フランス革命直前、貴族を馬鹿にしたボーマルシェのドタバタ喜劇を、素晴らしく美しい音楽でオペラ化したモーツァルトは、しかし、それ以後作曲の依頼が少なくなり窮地に!そんな過激な作品の本質を徹底解説。佐渡裕指揮の観劇ツアーも含めて、大傑作喜劇オペラを楽しみましょう!
◆各回予定
4月22日(土) 『セヴィリャの理髪師』
『フィガロの結婚』の原作はフランス大革命前夜に現れた異端児ボーマルシェ作の三部作。その第1話『セヴィリャの理髪師』をパイジェッロとロッシーニのオペラで味わう。伯爵がフィガロの手助けで医者のバルトロからロジーナを奪い、結婚するまでのドタバタ喜劇。
5月27日(土) 『フィガロの結婚』第1幕
せっかくロジーナを手に入れた伯爵だったが、愛情も冷め、フィガロの結婚相手のスザンナにも手を出そうとしたり、小姓のケルビーノにもちょっかいを出す。ケルビーノもスザンナに、伯爵夫人(ロジーナ)はケルビーノに……恋の鞘当て合戦で貴族社会を大風刺。
6月24日(土) 『フィガロの結婚』第2幕
夫(伯爵)の愛が去り孤独な夫人は、スザンナやフィガロと一緒に伯爵を懲らしめる計画を練る。そこにケルビーノが現れ、夫人の浮気を疑う伯爵も現れて大騒動のうえにバルトロと組んだマルチェリーナがフィガロとの結婚を主張。吉本新喜劇的ドタバタは最高潮に。
7月22日(土) 『フィガロの結婚』第3幕
領主でもある伯爵の裁定でフィガロはマルチェリーナと結婚!?しかしその直後、彼女はフィガロの母で、バルトロが父と判明。一人寂しい伯爵夫人のためにスザンナは伯爵を罠に陥れる手紙を書き、フィガロとスザンナ、バルトロとマルチェリーナはめでたく結婚式を。
8月26日(土) 『フィガロの結婚』第4幕
伯爵をダマすため、夫人はスザンナと服を交換して伯爵と夜の密会。フィガロと逢っているスザンナを夫人だと思って激怒する伯爵。しかしスザンナに扮した夫人が現れ、伯爵の浮気がバレ、伯爵は許しを請うハメに……で、ドタバタ喜劇も大団円で幕。
9月30日(土) いろいろな『フィガロの結婚』
以上の『フィガロの結婚』はオーソドックスな演出(18世紀スペイン貴族の館での出来事)ですが、最後にニューヨークのトランプタワーや精神病院の一室などに舞台を変えた様々な新演出を楽しんでいただきます。痛烈な貴族批判の物語は現代社会批判にも通じますね。 |