モーツァルトのオペラ『魔笛』で幕を開けたドイツ・ロマンチック・オペラの系譜は、ウェーバー『魔弾の射手』ワーグナー『タンホイザー』『ローエングリン』フンパーディンク『ヘンゼルとグレーテル』R・シュトラウス『影のない女』へと引き継がれ、イタリア・オペラの男女の恋愛とは異なるメルヘンチック(童話的)な魅力を漂わせています。まるでロマンチック街道を散歩するような、美しくも魔法のような、心地良くも不思議なオペラの魅力を味わいましょう!
4月28日(土)モーツァルト『魔笛』
旅一座の座長であるシカネーダーが台本を書き、モーツァルトが作曲した彼の最後オペラ。エジプト(?)が舞台の古い寓話をもとに、大人から子供まで、秘密結社フリーメースンの秘儀から喜劇まで様々な楽しみ方のできる、モーツァルトが死の直前に残した最高傑作。
5月26日(土)ウェーバー『魔弾の射手』
ボヘミアの深い森を背景に、若い猟師が悪魔の誘惑に負けず、恋人と結ばれるまでを描いた作品。ドイツ・ロマン派音楽が産声をあげた記念すべきオペラ。いかにもドイツ的といえる質実剛健な合唱の一方、ロマンチックな魅力もふんだんに溢れた快作を楽しみましょう。
6月23日(土)ワーグナー『タンホイザー』
歌合戦にも参加する吟遊詩人で騎士のタンホイザーは、愛欲の女神ヴェーヌスが棲む異界ヴェーヌスベルクで、肉欲の世界に溺れる。そんな彼の堕落を、エリーザベトの清き愛が救う。官能美と純愛美の両者を見事に描き出したワーグナーの音楽を堪能しましょう。
7月28日(土)ワーグナー『ローエングリン』
ブラバンド公国大公の娘エルザは、テルラムント伯爵の奸計により国を奪われかける。が、白鳥の騎士ローエングリンによって救われ、結ばれる。しかし、二人には悲劇が……。バイエルン国王ルートヴィヒ2世がこよなく愛したロマンチック・オペラを味わいましょう。
8月25日(土)フンパーディンク『ヘンゼルとグレーテル』
ワーグナーの音楽の影響を受け、ロマンチックなメロディと重厚なハーモニーを引き継いだフンパーディンクが、グリム兄弟の傑作童話をオペラ化。子供だけでなく、大人も十分に楽しめる傑作オペラに創りあげた。その見事な音楽に耳を傾けましょう。
9月22日(土)R・シュトラウス『影のない女』
『ばらの騎士』でモーツァルトの『フィガロの結婚』を近代に「再生」したR・シュトラウスが、「次は魔笛を!」と宣言し、新たな寓話を再創造。霊界の王に支配されるエキゾチックな物語のなかに、結婚と子供への賛歌が歌われる「現代童話」の大傑作を楽しみましょう。
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