コラム「ノンジャンル編」
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掲載日2022-12-01
これは共同通信社の依頼で書いた書評原稿です。取りあげた書籍はジョナサン・アイグ著/押野素子・訳『評伝モハメド・アリアメリカで最も憎まれたチャンピオン』(岩波書店・刊/3600円)で、メッチャメチャ分厚い「鈍器本」と呼ばれる一冊でした。鈍器本とは、鈍器として武器にも使えるほどの本という意味だそうですが、その厚さに負けない内容の濃い、読み応えのある一冊でした。11月上旬〜中旬の週末に、全国の地方紙と産経新聞の書評欄に掲載された原稿ですが、新聞書評原稿の常で文字数が限られ、元の原稿は少々削られて、新聞の文字遣いに合わせての修正もありましたので、本HPでは元原稿のまま、小生のオリジナルのタイトルとともに"蔵出し"させていただきます。御一読下さい。

「メディア」としてのアリを描ききった快著/『評伝モハメド・アリ』書評

 本書はモハメド・アリの評伝の決定版である。

 2段組580ページの大部は、アリの曾祖父を奴隷としながら「奴隷制反対」を唱えた上院議員ヘンリー・クレイ・ジュニアから始まる(アリも彼の白人の血を引いているらしい)。

 少年時代に自転車を盗まれたことで担当の警官からボクシングを習い始め、急速に上達した彼はローマ五輪で優勝……という有名なエピソードのほか、スクールバスの横を走る目立ちたがり屋の姿や、飛行機恐怖症が激しい繊細な性格など、興味深い話題が満載。

 ただし金メダルを黒人の役に立たないと故郷の川に捨てたのは、都市伝説の類らしい。

 プロ転向後、刑務所あがりの世界王者リストンを倒し、一躍若きヒーローとなったのも束の間。

「過激派ブラック・モスレム」と言われたイスラム教集団に入信。「ベトコンには何の恨みもない」とベトナム戦争に反対して王座を剥奪され、4年近くリングを去ることを余儀なくされた空白の後、黒人の故郷アフリカの地で、誰もが史上最強と認めたフォアマンを、KOして王座に復活。

 その後は、「蝶のように舞い蜂のように刺す」往年の華麗な足捌き(フットワーク)も、鋭いパンチも消え、弛んだ身体を曝して足掻く姿にファンは呆れもし、同情もする。

 晩年はパーキンソン病に苦しみながらアトランタ五輪聖火の最終点火者として大喝采……。

 そんなアリの波瀾万丈の表舞台と同時に、心に響くのは、アリの体調を心配しながらも、息子の莫大な稼ぎで生活が乱れる父親や、激しい言い争いの末の夫人との離婚の顛末、心の平穏を取り戻す再婚女性との会話、自宅を突然訪ねてくる友人や見知らぬファンや学校での講演を依頼する教師や子供……そして、それらをすべて受け入れるアリの姿だ。

 彼の激動の人生は60〜80年代のアメリカそのものと言える。

 モハメド・アリとは「メディア」だったのだ。アメリカの正義も悪も、建前も矛盾も、政治も家庭も……アリはアメリカという国と社会をそのまま自分の人生に映し出した。

 本物のスーパースターとは、そういう存在のことを言うなのだろう。

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スポーツライターを引退しました

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槇文彦グループの提言:低いキールアーチ構造がコスト高・長工期の原因である。

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京がたり 俺の祇園 いやで捨てたけど、好き

スポーツの正しい発展のために指導者ライセンス制度の確立を!

東京の新しい歌舞伎座が完成オープン/歌舞伎はナンデモアリの最高に楽しい大衆芸能ナノダ

あけましておめでとうございます。

スポーツする身体 十選/第9回スポーツする身体 パブロ・ピカソ『マタドールの死』/第10回スポーツする身体 ベン・シャーン『ハンド・ボール』

スポーツする身体 十選/第7回スポーツする身体エドガー・ドガ『観覧席前の競走馬』/第8回スポーツする身体ルネ・マグリット『迷える騎手』

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スポーツする身体 十選/第1回アルジェリアの洞窟壁画/第2回マチス『ダンス』

東京オリンピック〜戦後日本のひとつの美しい到達点

「黒人選手」は本当に速くて強いのか!?〜スポーツと五輪の過去・現在・未来

「美」で誘惑した女の一生――ライナー・ローター著『レーニ・リーフェンシュタール 美の誘惑者』(ライナー・ローター/瀬川裕司訳/青土社・2,800円)

プロ野球ビジネスの未来〜球界全体の新戦略を

日本体罰論〜いま改めて考える「スポーツ」と「教育」と「体罰」

東京の新しい歌舞伎座が完成オープン/歌舞伎はナンデモアリの最高に楽しい大衆芸能ナノダ

六道珍皇寺・閻魔大王像――幼い頃に恐怖心を刻まれた閻魔様との再会

大河ドラマは世に連れ、家族は大河ドラマに連れ……

京都駅の思い出

スポーツ振興くじ(toto)は「ギャンブル」や「金集め」だけでは語れない!

