娘=嫁(あくら)と、その母親が、近々嫁入りをする家(姑宅)を訪れる。
世間知らずの娘(嫁)。母親は娘と姉妹に見えることが自慢。
ふたりとも、タンクトップにロウ・ウエストのホワイト・ジーンズ(またはスパッツ)というヘソ出しファッションで、「スカートというものを履いたことがない」。
嫁 「彼んちへ挨拶に行って、新しいママに会うんだけど、ラッキーって結果にしたいわけ。でも、どうするかわかんないから、ママ、教えてよ」
母 「まあまあ、もう、あくらちゃんは何も知らないんだから。やっぱりきちんと挨拶をするんだったら、やっぱしスカートくらいは履いていかないとダメじゃん。ママが若いときにジルバを踊ったスカートがあるから、それを貸してあげるわ」
嫁 「うわっ。かっこいいジャン。ママ、けっこうやるじゃん」
母 「そりゃ、わたしだって、昔はけっこう……」
嫁 「でも、スカート、一枚しかないじゃん」
母 「そうね。でも、しかたないから、一枚でなんとかしちゃいましょ」
というわけで、嫁(娘)がホワイトジーンズ(スパッツ)の上からスカートを履き、姑宅へ挨拶に行く。
その後の展開は、狂言「二人袴」とまったく同じ。
スカートが一枚しかないものだから、まず娘がスカートを履いて挨拶に伺い、母親が呼ばれると、娘が退室し、スカートを脱ぎ、それを母親が履く。
その何度かの繰り返しのあと、最後に、二人揃って挨拶に行くときは、スカートを二つに切り裂き、前掛けのようにして姑宅へはいる。
…と、姑は、バドワイザーとカリフォルニア・ワインを出し、自分が、かつてマハラジャのお立ち台で踊っていたことを告白する。そこで……、
姑 「3人で踊りましょう」
嫁 「パラパラならば踊れます」
姑と母 「パラパラならば私たちも」
と、3人で踊り出す。
今は昔のマハラジャは 踊り三昧お立ち台
夜から朝まで行く春の 時を忘れていつの世も
踊る若さよ めでたけれ
ジルバにルンバ マンボにチャチャチャ
ドドンパ、ツイスト、サーフィン、モンキー、
扇振り振り腰振りも 腕を振り振りパラパラも
念仏踊りと変わりなし 盆の踊りと変わりなし
アラブの皇子もトルコの姫も 天竺の神もジャワの仏も
へそ出しルックで舞い踊り ミニスカパンツで歌い舞い
今も昔も 西も東も 夢もうつつも 溶けてゆく
踊ってる最中に、スカートの後ろ半分がないのを発見した姑は
姑 「それって、新しいトレンド?」
母と娘 「恥ずかしや、恥ずかしや」
姑 「それって、ニューヨーク? パリ? ミラノ? どこのファッション? どこのお店で買えるの?」
母と娘 「恥ずかしや、恥ずかしや」
姑 「どこで買えるの? 教えて、教えて」
母と娘 「恥ずかしや、恥ずかしや」 |