モーツァルトから現代音楽オペラまで…、バロック・オペラからオペレッタ・ミュージカルまで…、いろんなオペラを紹介して今年で15年!
通算30期!を迎えた本オペラ講座でも、まだ詳しくは取りあげてないオペラがありました。
それは、少々地味で、少々退屈で……と思われているオペラ……。それら、少々取っ付きにくいオペラを大好きになってしまう秘訣を紹介、解説します。
「オペラ」と名の付くモノに、面白くないモノなんてないのですから!
各回予定
第1回 10月24日モーツァルトのオペラはセリアも面白い!
『フィガロ』『ドン・ジョヴァンニ』などブッファ(喜劇)に較べて人気薄のセリア。神話や英雄伝説などシリアスな物語で人間味に欠けると言われるが、モーツァルトの音楽は絶品。最近見直しと再評価の進むセリアからトロイ戦争後の『イドメネオ』を味わう。
第2回 11月28日ベートーヴェン『フィデリオ』のマジメな迫力に酔う!
浮気・不倫…などの人間味豊かなモーツァルトのブッファが大嫌いだったベートーヴェンは、唯一のオペラに政治犯にされた夫を救い出す夫婦愛の物語を選んだ。その見事な大迫力の音楽は『第九交響曲』を彷彿とさせる!
第3回 12月26日ウェーバー『魔弾の射手』はドイツの森の匂い
ボヘミアの深い森を背景に、若い漁師が悪魔の誘惑に負けず、恋人と結ばれるまでを描いたドイツ・ロマン派音楽が産声をあげた記念すべき一作。いかにもドイツ的といえる質実剛健な合唱の一方、ロマンチックな魅力もふんだんに溢れた快作を楽しみます。
第4回 1月23日ワーグナー『パルジファル』の俗っぽい魅力?
巨人ワーグナーの最後の作品は「舞台神聖祝祭劇」と銘打ったキリスト教救済劇。汚れを知らぬ若き愚者パルジファルが、最後晩餐での聖杯を守りながら病に苦しむ王を救う。長くバイロイト以外での上演が禁じられ、拍手も禁じられた神聖劇だが、意外と俗っぽい?
第5回 2月27日ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』の低音の魅力
14世紀中世ジェノヴァを舞台にした政治劇。アリア中心の派手なオペラを人間の心理描写の音楽へと変化させたきっかけとなった作品。ソプラノが一人でバスやバリトンが活躍するだけに、地味ではあるが聴き応え十分。近年評価が大きく高まった傑作。
第6回 3月25日ブリテン『ピーター・グライムズ』はミュージカルの母?
イギリスの北海に面した小さな漁村。そこで働く頑固な漁師ピーターは雇っていた少年を2人も嵐で失ってしまう。生き残ったピーターを村人は非難し、ピーターは自殺…という暗い物語だが、音楽はバーンスタインのミュージカルにも影響を与えた魅力に富んでいる。 |