あなたは知ってる!? スポーツの疑問の数々…

五輪のあり方を考える〜ネット中継や交流も…/ロンドン・オリンピックはシェイクスピアに注目!?

「猫もするなり球遊び」スポーツは、世界(オリンピック)と地域社会(クラブ)をつなげる

「猫もするなり球遊び」オリンピックは人類の祭典!日本人にとっては?

二代目市川亀治郎さん(現・四代目市川猿之助)――伝統とは「変える力」

大学の教壇に立って……〜ジャーナリズムとアカデミズム

ランニングの歴史と魅力を伝える〜トル・ゴタス著『なぜ人は走るのか:ランニングの人類史』(筑摩書房)

読者からの質問への回答

『マーラーの交響曲』発売記念エッセイ〜いつか私の時代が来る、とマーラーは言った。

祇園町の電器屋の初荷

権力志向者がジャーナリストになる危険性――魚住昭『渡邉恒雄 メディアと権力』講談社

かつてラグビーは日本中を湧かせた!(上岡伸雄・著『釜石ラグビー栄光の日々松尾雄治とくろがねのラガーたち』中央公論社)

日本文化「大相撲」は「スポーツ」なのか?

オペラ(音楽)とスポーツの濃密な関係

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「新道」という名前が消える寂しさ

孤立化、個別化する社会のあり方に警告(杉本厚夫『「かくれんぼ」ができない子どもたち』ミネルヴァ書房)

女心・男心…人間を描くため、肉体を描ききった本物の作家(虫明亜呂無『パスキンの女たち』清流出版)

松本修『「お笑い」日本語革命』(新潮社)書評「みたいな。」の元祖はとんねるずか!?

犬好き男の愛猫記

大魔神を巡る見事な「知的探検の旅」/小野俊太郎・著『大魔神の精神史』(角川ONEテーマ21)

企業の「所有物」と化したスポーツ・文化団体

スポーツ番組作りの「プロ」になっていただくために

「スポーツ放送はどうあるべきか?」を考える前に、考えるべきこと

書評『茶の世界史』/茶が映し出す過去の世界史&茶が匂わせる未来社会

思い出すのは仕事をしている姿

脳出血と恐怖心

現代社会の「怪物性」を説き明かす見事な一冊〜小野俊太郎・著『フランケンシュタイン・コンプレックス 人間は、いつ怪物になるのか?』青草書房

「劣等感・コンプレックス」とは、本当はどんなものなのか

あけましておめでとうございます

脳出血から復活できた理由(わけ)

「何か」を表現しようとする究極の本能

天職人〜あとがき

そばは京都にかぎる

総選挙の行方とスポーツ界

小泉首相の「趣味」と「文化政策」

行きつけの店は恋人に似てる?

アイ・ラヴ・サッポロ!アイ・ラヴ・ホッカイドウ!

日本文化の「型」と「カタヤブリ」と「カタナシ」の関係を横綱・朝青龍の「カタチ」から読み解く。

いま、ベネズエラで起きている「大事件」

「文化」の持つ本当の力

あけましておめでとうございます

煩悩の世界史〜『要約世界文学全集』(木原武一・著/新潮社)

「夢かうつつか…」逝った者へ…、残された者は…

オリンピックはスポーツではない

「天才」の多くなった世の中

『二十五時』との数奇な出逢い

わたしは猫になりたい。

紅旗征戎不有吾事 金は天下の周りの持ちもの…

アメリカ珍道中〜This is American Way

仕事人間の弁明

変わらないことの素晴らしさ

<二人袴>

女人狂言『茶壺 de Hermes』

私の行きつけの店・好きな店

島田雅彦vs玉木正之 ドイツW杯特別対談「選手を自由にさせたら高校生になっちゃった」

あけましておめでとうございます

個人的パラダイム・シフトに導かれた三冊

ゴシック・万博・ストリップ・吉本…を読む

現代と未来の世界を考えるうえでの「真の世界史情報」(井野瀬久美恵・著『興亡の世界史16 大英帝国という経験』)

300万ヒット記念特集・蔵出しの蔵出しコラム第3弾!

