日馬富士関の引退はやむを得ない。ただ日本相撲協会はこれで問題を終わらせてはならない。事件は警察の捜査に任せるとして、危機管理委員会の調査を続け、問題の本質をつかみ、改善すべきだ。暴力体質を含め、相撲協会が公益財団法人となったのに、力士も師匠も一般社会の常識を欠いたままなのが背景にあるようにも思える。
白鵬関、鶴竜関が同席していたのだから、横綱としての品格の面から2人の行動も問われるだろう。モンゴル人力士が集まったあの夜の会合の是非も考えるべきだ。異国での懇親を断てとは言い難い。だが、星の貸し借りという疑惑を指摘する人がおり、もしそうなら問題で、相撲協会は踏み込んだ調査が必要だ。
被害を受けた貴ノ岩関も、報道されるような先輩横綱に対する行きすぎた言動が事実なら、伝統的な秩序を逸脱しており許されない。報告義務を怠った貴乃花親方は、貴ノ岩関の囲い方を含めて処分も当然だろう。執行部への私怨が絡む態度に見え、協会ガバナンス(統治)の面でも問題だ。
日馬富士関には特別功労金が出るのだろうか。一般企業なら懲戒相当の社員に
退職金に上乗せした金額が払われる形で、首をひねらざるを得ない。 |