぐに引っ張り出せるんですねえ)。夜は早々にベッドへ。赤坂真理『東京プリズン』(河出文庫)読み始める。

DVD
『ハイドン:交響曲第88番ト長調「V字」/ハイドン:協奏交響曲』
『ハイドン:交響曲第88番ト長調「V字」/ハイドン:協奏交響曲』
『チャイコフスキー:交響曲第4、5番他』
『チャイコフスキー:交響曲第4、5番他』
『ラベル:ピアノ協奏曲、ボレロ他』
『ラベル:ピアノ協奏曲、ボレロ他』
『ベートーヴェン:交響曲第3・4・5番』
『ベートーヴェン:交響曲第3・4・5番』
DVD
『ディア・ハンター』
『ディア・ハンター』

4月29日(月)
朝からベッドでゴロゴロ。赤坂真理『東京プリズン』読み進む。今度は『ディア・ハンター』から始まったか(読まれた方にはわかりますよね)。この人の作劇術は面白いですねえ。少し仕事を…とも思うが看護師の次女が頭を打ったら絶対安静2日間と言っていたので従う。老いては子に従え。ベッドで寝たり起きたり本を読んだり。ところが夕方頃から悪寒を感じて毛布に布団を何枚も。カロナール(熱冷まし)を服んで一眠りして目覚めると今度は汗だく。パジャマを着替えて布団なしで過ごせば今度は悪寒。美味しい卵粥だけを食べてマイッタナア…の一晩を過ごす。

4月30日(火)
朝起きても体調イマイチで頭がシャンとせずトイレへ行くのも大儀。女房が病院へ電話して症状を告げるとすぐに救急車で来院せよとのこと。何をオーバーな…と思っても身体が満足に動かないとまともな反論もできない。そのうち近所から救急隊員が駆けつけてくれる。意識は鮮明だからカッコワルーという気持ちしか湧かない。サイレンがウウウ〜ンと鳴って病院へ。すぐにイロイロ検査のあと「敗血症の可能性が否定できませんので入院していただきます」アジャパー。マイッタ。

4月30日(火)つづき
病院でイロイロ検査。今度は外科でなく内科ラシイ。ハイケツショウと最初聞いたときは肺と何か関係があるのかと思ったがウィルスや細菌が血液や尿に入り込み増殖して血液を全部ダメにしてしまう(?)敗血症と書く病気らしい。頭部打撲出血と関連があるのかどうかはワカラナイらしい。採血した血のなかで細菌やウィルスがどんなふうに増殖するのかを待たないと判断できないとか。仕方ない。平成最後の日から令和最初の日への記念すべき日は病室で過ごすことになった。テレビでイロイロ儀式の映像を見る。退位された天皇は赤坂真理さんの言葉を借りずとも本当に見事な天皇でしたね。儀式のなかで小さな箱は2個現れたので『箱の中の天皇を』を思い出して一瞬ぎくっとする。深夜0時。世の中は馬鹿騒ぎの様子。ソーユー日本になったのですね。オリンピックの時はどーなるのかな。なかなか眠りにつけず『東京プリズン』読み進む。面白い。小説としては『箱の中の天皇』よりも小説的ですね。食欲ゼロ。ほとんど何も食べない一日。ダイエットは完璧ですね。

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