300万ヒット記念特集・蔵出しの蔵出しコラム第2弾!

300万ヒット記念特集・蔵出しの蔵出しコラム第1弾!

知識や情報なんて、ないほうがいい

現代日本人必読の一冊

タクシーと自家用車の違い

「天才」って何? ――まえがきにかえて

「ある女の一生」

「戦争映画」が好きな理由(わけ)

とかく京都のスポーツマンは……

道はどれほど重要なものか

祇園町の「生活」=「文化」

地獄八景万之丞乃戯(じごくばっけいまんのじょうのたわむれ)

わたしは猫になりたい。

読書日記〜稲垣足穂から梅原猛まで

アッピア街道に乾杯(ブリンディシ)!

「質より量」の読書は「質」が残る?

スポーツは究極の道楽?

久しぶりに「銀ブラ」でもするか・・・

行きつけの店は恋人に似てる?

権力志向者がジャーナリストになる危険性――魚住昭『渡邉恒雄 メディアと権力』講談社

ロジャー・パルバース著『旅する帽子』生身のラフカディオ・ハーンが幻想のなかに甦る

作者の名前も作品の題名も消えるほどのノンフィクションの名作〜デイビッド・レムニック著『モハメド・アリ』

戦争と軍隊の歴史

スポーツと音楽を通して出逢ったトリュフ

スポーツ・ジャーナリストにはスポーツよりも大事なものがある?

お薦めの本(2003年夏〜2004年春)

日本人は元気だ――24人の元気な日本人

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「若い国」アメリカ

京都人の溜息

経済には倫理が必要である

オススメ脳味噌のマッサージ

吉本興業は匈奴である『わらわしたい――竹中版正調よしもと林正之助伝』竹中功・著/河出書房新社

虚実の皮膜――『イッセー尾形の都市カタログPART2』イッセー尾形/森田祐三・共著 早川書房・刊

胡散臭さ礼賛――竹内久美子『賭博と国家と男と女』(日本経済新聞社)

衝撃的な笑劇――レイ・クーニー『笑劇集』劇書房

翻訳って何?――『翻訳史のプロムナード』(辻由美・著/みすず書房・刊)

脳細胞の組み替え――『世界史の誕生』岡田英弘・著/筑摩書房(現・ちくま文庫)

長老の話――堀田善衛・著『めぐりあいし人びと』を読んで

古典の楽しさ

ドリトル先生 不思議な本

京都が消える

嬉しいこと――喜びは常に過去のもの

野村万之丞 ラジカルな伝統継承者(2)

野村万之丞 ラジカルな伝統継承者(1)

事典・辞典・字典・ジテンする楽しみ(第5回=最終回)

事典・辞典・字典・ジテンする楽しみ(第4回)

事典・辞典・字典・ジテンする楽しみ(第3回)

事典・辞典・字典・ジテンする楽しみ(第2回)

事典・辞典・字典・ジテンする楽しみ(第1回)

先達はあらまほしきか?

旅の衣は篠懸(すずかけ)の

パチンコと飢餓海峡

最近の映画はつまらない?いや、やっぱり、映画はおもしろい?

神道、天皇、韓国・・・を読む。

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京の祇園の極私的元服之儀

コースケ(野村万之丞)の遺言

ミレニアム歳末読書日記 楽しい世紀末

お金と勉強

親父ゆずりの数学好き

わたしの本棚(4) スポーツを読む

わたしの本棚(3) 祭りの原型

わたしの本棚(2) ドラマの感動

わたしの本棚(1) 振動する快楽

夏休み読書日記/スポーツ・身体・ジャーナリズム

銀行は痰壺処理会社

親父の隠したエロ小説

野村万之丞――伝統と格闘するパワー

女が動く時代、男は思索せよ

バック・オーライ

二十五時――わたしの好きな世界文学

「私の京都」

わたしの東京体験

SPレコードは生演奏と同じ〜蓄音機にはまってしまった!

感銘した一冊の本〜鈴木隆『けんかえれじい』

「情報過多時代」の楽しみ方

内面より外面

不味いものが食いたい!

ああ、肩が凝る。

父の勲章

京の昼寝

祇園町の電器屋の初荷

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