この原稿（というか、アンケートへの回答）は、何年か前、『男の隠れ家』という雑誌の依頼に応えたものですが、残念ながら「国内だけに限る」とあとから言われて後半部分がカットされてしまいました。そこで（と言うわけでもないのですが）、ちょいと書き加えてここに“蔵出し”します。

＜普段よく行く店＞
鮨処もり山。東海道線大船駅下車徒歩5分。横浜市栄区。

＜お気に入りの理由＞
とにかく旨い。穴子が絶品。鮨ネタはどれも上々。浅利の酒蒸しなどの料理も抜群。アットホームな落ち着いた雰囲気も悪くない。自宅に近く、東京の（やたらと気取った）鮨屋まで脚を伸ばす気になれなくなった。

＜その他のオススメメニュー＞
鰹、鳥貝。鰯や鮪をつみれ状にしたハンバーグのような食べ物も旨い。

＜いままでに印象深かった店＞
ミラノのスカラ座近くにあるホテル『エドゥ・ミラン』のなかのレストラン『ドン・カルロ』。

＜お気に入りの理由＞
大作曲家ジュゼッペ・ヴェルディの亡くなったホテルで、ヴェルディのつくったオペラの題名が店名になっており、BGMももちろんヴェルディのオペラ。少々気取ったボーイ連中の所作を見ているだけでもイタリア臭がぷんぷんと匂ってイタリアの雰囲気に浸れる。

＜オススメメニュー＞
白トリュフのペペロンチーノ。私が行ったときに、偶然素晴らしい白トリュフがあるからと、化学実験用のようなビーカーに入った初めて見る丸いカタマリを見せられ、断れずに注文。生涯食った食物のなかで最高の逸品。ただし値段が1人前90ユーロ近くした。一生に一度食べれば十分。ま、二度と食うことはないでしょう。