『アイーダ』はスエズ運河開通記念として作曲が依頼され、サッカーの応援歌にも使われる凱旋行進曲が有名で、その場面には馬や駱駝や象まで登場する豪華絢爛なスペクタクルも繰り広げられる。が、物語はエジプトの若き武将と敵国エチオピア王女との悲恋。政治によって押し潰される純粋な愛。作曲者ヴェルディが本当に描きたかった人間愛の本質を探る。
10月27日(土)『アイーダ』第1幕徹底解剖
古代エジプトの首都メンフィス。若き武将ラダメスは、エチオピア王女で捕虜の奴隷となっていアイーダとの結婚を夢見る。そのラダメスにエチオピア討伐将軍として闘う命令が下る。恋人の故国との戦争に悩みながら出征するラダメスを、アイーダも複雑な思いで見送る。
11月24日(土)『アイーダ』第2幕徹底解剖
エジプト王女アムネリスはアイーダのラダメスへの愛を見抜き、彼は戦死と嘘をつく。動揺したアイーダに身分の違う愛を非難。そこへラダメスが勝利の凱旋。捕虜にはアイーダの父エチオピア王アモナスロも。エジプト王はラダメスとアムネリスの結婚と王位継承を宣言。アイーダは悲しみのどん底に。
12月22日(土)『アイーダ』第3幕徹底解剖
ナイル川の川辺でのラダメスとの密会を待つアイーダの前に父アモナスロが現れ、エジプト軍の秘密をラダメスから聞き出せと迫る。断り切れずラダメスからエジプト軍の配備を聞き出したがアムネリスと祭司長に聞かれ、アイーダと父は逃げるが、ラダメスは逮捕される。
1月26日(土)『アイーダ』第4幕徹底解剖
牢に入ったラダメスに、アムネリスはアイーダを忘れるなら除名すると言うがラダメスは拒否。地下牢生き埋めの刑が下ったラダメスのもとへ、自分も死を覚悟したアイーダが現れ天井で結ばれることを誓って抱き合って死ぬ。アムネリスはラダメスの冥福を祈り続ける。
2月23日(土)スペクタクル・オペラとしての『アイーダ』
政治と愛の対立劇『アイーダ』は、強大な政治権力の象徴として戦争勝利の凱旋行進の場面が描かれている。そのスペキュタキュラーな名シーンを様々な演出で見較べる。大野外劇場での馬や駱駝の壮大な行進もあれば、小さな劇場での「何も登場しない?」見事な演出も!
3月23日(土)愛のアリアと2重唱としての『アイーダ』
壮大な凱旋行進曲(政治)の正反対に位置する美しい愛のアリアと愛の二重唱。嫉妬のメロディの加わる三重唱や、不気味な政治的メロディが挟まれる四重唱など、晩年のヴェルディは、あらゆる技法を駆使して見事に人間の愛憎劇を紡ぎ出した。これぞ『アイーダ』の本質!
|