@は。様々な生物の「死」から、我々人間の「生」が見えてくる名著。
寿命24時間足らずのカゲロウは脱皮・交尾・産卵のあと急激に老化して死ぬ。「無駄に生きない究極に進化した死」だ。
ハダカデバネズミは普通の鼠の10倍近い30年を生きる。が、長時間睡眠の省エネ体質。長生きさえすればそれでいいのか?という疑問が湧かないでもない。
鮭は産卵で死に、ある種の蜘蛛は子孫に内臓を食べさせて死ぬ。
縄文時代に平均寿命約15年だったヒトは、それを90年近くに延ばした現在も、アンチエイジングを希求する。しかし「死」は「生命の連続性を維持し多様性を生む原動力」と気付くと「死」も存外悪くない。
「死ねず」に成長し続けるAIは「自殺」するほかないかもしれないのだから!
そんな「必然の死」と「偶然の生」のなかで少しでも豊かな人生を求め、人間はスポーツや文化を営む。
が、上手くいくとは限らない。Aはコロナ禍で「強行開催」した東京五輪のナンセンスさを記録した快著。
だが、それ以上に深刻なのは戦後の独立以来84%もの期間58年4か月もの歳月を、日本は五輪の招致と開催準備に費やしてきたことだ。まさに「五輪中毒」「五輪依存症」。
スポーツが大切な文化だと認知されていないから五輪を呼ばないかぎり公金(税金)が出ないのだ。
Bは、武道の真の素晴らしさを解説した好著。剣道や柔道などの武道は、中学生の必修科目になって以来競技人口が激減した。安直な「日本文化=武道復活論」に警鐘を鳴らし、武道の真の素晴らしさを描いた一冊だ。
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